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J/53  作者: 池金啓太
二十九話「跡形もなく残る痕跡」

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王族との再会

「あ、帰ってきた・・・大丈夫かい?」


「すごい音がしたけど・・・戦闘があったの?」


静希の姿を確認すると大野と小岩が静希に駆け寄ってくる、どうやらここまでは炎も届いていないようで辺りはまだ森林地帯のままだ


とはいえ少し歩を進めれば焼け野原が広がっている、あの地域の再生は容易ではないだろう


「えぇ、ちょっと面倒な奴と接触しまして・・・捕まえたかったんですが・・・」


静希が戦っても捕まえることができないほどの人間、該当するとすれば契約者しか思い浮かばなかった二人は冷や汗を流す


ついていかなくてよかったと心底安心しているようだったが、静希の表情からしてあまりいい結果ではなかったことがうかがえる


「ま、まぁ怪我がないようで何よりだ、索敵は・・・」


「もう少しかかりそうですね、負傷者も多数出ています、やっぱり悪魔相手だと周りを守ってるだけの余裕はないですね」


アモンという名の悪魔を操る契約者、リチャード・ロゥ


彼の顔はすでに撮影した、後はその顔から個人情報を特定して全世界で指名手配するだけだ


無論抜け穴はどこにでもある、調べがつくまで時間がかかるだろうが自分に今できることはした


周りの人間は多く巻き込まれ、負傷者も出たようだがこの程度であったのはむしろ幸運だったと言えるだろう


静希が包囲網を築くように指示していたのが功を奏したのだ、突破された一部分の人間だけの負傷で片が付いた、悪魔相手にこの状況はむしろ幸運と言えるだろう


かつてエドやカレンと戦った部隊はもっと多くの犠牲が出ていた、そう考えればこの結果は悪魔戦の中では負傷者は最少かもしれない


「負傷者の治療と搬送、それが終わり次第索敵再開、そして索敵が終わり次第俺たちは空港へ移動します、準備の方をお願いします」


「わかったわ、じゃあ私は荷物をまとめておく、大野、ここは任せたわよ?」


「了解、早めに終わらせてくれ」


すぐにでもこの場を離れられるように準備を進める小岩を見ながら静希は小さくため息をつく


今回得られた情報は多い、今までのようなただの召喚事件ではなく、召喚の技術を応用して作られた『歪み』


そしてそれに関わるリチャード・ロゥ、はっきり言ってあの男が何をしようとしているのかは欠片も理解できないが、何かをやろうとしていることは事実だ


今回も今までのように観察の姿勢をとっていたという事は、あの歪み自体が目的ではないのではないかと思える


何かもっと別の、他の目的があるような気がしてならない


これまで起こしてきた事件なども一つの目的のために起こされてきたものであるような気がしてならないのだ


悪魔と神格の召喚、そこからあとは悪魔の召喚のみになり、特定の悪魔の召喚まで可能にしていた


その後は奇形化事件に関わる、いやそれを裏で指揮していたと考えるのが自然だろう、何を目的にしていたか、この件に関しては奇形化するための薬を作り出すことが目的だったのではないかと思われる


そして今回の歪み事件、これはある意味悪魔召喚事件の続きのように思えた

まだ終わっていない、続いているのだ、静希にも分からないような何かが

現在静希が得た情報はリチャード・ロゥの素顔


整形されていたらどうしようもないが、爆炎で仮面を吹き飛ばしたのだ、下の顔に変装を施していたとしても炎で焼き尽くされただろう、あの顔こそがリチャード・ロゥの素顔だと考えて間違いない


そしてテオドールを経由して歪み発生の事前情報を掴めるだけの資料がすでにわたっているだろう、リチャードが再び歪みを生み出すために行動を起こしたとしても先に察知することができる


