表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第01試験科中隊  作者: 津田邦次
第一章 第二次日中戦争
4/27

第一小隊機体紹介

 「なかなかいい結果だったヨ、搭乗時間が短すぎるケド。体力でも尽きたのカナ?」

 「いや、ちょっと冷静になっただけです...」

そう言ってプレハブを出ようと振り返ったとき、窓の外にこれまた異色な機体を発見してしまった。その機体は戦国にぱっと見似ているが全然違う。メインブースター上面とその左右に細長い円柱が追加されており、本来武器切替補助装置が付いている部分には砲が追加されている。更によく見ると追加で脚部にい装甲?らしきモノが取り付けられている。窓の外のソレを指さしながら博士に、

 「あれ、なんですか?見たことない機体ですね」

と聞いた。

 「アレかい?アレはネ、戦国だった機体だヨ」

 「戦国だった?でも、戦国は世界に一機だけだって...」

 「あー、この前までは二機だったが正確カナ。アレが隊長機だヨ」

 「アレが?戦国?」

 (全然ちゃうやん!!)

今度は心の中でちゃんと叫んぶと、博士はおもむろに説明しだした。

 「アレはネ、航続距離が短いからって強引に増槽を取り付けたかとおもったラ、今度は武装切替補助装置を外して固定でいいから砲を付けろなんて言い出しテ、そしたら機動力が足りないから脚部に追加で最新の中型ブースターをくっつけたってワケ。その他もイロイロ変えさせられテ、信じて送り出した我が子が改造される気分は、いいもんじゃなかったヨ」

言われてみると、確かに戦国の面影があるような、ないような。頭部なんてパーツごとまるまる違うんじゃないかと思うほどに違う。おそらくだが、モノアイをメインカメラとしているのは同一で、その下に小さくはあるがデュアルアイが追加されていると思われる。その為か顎は少し高さの低い円錐のように広がっている。機体は黒に塗装されており、他にもショルダーアーマー、胸部装甲、腕部の武装コネクタ、肘、膝、が魔改造されている。

 「一号機はアルミ合金で軽量化してあるから運動性はもともとキミの二号機よりいいはずなんだケド、納得してくれなかったんダヨ。アレはもう戦国じゃないから世界に一機になっちゃったノ。隊長はアレを大和?だったかナ、そんな感じで呼んでたヨ。」

 そうだ、ついでにと、他の隊員の機体を教えてくれた。まとめると、

・岡田機:二〇式陸戦機閃雷乙。第三世代最初の正式採用機の改良型。戦国の前身であり無改造の戦国と腕部、脚部、胸部装甲などの類似点があるが、量産型は出力や速度、関節強度などで劣るためそこを重点的に改良した機体。専用機としての変更点は、機体カラーを鈍い赤にし、戦国から外した武装切替補助装置を装備している。そして、装甲を薄くし、速度を稼いでいる。

・鷹司機:二〇式陸戦機閃雷乙。通常の乙型との変更点は、両肩部に高可動35㎜リヴォルヴァーカノンを装備。背部にミサイルポッドを二基、計16発を搭載。対空能力に特化した機体。機体カラーは薄い緑色だが、両肩が青く塗装されている。

・上野機:二一式陸戦機玄海。第三世代指揮官型陸戦機。その形状は全体的に流線形を意識した形状になっており、正面装甲は楔形装甲を採用しているため、四角錐の頭頂点を正面にし、頂点を上に持ってきたような見た目になっている。噴射エンジンの位置は他の機体同様、背部と太ももにそれぞれついている。特に固定武装は無く、この機体から、武装保持装置が採用されたため、武装積載量が多くなっている。武装保持装置は機体背面の上部装甲にレールのようなコネクタが付いており、これに武装をスライドさせるように乗せると装甲が一部展開し、武装を固定する装置である。この装備の為に帝國陸戦機用火器の上部には何もなく、平になっているものが多い。更に腕を上から背面に回そうとした際に武装のグリップに手が届かない場合に備え、腕が多少伸びるようになっている。機体カラーはデフォルトの薄い緑色。

だいたいこんな感じだ。そして気になったことを博士に聞いてみる。

 「なんでうちの隊に攻撃機がないんですか?」

本来なら一小隊五人で単座である格闘機三機、複座である攻撃機が一機の編成が普通だからだ。

 「知らないヨ。多分第三小隊に攻撃機二機配備してるからじゃないカナ?逆カナ?」

知らないなら仕方ない、と諦めてそろそろ戻ろうとしたところで、

 「言い忘れてたケド、ワタシは君の直接の上官になるから忘れないデネ?」

 「え?」

 「一応、試験科は陸戦機開発所の部隊になるから少しだけ命令系統が違うんダヨ」

 (そっかぁ、この人が上官かぁ...)

とか思いながら、最後に敬礼だけして、格納庫を去るのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