十五 勉強の嵐、運動の嵐
第五クールと第六クールが、練習船のやりくりの状況により、同時に二艦で訓練を行うことになった。これにより、アカデミーに残っている者のE-ラーニングでの勉強期間が二週間短縮されることとなった。
これは大きな事態で、すでに訓練を終えアカデミーに帰還している学生たちは、悲鳴を上げるとともに勉強のピッチを上げて事に当たっていた。
「第五クールの奴ら、大丈夫かね? 戻ってきたら即試験だぜ? 元々は二週間の猶予があったはずだけど」
「何とかするのが、俺たちでしょ。でないと、アカデミー卒業できないし」
「全くだ」
レポートの嵐にも負けず、アカデミー生は知識を駆使して物事に当たっていた。
第五クールと第六クールの面々が、二週間の航行を経て、アカデミーに帰還してきた。
顔色は……あまりよくない。
内容を聞くと、やはり勉強不足の感がぬぐえなかったとのこと。
第四クールだったプランキッシュ・ゲリラとライトニング・ブルーの面々は、テロに巻き込まれなかった分マシだろうという感覚で彼らを見ていた。
「おい、明日からの試験大丈夫か?」
「……何とかする。まずは寝るわ」
こんな状態だった。
勉強! 勉強! 勉強の嵐!
卒業まではあとは一本道である。
ここでへばっては、今までの苦労が水の泡である。
明日からの試験を乗り切ってやる!
囂々と燃えた気持ちを胸に、試験に当たる学生達だった。
さて、試験が終われば、年に一度の体育祭、球技大会である。
昨年の種目はバレーボールで、プランキッシュ・ゲリラとライトニング・ブルーの面々は合同チームを組み、二回戦まで駒を進めた。
今年はというと……。
サッカーの案が出たが、人数の確保が難しいとのことで却下となった。
野球、ソフトボールも同じ理由から却下。
人数が少なくて出来る競技となると限られてくる。
前年と同じバレーボールか、バスケットボールか。はたまたドッジボールか。
「チーム、どうするよ、競技は分からんが、チームは去年と同じで行くか?」
「それだと楽でいいわね、ライトニング・ブルーの意見は?」
「……同じでいいよ」
今年はどうなるのか。
それはこれからのお楽しみということで。




