第1話 ルクス
『彼の者は新たな神子、闇は世界を覆い神子はそれを払う剣となる。彼の者、神の代理者なり』
神『ようこそVioranzeへ、地球の人間よ』
***「・・・」
神『うむ、記憶に不具合は無いな。わしの力の全てをおぬしに託した、神の代理者として世界を導くもよし、滅ぼすもよしじゃ。おぬしの好きなように世界に及ぼしてみよ』
***「ここ、どこ・・・。僕は一体・・・」
砂漠にたたずむ少年、格好はそのままで汗をかきながら立ち尽くす
やがて喉がカラカラになり、水分が足りてない状況に陥りその場で倒れる
近くを通りかかった人物が居た。
変わった生物に乗っていた人物によって、どこか街へ連れて行かれる
何か賑わいを感じる、否、よそ者を見て何か騒がしい状況だろうか
女性「兄さま、その方は・・・」
男性「砂漠に倒れていた所を見つけて直ぐこちらへ戻った、水をくれてやってくれ」
と、やり取りした後、少年は宿屋へ連れていかれ、そこで水分補給をした。
お腹も鳴り、お腹を空いては話ができんなと連れてきた男性が言いまた違う場所へ連れて行かれる
そこは、宴が行われるような場所で食べ物が沢山並んでいる。
男性「好きな物を食っていいぞ」
***「(何を言っているのかが、わからない。別の言語だろうか)」
男性「そんなマジマジと見なくて大丈夫だぞ、ほれ」
男性は大丈夫というジェスチャーするも、骨が付いた肉を食べ始める
少年は空腹に限界を感じ、警戒しつつも近くにある果物を手に取り、食べた
***「美味しい・・・」と言って、本格的に食べ始める。
近くに居る者達は少年が発言する言葉を理解できずに居た、逆に男性達の言葉も
もしかしたら通じてないのではと思い、男性の妹が本を持ってきた。
ゆっくりだが、この世界の言葉を教えようと思ったのだろう。
その女性は優しく接してきた。
数日後、少しずつ会話が成立するようになり男性は言った
男性「お前、名前は?どこから来た」
***「わからない、名前も・・・わからない」
少年は頭を抱える、痛みは走らないようだが男性達は記憶喪失だろうかと悩み
女性は提案する。
女性「では、私が名前を付けてあげます!」
そこに突如として
兵士「殿下!」
男性「なんだ、騒がしい。お前その傷どうした!」
兵士「ユンナクィアの軍が進行してきました」
やり取りをし、殿下と呼ばれた男性は鎧を見に纏い、兵士と共に外へ行った。
あとを追うように少年も付いて行ってしまった
女性は追いかける。
東門を出ると、そこには青いラインの入った鎧を着た兵士や騎士
奥を見ると赤のラインが入った鎧を着た騎士達、恐らく彼らがユンナクィアの軍だろうか
男性「何故ここに、お前は戻れ」
少年に気づき声を掛けたが、少年は兵士や騎士よりも前
どんどん前へと歩いていき、中間地点にたどり着いた
ユンナクィアの指揮官と思わしき者が"何者だ"と言い
少年は言った
「僕は名前も分からず、自分が何者かもわかりません。ですが、今行われようとしている事は何となくわかります。僕に免じて引いてくれないでしょうか」
馬鹿げていると呟き、指揮官が槍を掲げ全軍に号令をかけようとした時
少年が両手を前に出し、靄のような壁を作り出した。
女性「神子・・・さま・・・?」
呟いた言葉は"神子"
ユンナクィアの指揮官を除く両全軍が片膝をたて、伏している
『神子様の誕生だ』『神子が舞い降りたのか』『あれが神子の力・・・』
と呟く物が複数出てきた。
力を出し尽くしたのか、少年は膝で立つように崩れる
心配した両軍共に近寄ろうとせず、女性が近づく
女性「立てますか?」
女性が肩を貸して、青いラインの鎧を着た騎士達の方へと向かう。
戦争が起きそうな時、少年が見せた力によって収束した。
両軍共に、帰っていった。
女性は言った
ユフィ「私の名前は、ユフィ・エルディア。あなたの名前を決めました、ルクスとお呼びしましょう。よろしくお願いしますね、ルクス様」
ルクス「名前を・・・ありがとう・・・」
女性A「ルクス様、お飲み物いかがでしょうか」
女性B「ルクス様、肩揉みましょうか」
女性C「ルクス様、お召し物いかがでしょうか」
ユフィ「一辺に言わないの、ルクス様がお困りでしょう!」
ルクス「あ、あの・・・さまは・・・いらないです」