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ごまちゃんクエスト!  作者: コグマ
第3章 グラン編
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41! 絶望

竜の火炎は、付近を焼け野原にした。そして、城へと攻めて行く。滅亡の危機を都市グランは訪れたのである。

その付近の隊舎の室内の温度も上昇している。頭の中が空っぽになっていく。ごまちゃんはそれに耐えながらもジェドの方を見た。

「オイオイ。そこを退いてくれないかい?お嬢さん。俺様は今急いでいるんでな…」

ごまちゃんは彼を睨んだ。

「…断る。」

「ほお…」

ジェドはごまちゃんの応えを聞いて、強引にコトの方へと向かった。しかし、彼女の剣に邪魔をされ二、三歩分退いた。

「…ふん。やっぱりテメェは邪魔だ。そこまで贔屓されるほど、貴様は偉いモンじゃあない。せめて、現実でも見て亡くなりたまえ。それこそ、テメェの正式な運命なのだ。」

ジェドは威圧をかけながら彼女を睨む。彼女の首を掴み、壁に押した。

「あっ…あ…」

ごまちゃんはジェドを斬ろうとし、彼女の首を掴んでいる彼の右腕を豪快に切断した。しかし、途端に左腕から拳が迫ってきた。とても速く、腹部に直撃してしまった。

「…ハッ…」

「…所詮、要らない奴はこうやって足掻くものだ。外に捨てられた方が尚良いだろう。」

ジェドは彼女をの前まで引きずり、投げ捨てた。

「じゃあな。あの屑の部下よ…生きていたことでも後悔していろ…。」

ごまちゃんは落ちていった。自分ではゆっくりとしか感じない。普通は早く、儚く落ちるはずなのだ。

地に落ちそうな所でデミが抱えた。ごまちゃんは無事でもなかった。


ジェドはコトの方へと再び向いた。

「さてと…!?」

見てみると、鉱石が輝いていた。ジェドは焦ってしまった。

「くっ、クソ!!間に合え!!」

ジェドはコトの方へと走った。首飾りを取ろうとしたが、弾かれてしまった。

「間に合わなかったか。魔神が真面目にやらなかったからだ!!」

あの首飾りを取らなかった魔神を彼は恨んだ。後に鉱石はその光を吸収した。

「くっ、クソがぁぁぁ!!!」

そして、コトは目を微かながら開けた。

「……君は…………!!」

コトは即座に起き上がり、魔法を繰り出した。ジェドは反応できず、窓から出てしまった。そして、落ちていった。


外の様子を見てクリスタ王達の部下らは絶望した。目の前の殺風景を見ることで、死しか待っていないと言われているようで、極限の状態に至っていた。

「も、もう終わりだ…俺達はあいつらの奴隷になるんだ…いつ死ぬかも分からずにいきていられるのか…」

「一生こき使われるのはあり得る。歴史の抹消を目的に皆殺しもあるかもな。」

「おしまいだ…俺達があんなドラゴン達に勝てるはずがない…」

「デミさん達でも一匹でやっと…うわぁぁぁ……」

涙で顔を大いに醜く変貌させた。そこに、クリスタ王とクレタが居た。

「く、クリスタ王!!このままでは、この城が陥落してしまいます!!お逃げください!!せめて、王だけでも…」

クリスタ王はにやけた。

「心配するな。」

「王…まさか、」

「まさか?死にに行くつもりは無い上、戦場に行く必要もない。……今から、転機が訪れる。」

部下達にはその意味が分からなかった。


「やっ、やっ…と、一匹…。」

デミはバルフデを一体倒した。しかし、デミの身体は限界に至った。

「うっ………」

彼女は炎の中、そのまま目を閉じた。


「くっ、畜生が!!!」

ジェドは這い蹲っていた。目の前にはコトの姿が見えた。シアンのマントを身につけている。コトは辺りを見回して誰かを探していた。

見回すと、ごまちゃんが仰向けに倒れていた。そこに一体のバルフデが近づき、ごまちゃんに火を吐こうとした。それに気づき、コトは彼女を抱いて攻撃を避けた。

「ごまちゃん?」

「……あっ、コト君?…此処はどこなの?教えて…」

ごまちゃんはすっかり元気を無くしていたので、コトは急に接吻をした。少し長めだった。

「ごまちゃん?起きた?」

コトは微笑んだ。

「……コト君?まさか…。」

コトはただ頷いた。

「コト君!!良かった!!」

ごまちゃんはコトに突然抱きついてきた。しかし、再び竜がこちらに火を吐こうとした。

「危ない!!」

コトは気づいた。そして、竜は炎を吐き始めた。

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