第14話 家族
「ユ…ト、ユウト!起きなさいユウト!」
ユウト「ん~、もうちょっと…」
「こら!起きろユウト!」
この声に驚きパっと起きるユウトと呼ばれた少年。
そこにはユウトの姉、マユミが居た。
ユウト「…あれ」
マユミ「どうしたの、まだ寝ぼけてるの?」
ユウト「何か、大事な事していたような…」
そこに母親も入ってきた。
ルキ「二人共ぼさっとしてないで、朝食済ませるわよー。今日は大事な日なんだから」
ユウト・マユミ「はーい」
食事をするユウト、マユミ、ルキ。
ユウトは悠都、マユミは真悠美、ルキは琉姫と漢字で書くとこうなる。
3人で食事を済ませ、悠都は仏壇の前に。
悠都「おじいちゃん、行ってきます」
3人は支度をして、災害跡地のある地域へ。
3人は探し物を探している。
災害跡地に、祖父の遺品が見つかったのだ。災害跡地、前にそこはチバと呼ばれていた地域。
まだ復興しておらず、ゴミや災害によって崩れたビルなどの山。
琉姫曰く、祖父が肌身離さず持っていたとされる特別な道具箱が発見されたのだ。
祖父の遺骨は見つかっていない。悠都と真悠美は諦めている。でなきゃ仏壇の前で呟かない。
母・琉姫は信じている、生きていると。いつかひょっこり出てくるのではないか。
しかし、探しているのは遺品。矛盾している。
担架を持つ人々がいる。また誰か見つかったのか。
布が覆っているからか、それは生きていないのだろう。
その者に対してすがり泣く女性と子供。
何故、この惨劇が起きたのか。悠都が生まれる少し前に起きたそうだ。
各地で災害が同時に発生し、あらゆる連絡手段が途絶えた。
悠都が15歳になった時、やっと電話が復旧したくらい復興が遅かった。
姉が言っていた。かつてチバと呼ばれた地域で異物戦争と呼ばれた物が起きていたと。
その後始末として、この惨劇が起きたのではないかと。
時間が経過し、夕方になり3人は帰宅する。
今回も何も見つからない。2日に1回は、災害跡地へおもむき探すという日常。
そして、悠都が16歳になった日、父親の勇朔が出張から帰ってきた。
勇朔はお土産兼ねて悠都に誕生日プレゼントとして、ペンダントを渡した。