1! 山への裏口
注意
今回の物語はぷろろーぐの続きの話なので「ぷろろーぐ」を読んでから第一話をご覧ください。
外では住民達が、はしゃぎ、楽しんでいた。私もそんなことやったなと、微かに思うごまちゃん。
(おっと、ちゃっちゃと見つけなきゃ。あの山への道。)
先を急ごうとしたがそこにあったのは天突くばかりの壁であった。縦のみならず、横にも広がる壁。
「どういうこと?こっちに『あの山』はあるはずなのに。」
まぁ、他の場所をあたればいい。そう考えたごまちゃんは急いで裏口を探した。
「行くなら裏口に回った方がいいよ!あそこならいつでも行けるし、便利だよ!」
本当に信じていいのか?そう考えたら騙されるつもりで行かない通れないのか?頭が少し混乱する。
(分かったわよ…)
そして彼の指示通りに、裏口へと着いた。
「意外と簡単に見つけたけど…」
ごまちゃんはその事については半信半疑だった。裏口は分かりやすい扉ではなかった。レンガを除いてそこから繋がる道を通ればいいと言われたので、その通りにやった。
そこは地下道だった。ヘドロが所々で垂れている。とても臭い。早く出たい。そう思って走ったら、光が微かに漏れている。急いでそこに駆け寄った。扉を開けたらあの山が目の前にある…
そのはずだった。目の前には兵士が立っていた。
「おい、どこに行く気だ!?」
はっ?と思った。ただ、あの山は目の前にあった事は確かだ。
「ここからは危険だ。お前達は狙われている。魔族にな。」
そんな事は百も承知だ。こっちからやっていくんだもん。ごまちゃんは兵士をすり抜けて急いだ。
「ふん、死んでも知らんぞ。」
こんな世界で死ぬのもちょっと…ただこの世界に一生生活するのも嫌だ!早く出たい!そう思いながら、山へと向かった。
同刻、
「コ〜〜ト君、ど〜〜〜〜こい〜〜るの!?」
と岩石を溶かしながら黒い少女が言った。
「黙ることないじゃん。私達、親族でしょ。」
そこには気配が無かった。
「怖くないでしょ。私とならいいでしょ。」
とにかく優しく脅している。
「出てこなきゃ…」
と言ってから山木をなぎ払った。その被害は近くの
町からも確認できる程だった。すると幼女が現れた。
「あら、迷ってここまできちゃったのね。」
その幼女に反応は無かった。
「丁度、人を食べたかったところだったのよね。」
と軽く言い、少女は首から食べ始めた。




