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ごまちゃんクエスト!  作者: コグマ
第4章 パルタン編
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47! テーブルゲーム

今、陽が丁度落ちたところだ。住宅地が次々と再建されていった。その一方で王達の出立の支度が整ったようだ。その情報が住民達に知らされ、馬車の周りで人が集った。

「王!無事に帰還してください!」

「此処は私達に任せてください!」

人気が高いクリスタ王であった。一般の王は『絶対王政』というものがあるほど、王が住民達を支配するという負の想像があるが、彼はそうでもない。民衆に甘い気がする。いずれ、クーデターの可能性も有り得る。そう考えた者も中に居るだろう。しかし、彼が王になってから一度も革命も、いや争いすら起こらなかった。彼を批判しても、嫉妬にしかならない。

「……スゴイ…。」

「…そうだね。でも、大丈夫かな。こんなに沢山……馬車も通りずらいよ。」

馬車の周りは一面中に人が居る。おかげで時間だけが過ぎていく。そこでクリスタ王は顔を出して、民衆に叫んだ。

「我が民達よ!済まないがこのままではパルタンへ行けん!帰還の時にまた祝おう!」

「オイ!道を開けてくれ!王がお通りになる!このままではパルタンに着かない!開けてくれ!」

ある男が呼びかけた。そして、徐々に道が開いてきた。馬車も漸く進む。


道は凹凸があり、馬車は揺れに揺れていた。

「…っあ!!…て、ああ!ばらまいちゃった!!」

「ごまちゃん、凄く強いよ…。」

今、ポーカーをやっていた所だったが、馬車が動き始め、今回はノーゲーム。しかし、コトはごまちゃんに1度も勝てなかった。おかげで汗を掻いた。

「コト君だって、ストレートとか…」

「そっちはロイヤルストレートフラッシュ決めたけどね…。」

恐ろしい実力(運)だった。7戦中2回もロイヤルストレートフラッシュを出してきたもの。そりゃあ勝てない。

「次こそ…!!」

「コト君!!」

「うわぁぁ!!!?」

ごまちゃんが倒れた。そこに居たのはダルダルであった。

「クリスタ王がお呼び…」

「わかった!!」

二人は慌てて、クリスタ王の車両へと向かった。

「全く。」


「よく来たな。では早速紹介しよう。彼が今回の私の護衛に付く、ミイとルブトだ。」

「…よろしくお願いします…。」

「よろしくお願いします!」

ごまちゃん達にとっては何なのか分からなかった。まあ良い。だいたいそう思っただろう。しかし、クリスタ王は話を続けてごまちゃんに言った。

「…ゲームでもしないか?ごまちゃん。」

ごまちゃんはその一言で目が覚めた。王に勝負を申し込まれたら無論、彼女は退かずに断言した。

「良いですよ!!」

「だったら、私の得意なチェスでもやろうか。」

強引にやるものを選ばれた気がするが、そんな事を気にしても何もならない。素直に挑んだ。

「クリスタ王…ごまちゃんは強いですよ。」

「ああそうか。それがどうした。私はチェスで負けたことは無い。」

コトはクリスタ王を疑った。そこで、ごまちゃんがコトに言う。

「コト君は他の所で待っていてね。」

「凄いな。本当なら観てみたいけど、言うなら仕方ないよな…。」

「大丈夫、絶対勝つから!」

コトはごまちゃんに笑顔を見せた。そして、コトはもとの車両へと戻った。

「ミイ、ルブト、貴様らもだ。」

「は、はい!」

「了解です。」

二人はコトの後を追うように車両へと向かった。

「…此処では存分にテーブルゲームを行える。さっきからあまり揺れないだろう。」

確かに、その通りだ。此処に来てから大きな揺れも小さな揺れも感じない。

「暫くできるな…」


そして、馬車は林を通って台地へと向かった。遠くからは大きい獣も居た。勿論、ごまちゃん達には分からない。パルタンへ向かう者を殺し抜く、そんな強敵達がいる事に。風もよく吹き、砂も舞っている。

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