ぷろろーぐ
「 ねぇねぇ。もし魔界がこの世にあるなら、君はどうしていたの?」
「あったって、どうしようもないでしょ。私達は平民なんだから。黙ってゲームでもすればいいでしょ。」
こう言ったことは覚えている。でもここどこ?布団もいつもより冷たいし!おまけになんか日の光が入ってきているし!眠らせてよ!
我慢の限界で起き上がった。そこはいつもの部屋じゃなかった。一体何が起こったのか。彼女の脳内には疑問だけが残った。
彼女の名は「駒玖 裡沙」、苗字からごまちゃんと知り合いはいつも呼んでいる。身長は160センチぐらいで周りからいつも頼りにされる。そして、インドア派である。大のゲーム好きだ。
面倒臭いからもういいや。寝よう。と思う刹那。
「おい!大ニュースだ!」
ニュースなんざ信用できない。めんどい。でもこのままじゃかわいそうだから聞くだけ聞いてやるか…。
「はい?どちら様?」
「おうやっと出てきたか。実は…」
しょうもない事だと思いきや、
「大悪の魔神が復活したんだよ!」
ごまちゃんにとっては誇張にしか聞こえなかった。いや、こんなもの誰が信じるんだ。笑える。
「本当だ!あの山に魔神が見えたんだって!」
本当ならピンチかもしれないが、私は騙されない。なぜならば彼の顔が喜んでいるようだから。きっと私を誘うつもりね。
「魔神を倒せたらきっと元の場所に戻れるはずだ!」
「なっ、何言っているの!?アンタ誰!?」
自分と同じような人がいたんだ…。前言撤回。ちゃんと話を聞こうか。
「この世界の国々が全力をもって魔神達に対抗するつもりらしい。ただそうやって魔神を倒されたらもう2度とこの世界から出られないかもしれない…。」
唐突過ぎて声すら出なかった。
「だから今あの山に行ってくれない?」
「………はぁ?」
やっぱり話を聞かない方が良かった。まさかこうなるなんて。
そしてとうとうごまちゃんは渡された短剣とその他道具を持って久々に外へでた…。