第11話
魔物の気配は無いという理由でエルグは入口で待機すると言っていた
遺跡の中は至る所に絵柄が掘られている
また先ほど不可解な文面と似ている文章がちらほら見かける
そしてそれを読める自分が不思議でしょうがないルクス
絵柄の傍に台座と文面。恐らく絵柄に関しての説明だろうと理解した。
村の絵、一人が村の人々の前に立ち、女性と向き合う場面。
そこに記されている文面は
セルウィンに訪れし青年は精霊と契約し村を救う
後のユンナクィア救済の英雄、神子のゼロとレキア
復興途上の街の絵、マントを羽織し青年に付き従いし姫
その者らを慕う町の人々、この代に魔物現さず唯平穏の日々
姫は王となりて子を二人授かり、青年は女子を元いた世界へと連れ帰り、男子は王が育てる
これはユンナクィアの伝承なり
また、青年は神子に選ばれた者。後に一人、この世界へと帰還す。しかし女子はおらず
この世界に無い絵、それはこの辺では見ないような建物が縦長に伸びて、それがいくつか並ぶ
青年が女子を抱えて、ただそれを見る。青年は年老いて、女子は大人になり
年老いた者は門を通じてどこかへと去った。
Vioranzeとは違う世界の絵。
Vioranzeとは違う世界の絵?!
ルクスは、ここで初めて知った。Vioranze以外にも世界が存在する事に。
そして自分は何故、この文面が読めるのか疑問が深まるばかり
絵柄の先を見ると、台座だけの空間を見つける
この文面を読みし者、この世界に魔物が現れているのならば討伐せよ
救済が終えた時、ユンナクィアに訪れ姫に会え
さすれば、お前が望みし道が開かれる
そして、姫に女子と伝えれば、お前が望むままの答えが見つかるであろう
この文面を記し者、神子を授かりしルクルス
何がどうなっているんだ
ルクスは悩み時間が経過した頃、ルクスは取り敢えずその場をあとにした