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プロローグ

『お姫様』


日本の中学女子バスケ界で、三年間自らのチームを無敗に導いた天才PG女子選手の二つ名だ。


視野、洞察力、状況判断力、どれを取っても同世代の女子選手はもちろん、男子選手ですら相手にならなかった。


その他を寄せ付けない強さの中に、どこか優美さを感じさせるプレイから、いつしか『お姫様』という二つ名が付けられたのだ。


しかし、実は『お姫様』にある秘密があったということはあまり知られていない。


それは三年間無敗という記録は彼女一人の力ではない、ということだ。


彼女が自らの実力を生かし、三年間自らのチームを無敗に導いたのは事実だ。


では秘密とは何か?それは『コート内』ではなく、『コート外』に存在していた。


コートの外で選手たちを支える存在。『監督』という役目を担う一人の少年がいたことを、知るものはいない。



ゴムの塊であるボールが手から放たれた。


ボールは緩やかな放物線を描きながら綺麗な弧を描き、3m上空にあるゴールのネットを揺らした。


同時に湧き出す観客、溢れる声援。


自陣と相手のベンチからは労いと鼓舞の声が聞こえてくる。


けど、それは『外』の景色だ。


『中』は違う。


ボールがネットを揺らしたその瞬間、得点したチームもされたチームも次をすぐに考える。


得点したチームは次の相手の攻撃をどう阻むかを。


得点されたチームは次の攻撃でどうやって相手の防御を貫くか。


そうやって相手をどうやって越えるかを模索し、見つけだし、実行する。


まさに一進一退、真剣勝負。


これがバスケットボール。


とある少女たちの『戦場』の名だ。


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