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ごまちゃんクエスト!  作者: コグマ
第3章 グラン編
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24! コトの疑惑

月夜のグラン城内部、クリスタ王は衣服を着て、自室に入ってきた。室内の3つのロウソクに火を灯し、辺りを見回した。すると、ダルダルがソファの上で寝ていた。

「んむきゅうーー…」

クリスタ王はすかさずダルダルの首を掴み、往復ビンタを強めにした。

「おい!起きろ!」

「…ん、はっ、しまった!」

「しまった!じゃあない!」

ダルダルはその言葉で覚醒し、クリスタ王から離れた。クリスタ王が強めにやった所為か、頰を押さえている。そして、クリスタ王の方に向いて、言った。

「失礼しますが、私から三つ、申し忘れた事がありました!申し訳ありませんでした!」

「焦るな。その話を続けてくれ。」

しかし、ダルダルは落ち着かなかった。

「ええと、まず魔神の被害についてです!彼の召喚により、別世界のヒトが所々で散らばっています!」

「何!一体どういう事だ。」

「魔神がこの世界から他の世界の住民を呼び寄せる魔法をかけたのです!その上、その魔法は自然と発生、魔神がいる限り、半永久別世界のヒトがなだれ込んできます!半月につき、一人ですが…」

「意外と少ないな…魔神ならもっとこっちにヒトを呼び寄せられるだろう…1日5000人とか。それで、証拠は?」

「私達の言う、遠くの民族の事です。」

「…!だったらごまちゃんは…」

「そうです、グラン城にある書物、他国との情報、そして伝説の勇者の戦利品にも、ゴマクリサ等の様な名前がありませんでした!」

「魔族の名とは思ったが、違ったとはな。次は?」

ダルダルはやっと落ち着きを取り戻した所だった。

「次はその召喚した主の事についてです。」

「そいつは知っている…ジェドだろ、違うか?」

「主はジェドで合っていますが、彼は今、魔神をコントロールしているようです。」

「もしかしたら、別世界からのヒトが半月で一人にする様に抑えているのがジェドなのか。」

「そう解釈しているならば、話は早いです。魔神をコントロールしているジェドをコト君が倒そうとしている。ジェドが死んだら、魔神が単独行動します。

過去に魔神がこの世界を支配した頃は、人は勿論、魔族までも殺され続けた時代でしたからね、闇の時代とも言われました。今では魔神を倒す人材がおりませんので、このままでは魔神の支配が再び始まり、永劫の暗黒時代を迎える事に…」

「人材なら居る。コト君とごまちゃんなら倒せると思う。」

「…コト君についても話があります。」

ダルダルはまた落ち着きを無くした。

「どうした…コト君が憎いのか?」

「やはり、クリスタ王の仰った事は間違いですよ!コト君が、罪償いの為に身内を殺す筈は無いです!絶対に何か裏があります!確かにコト君は優しくて、親しくしてきているのですが、何か隠しているはずです!何故クリスタ王はコト君を怪しまないのですか!彼も一人の魔族なんですよ!」

「つまり、お前が伝えたい事は、魔神が召喚され、それがジェドによってコントロールされている。ジェドを殺したら、被害が大きくなる、という事だな。そして、要求はコト君のジェド殺害を止めさせ、説得し、事情を聴くという事…でも、コト君が止めたら、今度はあっちから攻めて来る。明日は無理だが、明後日に事情を聴くぐらいはしておこう。」

ダルダルは漸く落ち着きを取り戻した。

「私が情報を遅れてしまった事をお詫びを申し上げます。」

「いや、いいんだ。真の情報を拾って来たのだからな。感謝する。」

「では失礼しました。」

ダルダルは退室した。


同刻、ごまちゃん達は町の中でに居た。その町は夜中でも賑わいが絶えなかった。キット達は店の中に入った。

「おい、ペイジ!珍しく店を開いているなぁ〜。」

「オイオイ、珍しくは余計だ。」

キットはペイジに尋ねた。

「そう言えば、此処に『コト』て奴、居ないか?」

「もう出て行ったぜ。大浴場へな。此処での話だが、実は彼と一緒にあの親衛隊隊長の、デミさんが来店しに来たんだ!」

「それは知ってるぜ。」

「あの人は、その猫耳のコト君に『ニャン!』と言えって命令したらその時の顔が赤くなりながら言った様子がメッチャ可愛かったなぁ。」

「誤解する様なので言っておきます。コト君は私の彼氏ですから!」

「お、おぅ…」

ごまちゃんは近くのテーブルの上を叩いた。

「んじゃぁ、俺たちこのテーブルに座るんで…」

キットが場を静めさせた。

「あと、コト君からキット達が来たらこれをごまちゃんに…ごまちゃんは嬢ちゃんかい?」

「あぁはい。」

ペイジはごまちゃんにコトの置き手紙を渡した。

「何が書いてるんだ?」

「私が読みますよ。」

ごまちゃんはその手紙を読んだ。

『ごまちゃんへ

時間が無かったから率直に聞くよ。君に溜めておいた魔力が突然消えちゃったけど、大丈夫だったかい?

明日の準備、また此処の店に来て。寂しそうだし、また君の顔が見たい。じゃあね。

コト』

「何語だこれは?」

これは間違い無い。日本語だった。コトが何故日本語を書けたのか。何も教えていないのに。ごまちゃんの頭の中は疑問に満ちた。

「そんなにダークな事が書かれてたのか…それだったら、飯を食って元気でも出そうぜ。」

キットは注文し始めた。

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