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ごまちゃんクエスト!  作者: コグマ
第3章 グラン編
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44! 魔王の品格

ごまちゃんは竜のバルフデを見上げた。少し大きめだったので驚きを隠せなかった。コトはいかにも挑戦するかの様な目つきで竜を見た。そして、コトは不意打ちを狙って脚を斬ろうとした。竜が炎を吐いてきたが、コトは炎を受けてしまった。

「コト君!!」

しかし、炎は散りコトの姿を見せた。

「……。」

コトは黙っている。ごまちゃんから言っても、返事すらしない。竜は再びコトに炎を吹こうとした。その瞬間、バルフデは行動できなくなっていた。魔法陣の効果がまだ続いていたからだ。

それでもコトは喜ばずに、魔法を唱えた。

「1…浄化!!」

バルフデの表面が砂のように粉々になっていった。そして中身のオークの死体が現れた。

「…ごまちゃん、あっちに行こう!」

「コト君、また…」

「ごまちゃんが見ている景色はここの人達の殆どと同じなんだ。だから、助けなきゃ終わらないよ!」

「…見捨てないで…。」

コトはごまちゃんの目の前まで走り、彼女の手を取った。

「だったら…一緒に行くかい?」

コトは笑みを浮かべながら応えた。ごまちゃんはコトの顔を見つめた。彼女は頷いた。

「…じゃ、行こっか!」

コトはごまちゃんを引き連れて行こうとしたが、強風が吹き、炎に囲まれてしまった。

「…大丈夫!?」

ごまちゃんがコトに言った。その時、彼女の脚に火がついてしまった。

「…キャアアアッ!!!」

「ごまちゃん!?」

コトはごまちゃんを見た。直ぐに呪文を唱え、火を消した。悲惨な事に、彼女の脚は黒く焦げてしまっていた。

「ごまちゃん…」

「…あっ、いやこれは!へっ、平気…痛っ!」

コトがまた魔法を唱えようとしたとき、ごまちゃんが手を止めた。

「ごまちゃん!駄目だって!そのまま歩いちゃったら耐えられないよ!」

ごまちゃんはコトに構わずゆっくり歩き始めた。

「…ひゃっ!」

ごまちゃんは何度か転けてしまった。その度にコトが彼女に手を借してくれた。挙げ句の果て、ごまちゃんは疲れきって倒れた。それでも彼が自身の身に彼女を寄せた。

「…ほら…。」

「…ふふ…。」

その間に、竜が三体コト達の周りに居た。一斉に炎を吐いたが、コトが防壁を張った。そして、コトは三体に睨んだ。

「……。」

再び無言になった。コトは魔法を唱え始めた。先程の魔法と同じく、鉱石の魔法であった。

「5…カルマ…1……浄化…」

すると、周りの竜は砂のように粉々になってしまった。しかし、燃え盛る炎は消える事が無かった。

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