後はその動きをいつ見せるか、そしてその場にいったい『何』がいるかである


今回は静希が単独で臨む行動だったが、次からはエドやカレンも一緒に行動したほうがいいだろう


悪魔相手に単体で臨むというのは危険すぎる


それにあの悪魔をいつの間に召喚していたのだろうかという疑問も残る


今までリチャードは他人を使って召喚することはしても自ら召喚をするという事はしてこなかった、今回の歪みに関してももう一人いた仮面の男を使ったのだろう


エドの事件の後に人が死ぬような召喚事件は起こっていないはず、ならばどうやって召喚を行ったのか


悪魔の心臓に細工するにはその悪魔がもつトラウマを刺激して前後不覚状態になっている時に限られる


無論人の死に対して強いトラウマを持っていない悪魔もいるだろう、そうなるとリチャード自身が悪魔を召喚したのだろうか


なんにせよあの悪魔は厄介だ、強い炎で身を隠されると静希の能力では対処に限界がある


なにせ静希が保有できる消火ガスにも限りがある、大量に炎を出されると身を守るので精いっぱいになってしまうのだ


考えれば考える程泥沼にはまっているような感じがしたため、静希はそこでいったん考えを区切る、自分だけで考える必要はないのだ、まずはエドたちに相談するのが第一だろう









負傷者の収容と索敵が終わったのは日が完全に落ちた後だった


自分の失態も含まれるために、静希はその作業が終わるまで研究者たちの護衛を行い続けた


「すまないミスターイガラシ、余計な時間を取らせた、何か力になれることがあれば言ってくれ」


「構わないさ少尉、こちらの不手際もあったんだ・・・そちらの幸運を祈る、一つだけ頼むとしたら空港までの足を確保してほしい、限りなく速く移動したい」


「了解した、うちの能力者を何人か貸そう、気を付けて」


静希とカールは互いに握手を交わし、そのまま別れることになった


転移能力者の協力もあり、空港に到着したのは十八時過ぎ、このくらいで済んでむしろ良かったと思うべきだろうか


協力してくれた転移能力者に礼を言った後、すぐに静希はテオドールに連絡をいれた


『もしもし、その様子だともう空港に着いたか』


「あぁ、案内を頼む、もうお姫様はこっちに着いてるのか?」


『あぁ、首を長くしてお前を待ってるそうだ、すでにホテルで待機している、すぐ迎えをよこすから少し待っていろ』


そう言ってテオドールは通話を切った、向こうは向こうで忙しいのだろう、なにせ新しい情報を得たのだからそこから探知網を構築しなければいけないのだ、恐らくあちこちに連絡しているのだろう


「この後また前の王族の方と会うのかい?」


「えぇ、セラとその父親のアランさんとね・・・まぁ目的はその後の事なんですけど・・・」


静希が今回王族であるアランと接触しようとしているのは何も交友を深めようとしているわけではない、明日行われる対策会議にて正確な情報を伝えるためなのだ


何人か専門の研究者なども現れるだろうが、静希が所有する悪魔の知識には劣るだろう


そこで正しい事実の認識と、情報の共有を急がせなければならない、でなければ対応が遅れるばかりになってしまう


「明日もお二人にはついてきてもらうつもりなのですけど、大丈夫ですか?」


「もう慣れたわ、どんな場所に連れていかれても驚かない」


「王族に会うのは二回目だからね、そこまで緊張もしてないさ」


思えばこの二人もかなりの場数を踏んでいる、静希に関わってからというもの奇妙奇天烈な経験ばかりしているのだ、もはやただの一介の軍人というレベルを超えているのではないかと思えるほどである


