Part3
これはpart3です。
名前が決まりました。なんで今回から使っていきます。
前回最後何があったのやらの続きからです。
今回もよろしくお願いします。
「なぜあなたの首元に刀を差し向けるかお分かりですよね。」
そのような理由などわかっている。簡単言えば権力が落ちるからだ。とはいえこの状況からの脱却は…
「取り敢えず1度座って話をしないか?」
「この状況でわざわざ刀を下げて話をするとでも?」
「当然このままでだ。それなら文句ないだろう?」
「あぁ、仕方ない、本題に入れ。」
「あなたが私を殺したい理由は分かっている。とはいえ本当に私を殺して良いとでも?私を殺したことが世にバレたらあなたの命も危ないだろう。それにもう殺すには手遅れだ、世の人々は私が新たな王についたことを知っている時間だろう。」
「何故もう民にバレているのだ!説明したまえ!」
「もうその口調も出来ないはずでは?それに刀も下ろしたらどうだ?」
「クッ…下ろさないと話してもらえないか。仕方あるまい。」
そう言うと刀を下げ近くの椅子に座った。
「それで何故民が知っているのだ?教えたまえ…違う、教えて下さいませ。」
口調の急な変化を必死堪え
「私があなたに会う前に家臣から私が嫌だという感じを汲み取ったのか『今から速報で新王即位って発表してきます!』って意気揚々に走っていったんだよ。そんなことされたら私も嫌とは言えなくなる。」
「クソッ、まさが部下が私の首を絞めるとは…」
「まあ、そういうわけで今日からよろしく頼むよ。お互い不本意だけどね。」
「は~、もう少しで私が女王になれたというのに…無念。」
「それはどういうことです?」
「丁度11ヵ月前このまま1年以内に王が不在なら私が女王になると家臣たちと合意したんだ。だからあと1ヶ月で女王になれたんだ。」
ん?この人泣いてない?
「ちょっ、ちょっと、泣かないでください!」
「このつらさ分からないだろう!」
泣きじゃくりながらそんな事言われても…
「と、取り敢えずお互い自己紹介といきましょう。私は伊勢路涼です。名前は?」
「私は西園寺妙連だ、よろしく頼む。」
「こちらこそ。」
お互い正直嫌々で始まる王国記初日だ。この後家臣達が準備をし、正午には即位式、終わってからは昼食会、ティータイム、夕方からは軍の式典、夜は晩餐会と怒涛のスケジュールをこなした。このスケジュールと共に西園寺さんが常に補助してくれた。刀を向けた人間とは思えない人の変わりようである。
「お疲れ様でした陛下。」
「その呼び方慣れないな…それ以上に西園寺さんがしっかり着いてきてくれてるのにも違和感だよ。」
「そりゃあ、陛下を殺すのは私だけですから。」
なんて怖い人なんだ…宮殿への帰りの馬車は和やかと恐怖の混ざった味がしている。
「陛下、今日は徹夜ですね。」
?何を言っているんだ?もう式典は終わったのに?
「どういうことです?」
「今日は時間が無くて所信演説なさりませんでしたよね?明日からは国民・軍・行政府・宮殿内にそれぞれ別の内容の演説をなさるのですよ。」
「もう、辞めていい?」
「今頃何言ってんだこいつです。」
「です付けても毒には変わりないから…」
そんなこんなで演説を書くという地獄が待っている。
part3お読みいただきありがとうございました。
だんだんと文字数を増やし始めています。よみにくい、と思えばクレームを下さい。どこに(以下略)。
伊勢路と西園寺しかまだ出てきてませんね。登場人物はできるだけ抑えたい(覚えられないのが本音)ですが2人ではなんともできないのでちょっとは増えます。
ということでまた次回よろしくお願いします。