3! 大丈夫
先程から変に地震が続いている。大きなモノではないが、なぜ…
「これは魔族の仕業かも。」
「?魔族が…どうしたの?」
突然言い出したコトに、ごまちゃんは戸惑った。コトは話を続ける。
「この山は、普通に魔族がぞろぞろといるんだ。多分その中でも今の地震は上級の奴かも。」
「地震!?…あっ、あの時の?あれよりは、今はゆったりしているけど?」
「多分その地震の衝撃かもな。」
「うん。」
「あっ、足を止めちゃったね。ごめんね。」
「分かったなら行こう!」
とその瞬息、なんとまたスライム達が上から襲ってきた。
「!?」
ごまちゃんもコトも、驚いてしまった。コトは、
「さすがに俺もスライムには触れたくないよ!ついてきて!」
コトの後に、ごまちゃんが必死に走った。そんな中でもコトは隠れ場を見つけることができた。至急、ごまちゃんに言った。
「こっち!」
そこは、奥が見えずらい洞窟だった。ここなら大丈夫だと2人は思った。それも束の間、スライムが出口を塞いで洞窟内に流れ込んできた。ごまちゃんは慌てたが、コトは冷静だった。
「どうすればいいのよ!閉じ込められたよ!」
「これぐらいでいいか…」
コトは石を持ちスライムに軽く投げた。
( その程度の攻撃でやられるわけないでしょ! )
そう思ったごまちゃんだが、スライムは大穴を空けてしまった。
「えっ、嘘でしょ…」
「今の内に!」
とコトはごまちゃんを連れて洞窟を出た。
ごまちゃんは、少し涙目だった。突然変な世界に入って、突然死ぬのはとても嫌なものだ。コトはそれに気づいて、足を緩めた。そして、ごまちゃんに問う。
「どうした?ごまちゃん…」
と言った瞬間、ごまちゃんがコトを抱き締めた…。
「…死ぬかと思ったよ。」
コトは笑みを浮かべ、ごまちゃんの背を軽く充て、
「しばらく、一緒にいよう…」
と言い、しばらくしてまた移動をはじめた。
「ここだよ。」
コトが来た場所は、山頂ではなかった。
「何でここなの?」
「確かに『山頂にある』というと登るごとに強そうな敵に遭遇するというような感じはある。ただ、魔族は
悪知恵をよく働かせるからね。山頂まで登ったヒト達に絶望感を与えさせたいってよく思うんだ。」
魔神は目の前!と思いきや何かをコトが感じる。
「魔神はここにはいないな。この山の中には…」
「どういうこと?」
「魔神は今、他の場所にいるということ。つまり、他にあたれということだ。」
「危ない!」
ごまちゃんは後ろの黒い少女の攻撃に気づき、コトを押し倒した。
「そのつぶらな瞳、色白な黒髪、白と黒の服装、やっぱりね。コ〜〜ト君、誰そいつ?」