それだけ静希が巻き込んできたという事でもあるのだが、そのあたりは申し訳ないというほかない


だが同時に心強いと思うのもまた事実だ、自分以外の人間でしっかりと対応できる、あるいは動揺せずにいられるというだけでありがたい


なにせそれだけ考える余裕があるという事であり、その分静希の負担が多少なりとも和らぐのだから


「説明する場所について行っても、こっちは何もできないかもだけどね・・・」


「まぁいてくれるだけでいいんですよ、今までの説明も含めてしなきゃいけませんし」


今まで、それは静希が関わってきた召喚系の事件や奇形事件に関わる全ての事だ


裏でリチャード・ロゥが関わっているとわかった以上これ以上好きにさせるわけにはいかない


「・・・今回の敵は、今までのことと関係がある奴だったの?」


「えぇ、以前関わった悪魔の召喚実験の元凶みたいなやつでした・・・だからこそ捕まえたかったんですけど・・・考えが甘かったですね」


今後の活動を完全に断つのであれば、迷うことなく命を狙うべきだったのだ

硫化水素、あるいは高速弾を用いて即座にその息の根を止めるべきだったのだ


肝心なところで判断ミスをした、逃げられないように片足を潰したがそれでも逃走を許してしまったのだから


一番やってはいけないミスをした、こちらのことはすでに相手は把握しているようだったが、それ以上にこちらの戦力の一端を見られた


メフィが見られ、彼女のことを知っていたという事は、恐らく邪薙のことも知っていたとしても不思議はない、こちらのカードの二枚を把握されるというのは静希としては少し痛手だった


攻撃の内容から静希の能力もある程度把握されたかもしれない、そう考えると頭が痛かった


いや、今はそれでいいのだ、何も自分だけで立ち向かう必要はないのだと自分に言い聞かせながら静希は自らを奮い立たせる


悪魔が相手という時点でエドとカレンの協力を要請しなくてはならない、静希にとって今一番のネックはそこなのだ


どう説明したものか


リチャードと接触して取り逃がしたなどとどんな顔をして報告すればいいのか


考えれば考える程に悩ましい、特にカレンにどういえばいいのかわからない

本気で悩んでいると、スーツ姿の外人が静希の姿を見つけた後に近くに歩み寄ってきた


「ミスターイガラシ、今からVIPの下へ連れていく、荷物はこれだけか?」


「え?あぁ・・・これだけだ・・・んじゃ行くか・・・」


考えがまとまっていない状態で話しかけられたせいで間の抜けた声を出してしまったが、とりあえず静希はテオドールの部下の後に続いていくことにした


大野と小岩もその後に続き、用意された車で移動することになった


思えば王族の人間に会うのは久しぶりだ、初めて会ったのが十月の終わりあたりだったはず、そう思うと半年以上会っていなかったことになる


一体どんな成長を遂げているか、多少楽しみでもあり不安でもあった











「ミスターイガラシをお連れしました」


静希はテオドールの部下の案内であるホテルにやってきていた


少なくともこの近くでは一番高価なホテルなのだろう、入った瞬間から自分たちが場違いであるという印象を受けた


こういうホテルに来るのは実に久しぶりだなと感じながら案内された部屋に入るとそこにはかつて見たことがある王族でもあるアランと、その娘であるセラがそこにいた


そしてセラは静希の姿を確認するや否や全力でタックルを仕掛けてきた


「イガラシ久しぶり!」


「うごふ!・・・セラ・・・お姫様ともあろうものが出合い頭のタックルってのはどうなんだよ・・・もっとおしとやかにだな・・・」


しっかりと腰の入ったタックルを腹部に受けた静希は、後ろにいた大野と小岩が支えてくれたおかげで何とか倒れずに受け止めることができたが、その分衝撃がすべて静希に集約したためにかなりの痛みを受けていた


