絵画
中央の上方向から陽光が差している。太陽は雲に隠れて見えていない。雲は奥から手前にかけて黒のグラデーションが目立つ。
陽光は眼前に広がる海の中心に横線を引き、奥側を照らしている。果てしなく続く海は、水面を上下させていることが伺えた。海は水中まで見えそうなほど澄んでいる。
光へ向かって進む船が白い泡沫を作りながら走っている。右奥には山がその存在感を放ち、左手前には少しだけ砂浜が見える。
視覚だけが訴える世界。風が無ければ、波の音も、潮の匂いも、踏みしめているコンクリートらしきものの感覚さえもない。
それなのに、何故かその風景に感動できる。色がきめ細かいからか。何か思い入れがあるからか。そんなものは関係ない。
ただただ圧倒されただけで、その感動に根拠はない。