6! オーク襲来
部屋の番号は056、クリスタ王は075だった。この情報は確かなので少し安心した。コトはすぐに毒に侵されたごまちゃんをベットに寝かせた。
同刻の075室、
「次のオーク達はここを攻めて来るようです。ここを攻める為にまず4匹をスパイとして送り込むようですね。」
「なぜそうするのか?真正面から来ればよいのに。この街は抵抗する力が無いのに…」
「監視の滞っている場所を狙い、スパイで民の避難を遅らせるつもりですね。多分奴等のやる事ですから、殺人や強姦、あと強盗とかですかね?」
「…オークは何故生まれてきたんだろうかな、欲を晴らすためなのか、ヒトとしての生活を嫌いになってしまったのか…」
「奴等なんて絶対に欲しか考えませんよ。」
「貴様も同じだ。欲を思い、それを表に出した挙句、オークになってしまったではないか!」
ダルダルはビビった。その時のクリスタ王の顔は恐ろしかった。しかし、クリスタ王は話を続けた。
「しかし、欲望に比例してオークは強くなっていくのか、訳が分からないな。」
確かに、ダルダルはオークの中でも弱卒で、ゆるキャラかと思われる容姿をしている。
刹那、075室の壁を破り、2体のオークが出てきた。
「ほぅ、2体だけでやって来るとはなぁ。」
「私も闘います!」
「貴様は弱い。駄目だ。」
「はぁい。」
同刻、056室でもオークは2体、勿論壁を破って現れた。コトはすぐさま2体のオークを外に押し出した。ここは3階の部屋だから高さはあるはず。と思ったがその高さから落ちてもほぼ無傷だった。コトは急降下し、オークの頭を踏んだ。透かさず身体を曲げ、剣を出し、オークの背中に刺した。そして2匹目の腹を両断した。
コトは急いで056室に向かった。そこにはオークがもう一体いた。ごまちゃんの所にいた。
「ちょっ、嫌だ!」
「ごまちゃん!!避けて!!」
大声でコトは言い、オークを外に出した。今のオークはどうやら死んでくれたらしい。しかし、ごまちゃんは泣き落ち込んでしまった…
その時、コトはごまちゃんを見ていた。トラウマを持ってしまったかと思いながら。