「ていうか、随分背が伸びたんじゃないか?」


「あらそう?私は今成長期よ?これからもっと成長するわ」


子供の成長とは早いものだ、確かセラの年齢は去年の時点で十一だった、もうすぐ中学生になろうという歳だ、成長していても何ら不思議はない


とっくに明利の身長は超えているだろうなと思いながら静希は子供の成長に若干の憂いを覚えていた


「セラ、彼の言う通りだ、もう少しおしとやかにした方が」


「久しぶりに会えたんだからいいじゃない、それに私は今だっておしとやかよ?」


どの口がそんなことを言うのか静希は呆れたが、とりあえず何より先に目の前にいる王族であるアランへの挨拶を先に済ませることにする


「お久しぶりですアラン・レーヴェ、先日は突然の電話失礼しました」


「いや、君のおかげで大事なことをいくつも確認することができた、むしろ礼を言いたいくらいだ、テオも随分と助かったと言っていたよ」


あのテオドールが助かったなどというとは思えないが、静希の行動が何かしらの形で彼を助けることになったのだろう


だとしたら悪い気はしないのだが、もう少し手を抜けばよかったかなと考えてしまう


今さらそんなことを考えても仕方がないなと静希は嘆息した後で、表情を変える


「とりあえず、ご報告したいことがいくつか・・・それも結構重要なことで」


「あまりいいニュースではなさそうだね、わかった、とりあえず入ってくれ」


部屋の中に入るとその全貌をようやく確認することができた


以前静希が泊まったことのあるスイートと同格か、それ以上に広い、この無駄な広さは果たして必要だったのだろうかと思えるほどの広さだ


用意されている装飾も家具の類もそれぞれレベルの高いものであるというのがわかる、さすがに王族の泊まる部屋というのは特別なものなのだろう


「ねぇイガラシ、貴方たちは今日どこに泊まるの?」


「ん?さぁ、特に決まってないな、まぁテオドールに手配させるけど・・・このホテルは難しいかもな」


なにせこのホテル、先程来た時に時折目にしたのだが何人もの警備員がいるのだ、いや警備員というよりアランたちの護衛というべきだろうか、所謂SPというべきスーツ姿の人間が何人もいるのが見えた


一国の王族が泊まるホテルに静希のような危険人物を一緒に宿泊させるという事は恐らく無理だろう


「えぇ・・・何よ、別にいいじゃない、ねぇ問題ないわよねお父様」


「え?あー・・・どうだろう・・・まぁ・・・うん・・・」


アランとしても静希の危険性自体は把握しているのだろう、同じホテルに宿泊させるという事の意味をある程度は理解しているようだった


「ほら困ってるだろ、誰だって爆弾と同じホテルで休みたくないんだよ、ほらあっち行ってろ、大人の話し合いの邪魔だ」


「何よ、子ども扱いしないで、私はお姫様なのよ?」


「んなもん知るか・・・ならほれ、フィアを貸してやるから戯れてろ」


相変わらず一国の姫に対する扱いではないような気がするが、静希はトランプの中からフィアを取り出すとセラの相手をさせるべく彼女の頭の上まで駆け上がらせる


かつて気に入った小さな動物が自分の頭の上にいるとわかると捕まえようと奮闘しているが、小動物に機動力で勝てるはずもなく、丁度いい感じに戯れているようだった


お子様は排除できたという事で、静希は近くの椅子に座り話をする体勢になる、それを把握したのか、アランも同じように座り、静希の声を待っていた


「まずは今回の件の報告をしましょうか・・・お伝えできるのは町が一つ消えた原因、そしてあの黒い物体がなんであるか、そしてその首謀者と思われる人物の事柄です」


「・・・随分と核心に迫ったことだね・・・もうそこまで調べがついたのかい?」


静希が現地に派遣されたのが昨日であるというのはアランも把握しているだろう、その短期間でそれだけの情報を入手してきたという事に驚きを隠せないようだった


なにせアランの国であるイギリスから派遣されている研究者でもあの黒い物体が一体何なのかも、何故あんなものが発生したのかも何もわかっていない状態だったのだ


「まぁいろいろとありまして・・・とりあえず説明をしますが、その前に一つ確認したいのですが、テオドールから何か情報は受け取りましたか?」


「ん・・・一応それらしいものはね・・・ただ会議の場での口外は控えたほうがいいと」


「・・・なるほど、それが賢明でしょうね、現場から盗まれた情報を持っている、それだけで十分に疑われます、あくまで第三者からの情報流出という形が好ましいでしょう」


テオドールとしても自らの友人が疑われるのは本意ではないのだろう、どのような形で情報を流すのかは知らないが、そのあたりは彼の手腕にかかっていると思っていい



「では、簡単にお話ししましょう、まずあの町が消えた原因について・・・簡単に言ってしまえばあの町である人物が・・・恐らく『実験』を行ったのが原因であると思われます」


