part8
今回もお読みいただきありがとうございます。
髪を切るにも時間が無くて最近…困ったもんです。
今日は即位パレードだ。陸軍・海軍・近衛隊・音楽隊全てが列を成し、私は列の中央付近で馬車に乗っていた。国民は階級を問わずパレードの沿道に集まり、熱狂しているように見えた。しかしその中にも一目で身分の低さが分かるような格好の者もいた。
パレードが終わり外国使節との謁見では前回話題になった各国が来て、全てと融和的に話したが、ガルボン・ブライセン・ラヴィエトは仲の悪さを感じた。ラヴィエト連邦は妙に積極的に融和的で晩餐の時も積極的に話してきていたために、悪寒を感じ、何事もなければ…と祈るしかなかった。
その日の寝る前私のもとに陸軍と海軍が合同の偵察部隊がラヴィエト連邦が軍を特に陸軍を動かしているとの情報が届いた。そして何となくではあるが今日ラヴィエト連邦が近づいてきた理由が分かった。プライセン王国と戦争に入るつもりであるか、我が国と戦争に入るか。そこで外務省に密使を派遣してもらい、ラヴィエト連邦と友好関係に入るように命じた。
不穏な空気が漂い始める中次は陸海軍大臣が防衛戦の準備は整っていて、尚且つ多少攻めるくらいはできるとの連絡を受けた。妙連はそれを聞き、
「戦争状態に入るのは陛下が1番望んでおられないことである。」
と陸海軍に言ったが、
「しかしながら陛下。ラヴィエト連邦が対プライセン王国戦に突入した場合、陸海軍を少し動かしラヴィエト連邦に媚を売るであったり、兵器を売りつけたりしてはいかがでしょうか。」
兵器を売りつければ経済が良くなるのは当然の話ではある。また、経済が良い状態で身分制度改革を行っても国民の反発は想定よりも小さくなると言える。
「軍の介入は最小限に抑え兵器を売っていこう。軍は本格介入しないことと犠牲もほぼなしに抑えること。」
「「了解致しました。」」
次の日にはラヴィエト連邦に密使が届いてもいないにも関わらず、昨日来たラヴィエトの使節が来た。
「スリーグラン王国国王にラヴィエト連邦主席より伝言をお伝え致します。当然ですが、外には漏らさぬようお願いします。」
「分かりました。何でしょうか。」
「我が国は十日後にプライセン王国と戦闘状態に入り、貴国には我が国と同盟関係を結んでいただき、資金提供、武器輸出、軍によるプライセン王国への介入をお願いしたく参りました。我が国としては貴国が同盟関係となって頂ければ、戦争終結後の敗戦国への領土要求を軍の介入具合に応じさせていただきたいと考えております。いかがでしょうか。」
「貴国には勝算があるのですか?それも大切なところです。」
「現状100万人の動員を見込んでおりまして武器が足りないわけであります。」
「なるほど。相手国のプライセンがガルボンや他国と同盟を結び戦闘状態に入った場合は勝ち目があるのでしょうか?」
「ガルボンの参入で勝率は6割に落ち込むでしょう。ただそれ以上の大国の加入があればなかなか厳しいかと。」
「分かりました。陸海軍と検討し明日また返答致します。時間の方は侍従と相談していただきたい。」
「分かりました。良い返答をお待ちしております。」
というと侍従に連れられ明日の予定を決めに行った。
陸海軍と妙連とでどうするか決めることにした。偵察部隊の情報も含めるとラヴィエト連邦は130万人を最大で動員でき100万人は確実に動員できる人数ということらしい。また話し合いを進めるとグリヴェニア共和国が敵につかなければ勝算があるという。そのためグリヴェニアには不参加若しくは我が方に参戦という要望を出すこととした。
次の日ラヴィエト連邦使節との会談の時にグリヴェニア共和国の参戦で変わると伝えると納得し、相互不可侵で確定させ、武器輸出と資金貸与で合意した。また同時に両国でグリヴェニアに工作を仕掛けることにした。
「陛下、本当に参戦でよろしかったのですか。勝算のある戦争とはいえ多少介入しないとその勝算も潰えます。」
「1度決めたことだから。もう後戻りはできまい。軍を信じるだけだ。」
今回もお読みいただきありがとうございました。
まさかの戦争編。戦争には得るものと失うものがあります。今回はそれらを天秤にかけて戦争決行となりました。どうなるのやら。
それでは次回もよろしくです。