49! 巨大フクロウ
巨大フクロウ、パルトはこちらに向かってきた。正面から見るともの凄い迫力だった。しかし、それは恐ろしい意味としてである。ミイとルブトは今は身体を震わせている。
「なんだよ!あいつ!!」
(嘘でしょ!またコイツ!?)
そんな中、コトだけは唯一冷静だった。そして、パルトが大岩を地に落としたとき、また縦に地が揺れて馬車が止まってしまった。後にクリスタ王も来た。
「コト君、隠れていなさい。ヘリオス!クレタ!」
馬車から二人が外へ出て来た。
「無理〜ムリムリムリ。なぜこんな奴とやんなきゃなんないんだー。」
「昔から倒されていない魔獣だからですよ。此処で倒さないと帰りもこうする運命ですよ。」
リオは積極的に考えていた。クリスタ王はパルトについてコトに言った。
「コト君。あのフクロウは今まで手を付けられなかった魔獣だ。先兵は全員死亡。悲しいものだ。」
「えっ…」
コトは知らないように反応した。
「なぜ今まで戦いで死んでこなかったか…なぜならばパルトが持つ石の終着点は、ゴーレムだからだ!!」
クリスタ王の顔が本気になった。コトは動じていない。外では丁度大岩が分かれていた。そして、ゴーレムの姿が現れた。ゴーレムの一振りは強風を呼び寄せた。すると、突然コトが外に出ようとした。
「待て、君程でも無理だろう。奴らはとてもだが、敵わん。」
「そうかい。私は魔王ですけど。その上、此処で倒さなきゃまたこうなるだけですよ。そんな事より、倒したら同じ事の繰り返しを避けられますよ。」
クリスタ王はコトが魔王であることと同時にコトの言葉に納得した。しかし、コトは大事な存在。ここで出してはいけないと思った。それでも、コトが説得する。
「ここで逃げてそのままにするのは、他人の通り道の邪魔にしかなりません。」
コトはそう言って、窓から外へと飛び出した。そんな彼の後を追わず、見て立ち尽くすしかなかったクリスタ王であった。
パルトとゴーレムの連携攻撃には二人も流石に苦戦していた。
「だ〜か〜ら〜!!まりっ!!?」
クレタが言おうとしたその時に、パルトの空中からの攻撃が来た。
「クレタさん!」
クレタは僅かに避けていた。しかし、ゴーレムが背後に居た。その時、ゴーレムの動きが止まった。一体何が起きたのか、二人には理解できなかった。
「…あっ!!もしかして!」
そこには首飾りの鉱石をゴーレムに向けていたコトが居た。
同刻、ごまちゃんは丁度クリスタ王の所に来た。
「コト君は!?」
「外で魔獣を倒してい…おい。待て。」
ごまちゃんも外へと出ようとした。
「離してください!コト君がどうなって…」
「コト君なら心配するな。」
ごまちゃんは黙ってしまった。
(なんでコト君…そんなに頑張らなくてもいいよ…また死んじゃったら…)
ごまちゃんは心配した目でコトの方へと向いた。