「・・・実験・・・?それは一体何の?」


アランの質問に静希は首を横に振る、静希も詳しくはわかっていないのだ、だがある程度の予測はできる


「何を目的とした実験を行ったかは俺にもわかりません、ですがなぜこのようなことになったのか、それはわかります、それが先程言った、あの黒い物体の話に繋がります」


「上空からの写真に写っていた黒い円のことだね、あれは一体何なんだい?」


「・・・端的に、そしてわかりやすく言えば・・・次元の歪み、というものです、そもそも物体ではなく概念的なものだと捉えてください」


次元の歪み、唐突にそんなことを言われてもアランの理解を超えていたのか、静希はもう少し根本的なところから話すことにした


「まず、俺たちが住んでいる世界と、悪魔たちが住むもう一つの世界があります、コインの表と裏とでもいうかのように本来であるなら接触も干渉もしないはずの二つの世界・・・この二つの世界を繋げるのが、本来の悪魔召喚などに用いられる技術です」


「・・・なるほど、続けてくれ」


「そして悪魔を召喚する程度の小さな穴であれば問題ないのですが、世界そのものをこちら側に持って来ようとした結果、あのような歪みが生まれる・・・かつて似たような事象が小規模ではありますが発生したことがあるんです」


過去にすでに一度起こっている


それが何百年も前の事であるというのは伏せるが、とりあえず今回の事態がどういうものであるかの概要を聞いてアランは口元に手を当てて悩みだす


「・・・あの黒い物体・・・いや、その次元の歪みの内側にいた人たちは・・・」


「向こう側の世界にとばされたか、あるいは消滅したかのどちらかでしょう、少なくともあの場にはいません」


その事実にアランは額に手を当てて項垂れだす


いくら自国の事件ではないとはいえ最小でも八千人の犠牲者が出たことになる、その事実をどう受け止めていいのか困惑しているようだった


人の上に立つものである以上、ある程度のことは覚悟してきたつもりだが、ここまで大規模な事件が起こったとなると彼の許容量的にも限界を超えていたのだろう


「あの歪みは・・・消すことはできるのか?」


「・・・今のところはわかりません・・・過去の一回は小規模だったのと、それに対応できる悪魔が近くにいたため消すことができたらしいのですが、その場から失くしているだけでどこか別の場所に移しただけかも・・・根本的に消す手段は今のところは・・・」


悪魔の契約者である静希でもどうにもならない、その事実にアランは頭を抱えているようだった


もしあれが自国で起きたら、そのことを考えているのだろう


事実あの規模の歪みが発生したら大損害などというレベルのものではない、その土地自体が使えなくなるのだから


「さっき言っていた実験というのは、それにまつわる話だったという事か」


「恐らくは・・・俺も犯人に直接問いただしたわけではないですし・・・直接あれを起こした人間はあの町の人と同じように歪みの中に取り残されたのだと思います」


実際、あの後の索敵では不審者や侵入者の類は確認できなかった


二人いた仮面の一人は逃げ、一人が行方不明、となればあの歪みの中にいたと考えるのが自然だろう


「なるほど、君が情報規制するように言ってきた意味が分かったよ、こんなことが知られでもしたら・・・もし模倣犯が出たらと思うとぞっとする」


「はい、ですのでこの件は絶対に外部に漏らさないで下さい、特に一般用のマスメディアに伝えるようなことは避けてください」


情報というのは何もむやみやたらに真実を伝えればいいというものではない


それを伝えたことで新しい犯行を呼ぶこともあるかもしれない、不安を扇動することもあるかもしれない、今回の事のように伝えるべき情報はある程度選別しておく必要があるのだ


