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七 蒼い宇宙に思いをはせ

 さて、いよいよ第四クールの航行実習の始まりである。

 宇宙に出られるとあって、プランキッシュ・ゲリラ、ライトニング・ブルー、ブラウン・ベアーズのそれぞれのチームメイトは、どんな実習になるのだろうとワクワク気分で船に乗り込んでいた。

 はじめはミーティング。

 どのチームがどの時間帯に任務に就くのか、またどの担当をするのか話し合いがもたれた。

 今回、グレイスは法務士官ではなく、航宙士として任務にあたる。ジーンは火器管制、カイルは医務担当、ウォンは技術担当、フレッドは科学担当となった。

 他のチーム員も同じように担当が割り振られ、実習に当たることとなった。

 三交代制で任務に当たる。

 今回は二週間と期限を切ってのため、八時間半勤務の三交代。(三十分は勤務交代の引継ぎ時間にあたり、実質休憩を含め八時間勤務となる。)

ライトニング・ブルー、プランキッシュ・ゲリラ、ブラウン・ベアーの順に担当任務に当たることとなった。


 特にトラブルもなく滑り出しは順調だった。

 自分たちの前に訓練を受けた実習生のこともあり、力んでいた部分もあったが、何事もなく肩透かしを食らった気分でもあった。

 航海は進んでいった。

 学生達も今までの知識を駆使して実習に当たっていた。

 指摘されたことはすぐメモできるよう、胸ポケットにメモをしまい込んでの実習だった。


「あーっ、結構神経使うもんだな、航海って」

 ジーンが言った。

 ちょうど昼休憩でチーム全員が揃った時だった。

 ジーンの担当は火器管制とは言っても、ただ魚雷やビーム砲の管理をしていればよいというわけではない。船のシールドバランスの担当も火器管制だ。やることは多くある。

「ほんと、知識フル活用だわ」

 そう言ったのはグレイス。航宙士は船の進行方向を決める重要な役割だ。小惑星帯や重力不安定地帯だと神経を使う。

「今までの勉強は無駄じゃなかったと思い知らされたな」

 そう言ったのはフレッド。ウォンもうんうんと頷いている。

船のシールドバランサーの出力や艦内の重力安定など、縁の下の力持ち的任務に関しては、彼ら技術部門と科学部門の担当だ。彼らが居なければ船は動かない。航宙士と同じく重要な部署である。

「……不眠症って増えるもんだな」

 そう言ったのはカイル。

 船医として任務に当たっているが、任務集中の度合いからか精神が興奮し不眠症になる患者が徐々に出ていた。

「気が抜けないな、ホントに」

「まったくだ」

 そんな会話がなされていた。

「こんなことが続くんだね」

「そうらしいな」

「これが航海か」

「さて、後半の任務も頑張るかね」

 そう言って飲んでいたお茶のカップのカラをゴミ箱へと投げ捨て、それぞれの担当区域に分かれていった。


 


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