二十一 第二次艦上訓練開始
さて、一か月の地上訓練を経て、三回生後期課程は艦上訓練に戻る。
訓練、訓練、訓練! が三回生後期課程の授業である。
今回はチームに関係なく、個別に訓練が割り振りされる。
グレイスは、司法試験を合格していることもあり、法務士官兼航宙士(主に航宙士)として艦に乗り込むこととなる。
同艦には、プランキッシュ・ゲリラのカイル、ジーン、ライトニング・ブルーのロバートが同乗することとなった。
カイルは医務士官として、ジーンは火器管制兼航宙士(主に火器管制)として、ロバートは科学技術士官として乗り込む。
「知った顔でよかったよ」
そう言ったのはロバート。
今回の訓練は一ヶ月と長丁場。確かに、交流のないチーム員と組むよりは呼吸がしやすく、ストレスも溜まりにくいだろう。
「こっちもお互いさま。がんばろ!」
そう言ったのはグレイスだった。
訓練生は、教官役の士官と一対一、ワンツーマンで指導を受ける。指摘を受けたことはメモにとり、次の研修に生かす。それが出来なければアカデミー生ではない。
グレイスの担当教官は、アカデミー出身者ではなく、下士官からのたたき上げの士官だった。得るものは大きいと、グレイスは喜んでいた。
カイル、ジーン、ロバートに対しても同様だった。
カイルの担当医務士官は、一旦看護師として働いていたが、医療の幅に疑問を感じ、医師として働くことを選択し、アカデミー下部の医務専門学校を医師として卒業した逸材だった。
ジーンの担当士官も同じ。下士官からのたたき上げの士官で、経験は豊富だった。
ロバートは艦隊屈指の科学論文者の士官に当たり、満足しているようである。
意図的にそのように組んだと思われ、学生達は積極的に質問し解答を得て、充実した訓練を受けていた。
お昼休憩――
「俺達、全然経験が足らんよなぁ」
「実習している間の経験しかないからなぁ」
「これから彼らみたいになれるのかね、まったく」
食堂でお互い弱音をぶちまけていた。
「おいおい、士官候補生がそれでどうする。部下が不安に思うだろうが」
通りかかった担当教官が呆れてそう言う。
「そうそう、不安になっちゃいますよー」
下士官達もそう答えを返してきた。
それを聞いて、グレイスはにっこり笑って違う答えをはっきり言った。
「どーんと任せてください! 訓練終了までにはきっちり仕事こなせるようになりますから」
「おう、そうこなくっちゃな。楽しみに待ってるぜ!」
わいわいがやがや。
グレイス達はまだ学生なので下士官扱い。
他のクルーもそれを承知で気安く話してくる。
コミュニケーションを取りながら、下士官から上官である士官とはどうあるべきかを学んでいる学生達だった。




