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大学生が国家再建をやってみた  作者: オレンジジュースソーダ割り(炭酸苦手)
7/17

part7

今回もお読みいただきありがとうございます。

GWが過ぎ去った今ここで話すネタなどもう尽きてしまった。悲しいね。

その日は妙連と川島さんがちょくちょく入ってくるのを除いて夜まで二人きりであった。そんな時にふと思ったことがあった。

「妙連、妙連にとっての正義とは何?」

「なんですかいきなり。ただ…私にとっての正義は陛下であります。陛下に意見をすることはございますが陛下が決めたことでしたら必ず従います。」

「そう…じゃあ例えば1人が死ねば1万人が助かる時妙連はどっちを殺す?」

「なかなか答えにくい質問ですが1人を殺すのではないでしょうか。」

「じゃあその1人が私だったら?殺す?殺さない?」

「・・・私の心では殺したくはないのですが国家全体を見ると殺すべきなのかも知れません。しかしながら私が殺すことは出来ません。私は確かに陛下を殺すのは私だと言いましたが、本当に殺すとなると私にはできないのかも知れません。」

「なぜ人は矛盾してしまうのだろうね。正義ってのもそんなもんで人の匙加減なんだよ。でも人それぞれに正義があっていいの?例えば盗賊上がりで国家を作った時その盗賊の長は窃盗を許すかな?多くの場合許さないだろうね。となると要するに人は保身に入ることを1番に考えるんだ。人は正義だの平等だの平和だのそれっぽい言葉に薄っぺらい意味を乗せて布教しているだよ。人なんてそんなもの、感情というその時々で変わっていくものと正義、平等、平和をリンクさせて過ごしているんだよ。」

「陛下は何をおっしゃりたいのですか?」

「まだ話には続きがあるんだよ。この世の人には人それぞれ個性というものがある。個性とは要するに才能と考えることが出来る。ではその才能を最大限生かすにはどうすればいい?それは簡単な話で才能を生かせる職場につけばいいんだ。ただそんな才能の中にも殺人が上手い若しくは好きだとか窃盗が得意だとかそういう法律に抵触する部分の才能もこの世にはある。でも世の中はそんな才能を絶対認めない、なぜなら保身、自分にされたくないからだ。だからそんな奴らを社会は封じ込めようとする。それが教育だ。人を殺すのは正しくないと教えこみ方や戦争をする。」

「陛下、そろそろ何言ってるかわからなくなってきたのですが。」

「要するに私は人それぞれに才能があると思っている。そんな才能を残さず生かしたいんだ。だから聞くところによるとこの政府中央の仕事は貴族階級しかできないと聞く。商業で大きくなったら国家から貴族階級が与えられるが農民はいくら大きくなっても貰えない。ましてや農奴なんて。故にこの各省庁の採用は全国民を対象としてそれぞれの省庁が決めたテストによって採用する。無能な貴族などいらないし、有能な農奴は喉から手が出るほど欲しい。これが私の正義である。」

「要するに省庁の採用には全国民が好きな省庁に志願ができ、各省庁が作った課題に合格すれば農奴であっても省庁に入れるということですね。」

「そう、そういうこと。でもそのためには全員が文字を読めないと何も出来ない。計算もできなければ何も出来ない。故に教育施設を作り全国民が必ず入るようにする法律を作りたいと思っている。」

「なるほどです。それは教育庁を新設して大蔵省と擦り合わせて結論を出さないとです。今すぐやって参ります。」

「最初の正義の話いらなかったかもね。」

「否定できません。」

そんなわけで教育へ力を入れることとした。特権階級を消す気ではないが、特権というだけあって1度一家がその中に入れば常に特権であり続けるというのはおかしな話である。今回のことで見込んでいるのは軍の強化と国家の効率化だ。殺人がうまいという才能があればそれはすぐに軍で使え、計算が上手ければ大蔵にも技術局にも行けるというわけだ。また特権階級であっても才能を開花させなければならないため特権階級同士でも競い合いが生まれる。

私が死んだ時その制度はいつか悪となるというのはわかりきった話だ。しかし正義とは私が正しいと思ったこと。故に将来的クズ王と呼ばれるかもしれないが、私ができる最大限のことをすればそれで良いのだ。

そんな話をしていると夜はすっかり更けてしまいまた明日の予定を貰う。今日よりもきつい内容ではあるがこれをこなさなければならないのは国王の使命。自己利益に走った哀れな国王なんで元の世界でいくらでも見た。国家国民のために全身全霊費やすのは当然でなければならないと常日頃から心がけるようしなければ。

夜になり今日は自分の部屋で寝るという。まさか今日も私の部屋なのかと思ったから流石にそんなことは無かったようだ。


太陽が登れば仕事の時間と言うほど忙しい日が始まった。最初は大蔵省より前から言っていたお金の発行から行っていく。お金は信用の塊なのでまずは昔あった金本位制からやっていくことにした。紙幣は安価に作れて高い価値を産むことが出来るために採用。全てを紙幣にする代わり当然今までにあった金は全て交換、統一通貨で行い、必要とあらば金との交換も可能という仕組みである。デザインは大蔵省に丸投げしたがあくまで信用が取れるようにという注文だけはつけておいた。

大蔵省が終わると次は建設省から道路整備や宮廷敷地内のどこに内閣府と立法府を立てるかを議論した。各省庁が正門から宮殿に続く道の両側にあったのをやめ、片側に各省庁を詰め込み、空いたところに国会と内閣官邸を作ることにした。その引越し工事は10年以内の完成を目指すよう支持し道路整備をあくまでも優先するよう求めた。

次に法務省がきて、内閣の作り方や国会召集の日程、人数、投票者と立候補者の範囲を確定させた。また法律を上回る世界初の憲法を制定することとした。また、身分制度の改定を行うための会議も行い非常に難航したが奴隷という階級を失くし貴族、平民のふたつにするよう求めた。

外務省が次に訪れこれからの国家間の関係をどうするかについて話した。こっちとしては内政に力を入れたいため波を立てないようにし、外国勢力の影響によって波が立てば最大限傍観主義になるよう求めた。

これですごいと思ったのは侍従と妙連である。メモを取りながら話を聞き続け、議論を進めるようにしていたのだ。当然のように思われるが意外とこういうのが難しいものなのである。

こちらへ来て何日が経ったのか正直わからなくなるほど忙しい日々を過ごし、明日は即位祝典でパレードをしたり海外使節との交流がある。明日はこれまでとは違った忙しさがあるのかもしれない。

今回もお読みいただきありがとうございました。

今回は説明が多いという哲学しながら政治をする頭を使う内容だったかも知れませんね。(すくなるとも私はなった)

そんなわけでまた次回よろしくお願いします。

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