part9
今回もお読みいただきありがとうございます。
最近あつぅーい。
その日の夕方から武器輸出が始まった。
その日の夜にはプライセンの使者がラヴィエトとの交易を中止し、且つ軍事同盟の破棄を要請してきたがやんわりと断っておいた。これによりプライセンとは敵対関係に入るのは絶対的で、ガルボンにはこちらから軍事行動に出ないようとの内容を含む書を密使に持たせ出発させた。
国内においてはまだ戦争の開始との噂がたっているとは聞いていない。とはいえ現状軍が大量の武器を移動させていることを鑑みれば、軍が動くような事態が起きている、すなわち…ということは用意に理解出来よう。
次の日からはより軍が大きく動くこととなった。それは作戦立案や軍事面での準備に取り掛かっているからだ。また街の武器商人の元にも国家から武器の大量購入が発生しているため、この日からは遂に戦争の噂が立ち始めた。それは仮想敵国両国の耳にも容易に入っているだろう。
そんな中技術局から所謂爆弾の開発に成功したとの知らせを受け至急その威力を見るため軍と共に技術局を訪れた。
「陛下に陸海軍、ようこそいらっしゃいました。」
そのように技術局職員が言うとデモンストレーションを行ってくれた。大きさは手榴弾程度で威力自体はそこまで大したものでは無い、例えるとモンゴル帝国が使用していたてつはうのようなものであった。軍としては大量生産を命じ、戦争中期には使用を始めたいとのことである。また、その爆弾から飛び散った破片を見た技術局職員はこの破片を飛ばすことにより、敵を殺害若しくは負傷させることが出来るのではという研究結果を発表した。
そんな対外的な話の一方で内政としては新貨幣のデザインや交換レートが徐々に決まってきているとの報告が届いた。また、来年度予算についての報告が上がってきており、やはり急な改革のため赤字予算は避けられないとなっている。
このように内政と外務とのふたつを行ったり来たりして遂に戦争の時が訪れる。
「陛下、ラヴィエト連邦がプライセンに対し戦争を吹っかけました。これに呼応するかのようにプライセンもまたラヴィエトに対し宣戦布告をし戦闘状態に入りました。また、懸案事項とされていたガルボンとグリヴェニアの参戦はまだであり、我が国としても資金貸与と武器輸出のみで軍の出撃はまだであります。」
そう妙連が報告すると軍は
「今こそ軍事介入の機会であります。ご命令を。」
という。しかし私にはすこし不安なことがあり、もしガルボンが宣戦布告をし、プライセンとガルボンと戦闘状態に入ると、いくら海を挟むとはいえ二正面作戦になることは避けられないのだ。そのため一つの案としては先にプライセン海軍を崩壊させ、その後ガルボン海軍との決戦を行うのが良いとは考える。ただこれだとガルボン海軍との先頭に間に合わない可能性があり、海軍を二分させるわけにも行かないため、悩みどころである。
「ラヴィエト海軍と我が海軍3割の合同作戦でプライセン海軍を壊滅させることは出来るか?」
「ラヴィエト海軍とは1度も合同演習をしたことがないため一概には言えないです。しかしながらラヴィエト海軍もそれなりに強いため絶対とは言えないですが、かつ可能性は高いとはいえます。」
「それなら今すぐ軍を動かす必要はなく、物資での支援に留めるのが良策か。妙連はどう思う?」
「ガルボンが宣戦布告をしてからでも遅くはないかと。宣戦布告をした瞬間に参戦し即時決戦と持ち込んでからでも勝機はあるかと。若しくは公にラヴィエトが2国以上と戦闘状態に入ると参戦すると発表すれば我が方の損失なくラヴィエトが負けても、我が国は利益を得続けることが可能ですのでわざわざ軍事介入する必要は無いかと思います。」
「軍はどう思う?」
「外交及び経済状況を見極める脳は軍にございません。軍事的に可か不可かを申し上げることしかできません。その上で言いますとガルボンの参戦があれば勝敗の結論を出せません。」
「分かった。じゃあ妙連の言った参戦条件を公表しよう。それでもしガルボンが参戦すれば即時宣戦布告、徹底攻略のをしていこう。軍事的作戦の指揮は軍に任せる。ラヴィエト海軍とももしものことを考えた作戦立案をしてくれ。以上。」
「「はっ。」」
以上の会議を以て我が国の作戦を立案した。次の軍のと会議は動きがあってからになるだろう。そんななか大蔵省から紙幣発行についての報告が上がった。
「紙幣発行は麻の繊維を使った紙に活版印刷をする方式となります。紙幣発行は1月からとさせていただきたいと思います。そのため5月から12月までは準備期間とし国内には紙幣発行を報告します。また、来年からの通貨はポングに統一します。」
今回もお読みいただきありがとうございました。
今回から週最低2本(平日1本休日1本)とします。最低ですのでもっと多い週もあります。たぶん。
そんなわけで次回もよろしくお願いします。