三十四 相対性理論の彼方に
出会いがあれば、当然別れもある訳で。
今回の結果発表は新たな自分との出会い。
そして仲間との別れでもあった。
内示が発表される。
個人に配属先を書いた紙が渡された。
プランキッシュ・ゲリラ、ライトニング・ブルーの面々では、医務士官を除いた全員が、小型または中型のワープ艦に配属となった。
「俺達、ワープ艦の実地訓練受けてないぜ」
「地上訓練と現場で覚えろってことでしょ」
「くぅ、キッツいなぁ」
ワープ艦の実習船はない。文字通り地上のシミュレーターと実地で覚えろだ。
「グレイス、お前は?」
「航宙士で採用になってる。付属業務として法務関係とあるから、兼業ね」
「フレッド、お前は?」
「俺の場合は科学士官しかないだろ? それで内示が出てる。そういうジーンはどうなんだ?」
「俺は火器管制担当だな、航宙士は無し。このまま火器管制一本でいきそう」
「カイルは?」
「俺はインターンがあるから、地上勤務」
「そっか」
「全員バラバラかあ」
「まあ、そういうもんでしょ」
それぞれ配属先が違う。
これからはそのようなことが多々あるのだろう。
「卒業したら、今度会うのは『宙』の上ってか?」
「そういうことになりそうね」
「いいことじゃないか。俺たちはその『宙』に向かうために勉強してきたんだから」
「そうだな」
「内示に感謝」
「そう、感謝」
そう言ってお互いにハイタッチをする。
彼らは宇宙へと旅立つ。
乗艦するのはワープ艦。
それこそ、相対性理論の彼方に向かう艦だ。
さて、卒業式。
在校生が見守る中、一人一人卒業生の名前が読み上げられる。
「以上、卒業、勤務地配置」
その言葉を聞いて、礼服姿の卒業生たちは一斉に制帽を空中に放り投げた。
「勝ったぜ!」
「卒業だ!」
在校生たちはその姿を見て、将来の自分の姿と重ねる。
自分達もこの姿を目指して!
空と大地の間に新風が吹く。
彼らに幸多きことを祈って、この話は終了となる。
なお、余談であるが、プランキッシュ・ゲリラの面々が乗務員として一堂に会するのは、十年後のジャスティスVII艦上、グレイスが二十八歳の時となる……。