「・・・では、首謀者の話を頼めるかい?」


「・・・首謀者は今まで起きた召喚事件や奇形化事件の首謀者と同じ、リチャード・ロゥと呼ばれる人物で間違いないと思います・・・現場で遭遇し、戦闘を行いました」


戦闘を行ったという言葉にアランは眉をひそめる、静希が戦闘するという意味が一体どういうことを表すのか、かつて静希が送った映像を見ているために想像できてしまったのだ


「その首謀者は・・・もう死んでいるのか?」


「いえ、取り逃がしました・・・相手も悪魔を連れていたため、被害を最小限に抑えるので精いっぱいでした」


静希が取り逃がす、さらに相手も悪魔を連れているという事実にアランはさすがに頭が痛くなってきたのか眉間にしわを寄せてしまう


面倒なことが起こりすぎているというのは十分理解できる、だがまだ伝えなければいけないことは残っている


最重要ともいえる、リチャード・ロゥの素顔だ


「取り逃がしはしましたが、相手の素顔の撮影には成功しました、この顔から割り出しは可能だと思います」


「素顔・・・そうかそれなら個人情報を割り出せるかもしれないな・・・よくそんな状況で撮影できたね」


「まぁ、ちょっとしたテクニックの一つですよ、後ほどデータをテオドールに送っておきます、個人的にも・・・リチャードには借りがあるので・・・」


静希が視線を鋭くしたことで、アランは何かしらの因縁があるのだという事は理解したが、それ以上突っ込んでくるようなことはなかった


触れてはいけないところというのは必ず存在する、彼はその点を理解しているようだった


「この話は明日もするのかい?」


「えぇ、関係している諸外国の人間にはするつもりです、信用が得られないというのなら俺の悪魔に直々に説明してもらいますよ」


静希の言葉にアランは若干冷や汗を流す


要するに各国の要人がいる場所で悪魔を出すと言っているようなものだ、そんな状態を容認できるはずがないのだが、納得してもらうために必要であるというのも理解できる


なにせ話が突飛すぎるのだ


自分たちが住んでいるこの世界と、悪魔たちが住んでいるもうひとつの世界

その時点でもはや夢物語にも等しい妄想話ととられても不思議はない、だが実際にその世界に住んでいた悪魔をその場に出せばどうなるだろうか


そんな次元は無いとたとえこの世界の誰が言っても、実際にその世界で住んでいた存在がいるのであれば話は変わる


悪魔の証明のようなものだ、悪魔などいないと証明することは無理だが、あると証明するには悪魔を連れてくればいいだけ


今回の場合は実際に起きたことを告げるだけでいいのだ、納得するか否かは相手の都合次第、より重要なのは今後同じことを起こさないようにするために各国で連携することである


