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ごまちゃんクエスト!  作者: コグマ
第4章 パルタン編
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53! パルタン

鍛冶屋の扉の前まで来た。焦げくさい臭いが漂っていた。ごまちゃん達は一旦退いてしまった。

(何なのあそこ!扉も開かないし、鼻が焼けそうで大変だったわ!!)

黒煙は空に浮かび、その色は上がるにつれ消えていった。また後で来ることにした。


クリスタ王は貴族達の区間に来た。此処ではやっとの事で人が微かに歩き回っている。ただ、やはりオークが殆どらしい。彼にとってはそんな物は関係ない。今、目の前に居る彼女と話すためだ。

「…レア。一体どういうつもりだ。おかげで見事にこの町の意見が真っ二つになってしまったぞ。」

「ええっ!?なんで私!?イヅナの方が悪いでしょ!そこ私じゃないでしょ!!」

クリスタ王はレアを見つめ続けた。彼女は観念したのか、顔を赤らめ、むきになった。

「だから何なのよ!!ちゃ、ちゃんと要件を聴いてから話すわよ!!」

「イヅナ派の考えはまず簡単に聴いた。それと、レア派の方は、経済力の向上か?」

「ええ。そうよ!だってこの町の経済はもう少しで御陀仏になる頃なのよ。オーク達がサボり続けて、結果こうなったんだもん!!」

「貴族の方は?それと、闘技場の運営費もちゃんと払わせているか?」

「当たり前よ!!」

「…そうか。今回の件はやはり、オーク達だな。少し聴いてみる。済まなかった。」

「そんな事ないわ。」

クリスタ王はレアから少し離れた。

「では。」

そして、クリスタ王はレアを後にして立ち去った。

「れ、レアさん!!」

(あっ。)

一気に大衆が彼女に向かって押し寄せてきた。噂が激流の如く流れていく。

「いっったい!!」

レアは何とかその大衆から抜け出せた。しかし、その後にまた大衆がやって来た。大半がオークである。


ごまちゃん達は暫く歩き続けたが、下町だからか、ぱっと見て良さげな店は見当たらなかった。そして、歩いていく内に横に広い建造物を彼女が見つけた。

「あっちに行ってみる?」

「あれ?ごまちゃんさっきはそこに行きたがらなかったけど…」

「き、気にしない気にしない!ともかく行こう!」

ごまちゃんはコトの手を引いた。近づくと、そこは『パルタン闘技場』と明白に書かれていた。

「また闘技場?」

「でも、奥の方で選手が浮いているのが見えたよ!」

「えっ。」

突然の事だったので、ごまちゃんはついつい驚いてしまった。ごまちゃんは勇気を持って階段を一気に駆け抜こうとした。しかし、そこにはまた防壁が張られていた。彼女は押し返されたがそれをコトが止めた。

「誰!?」

コトは気配に気づき、周りを見回した。すると、そのすぐ横に老けているオークが居た。そのオークは彼を見た。コトはオークに剣を指した。

「君は誰なの!?はっきりして!!」

「ってちょ、なぜに剣を突きつけてんじゃ!!」

オークが両腕を上げた。

「まあ、儂はオークの内の僧侶をやっとる。今は入場の規制があるから、防壁も張られとるんじゃ。」

その規制とは何かは二人とも気になった。

「…あ、私達今回で闘技場を見るのが初めてなんですよ!ですけど…」

「あん?金が無いんか。ならやるよ。ほれい。」

オークは金銭袋をコトに渡した。中にはかなりの量が入っていた。

「あ、ありがとうございます!」

「ま、一緒に行こうかね。」

その言葉を聞いて二人は嫌な予感を察知した。

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