「今回はかなり重要で、各国の要人がいる、あまり派手な動きはしないでくれると助かる」


「わかっていますよ、まぁせいぜい釘をさす程度にしておきます、それで相手が納得するかどうかはまた別問題ですけどね」


各国の要人に静希が悪魔の契約者であると知らせる事、そしてその悪魔を見せるという事はそれだけで面倒を呼び込むだろう


体よく利用されないようにこちらでも手を打っておく必要がある、なにせ静希は一介の学生なのだ、面倒を解決するのにも限界がある


「ところで、我々・・・イギリスという国にはこのことを教えておいてよかったのかい?君としてはイギリスも警戒対象なんじゃ」


「ん・・・まぁ警戒しているはしていますが、他の国よりかは接点がありますから・・・それに未来の雇い主候補もいますしね」


そう言って静希はフィアと戯れているセラの方へと視線を向ける


将来彼女がイギリスという国を治めるようになったら、もしイギリスという国を支配することができるのであれば、静希は約束通り彼女に仕えるつもりだった


仮にそれができたとしても、きっとそれは何十年も先の話になるだろう、彼女が大人になって、現実を知って、子供ができて、そのさらに後の話だ


「ほう、セラがそんなことを、君がうちに来てくれるのであれば心強いよ」


「生憎その条件はかなり厳しいですよ、俺としてもつまらない人間に仕える気はさらさらありませんから」


静希は悪魔の契約している、メフィと対等であると決めた以上自分よりも上の人間をそう易々と作るわけにはいかないのだ


なにせ静希よりも上の存在という事は、自動的に自らの悪魔もそれよりも下であると公言してしまうようなもの、自らの悪魔にそのような境遇はさせられない


だからこそ静希はダメでもともと、できないであろう条件を出したのだ


セラが王としての気質を持ち合わせていようとも、現代社会においてその気質が正しく作用するとは限らない


「ならあの子にはぜひ頑張ってもらわないとね、君が彼女に仕えてくれれば大助かりだ」


「そうですね、こちらとしても楽しみにさせてもらいますよ、子供の成長は早いですから」


子供の成長、アイナとレイシャと同じようにセラもすごい速度で成長していくだろう


きっと自分が夢見る光景が現代ではかなわないという事を知るのも遠くない未来だろう


だがそれを知ってなお夢をかなえようというのであれば、もしかしたら、そう思えてならないのだ


静希とイギリスという国は、最初はよい関係とは決して言えないものだった、なにせ政府との接触当時は暗殺されかけることもあったのだ


テオドールとの接触がきっかけとなり、王族と関わることになり、いろいろな立場を利用して接触することは増えていた


少なくとも他の諸外国よりは友好的に接しているだろう


静希という悪魔の契約者、その力を利用したいものはいくらでもいるだろう

だがその力は強すぎる、御しきれるようなものではないのをイギリスの政府中枢の人間は知っているのだ


それ故に手出しができない、静希もそれを理解しているからこそ彼らを強く利用するつもりはない


貸し借りという形での協力関係と言えばわかりやすいだろうか、イギリスは静希に大きな借りがある、どういう形であれ暗殺という非人道的な行為をしたことに変わりはないのだから


だが静希はそれを直接行ったテオドールを利用しているのであってイギリスという国自体を利用したつもりはない、あくまでテオドールを使っているだけなのだ


テオドールがその経由でイギリスを頼ったとしてもそれは静希の知ったことではない


「もうお話は終わったかしら?さすがにこの子も疲れてきたみたいよ?」


セラがフィアを自分の頭の上に乗せてこちらへとやってくる、どうやら元気溌剌なお嬢さんの相手をするのは疲れたのか、フィアはその頭の上で体を休めている


「ほらイガラシ!私の相手をしなさいよ!もうお仕事の話は十分でしょ」


「お前相変わらずだな・・・よし、ならチェスの相手でもしてやろうか?」


「私が勝てない勝負は嫌よ、ほらあっちでゲームしましょ!」


まるで子供に遊んでとせがまれる父親のようだなと静希は辟易しながらセラに強引に引っ張られていく


エドはこんな元気な子供と一緒にいるのかと感心しながら、とりあえずセラと遊ぶことにした静希、負けを認めない彼女の相手は非常に疲れるの一言だった











「すまないねミスターイガラシ、娘の遊び相手になってもらって」


セラの遊び相手となって数時間、彼女はどうやら遊び疲れたのかそれともただ単におねむの時間だったのか自然とゆっくりと意識を失っていった


ようやく解放されたと体を伸ばしていると、アランが労いのつもりか紅茶を用意してくれていた


さすがに王族の出してくれた茶を無碍にするわけにもいかない、静希はカップを手に取り口に含んでいく


ホテルに用意されていた紅茶なのだろうが、それでもわずかな香りが際立つ、高級ホテルともなると用意している茶葉もいいものを使っているのだろうか、紅茶に疎い静希にはそのあたりが上手く判別できなかった


「いいえ、たまにはこういうのもいいでしょう・・・あとはもう少しお姫様らしくしてくれればいう事なしですが、それを子供に押し付けるのは酷というものです」


「そうだね、姫としての自覚をするのはあと五年はかかるんじゃないかな」


五年、彼女が今年で十二になるという事は十七になるころ、つまりは今の静希とほぼ同年代の頃にその自覚をし始めるという事になる


確かに物事の視野が広がり始めるのは中学生を超えたあたり、そしてそこから徐々に自分の立場というのを理解し始める


自分だけではなく周りへの意識が強くなり、周りへの関心から自分のいる場所というのを認識し始める


丁度子供から大人へと変わるころと言えばいいだろうか、彼女は徐々に大人へとなろうとしている、その変わり目がどのようになるのか今から楽しみである


「一応この下の部屋を用意させたよ、君たちももう休むと良い」


眠ってしまったセラをベッドに寝かせながらアランはそう言って外にいた部下に鍵を持ってこさせる


どうやらセラと遊んでいる間に手続きをさせていたようだった


「いいんですか?俺は悪魔の契約者ですよ?爆弾の上で眠るなんていい度胸してますね」


「ハハ、むしろ君の近くにいたほうが安全だと思うよ、君がこの子を気にかけている間はね」


アランは良くも悪くも、静希がセラのことを気にかけているという事を察しているようだった


テオドールから任されたというのは癪だが、そう言う条件の下静希は諸外国の参加する会議に割り込ませてもらったのだ、最低限身の安全は守らなければならないだろう


もっとも静希が任されたのはあくまでお守りだ、身の安全までは保障するつもりはない、そう言うのは近くにいる護衛の仕事だ


「それと、ホテルのレストランも自由に使えるようにしておいた、夕食まだなんだろう?今からでも行ってくると良い」


そう言えば昼から何も食べていなかったということを思い出し、静希は自分の空腹をようやく自覚する


今までずっと張りつめていたために空腹自体自覚できなかったのだろう、今になって腹の虫が絶叫を上げ始めていた


「お心遣い感謝しますよ、ではまた明日、何かあれば呼び出ししてください」


「あぁ、そうさせてもらうよ、では良い夜を」


アランの言葉を受けて静希と大野と小岩は部屋を出ていく


すぐに近くの護衛が扉を閉め、巡回を始める


この階層だけでも随分な護衛の数だ、さすがVIP中のVIPという事だろう、周りの人間の緊張の度合いが桁違いなのがわかる


「お疲れ様、あの子の相手は相変わらずしんどそうだね」


「そうでもないですよ、まぁ子供の相手は多少慣れてます・・・」


東雲姉妹の相手をしていただけあって、子供の相手は多少心得がある、相手を一方的に負かすのではなく、定期的に勝てると思い込ませることが重要なのだ


わざと負けるにしても露骨な負け方ではなく僅差で負けるような接戦をすることで相手の競争による意識向上を図る、こういうやり方は静希が昔から培ってきた技術の一つだ


なにせ身近に雪奈のような見た目は大人だが中身は子供の姉貴分がいたのだ、一方的に勝つと不機嫌になることがある過去があったため、接待ゲームはもはや慣れたものである


「それにしてもお腹空いたわ・・・この時間でもレストランってやってるかしら」


「無理言ってるのであれば早めに確認しておいた方がいいかもですね・・・この時間に食うと胃がもたれそうですけど」


すでに夜も遅い、とはいえこのまま空腹で眠れるかどうかも分かったものではない


時差のせいで空腹の感覚も分かりにくくなっているのがなかなか苦しいところだ、意識と眠気の調整はでき始めているというのに空腹の感覚だけはまだずれているような感覚がある


一日程度で時差ぼけを直せというのが無理があるのだろうか、何はともあれこの空腹は耐えがたい


「とりあえず食事してから休もう、もう腹が限界だ」


「そうですね、俺も同じです、それじゃ行きましょうか」


静希達はとりあえず近くの護衛役の人間にレストランの場所を聞き、そのまま遅めの夕食をとることにした


外国の料理だけあって独特の味付けではあったが、夜遅いという事もありあまり多く食べることはせずに空腹を紛らわせる程度の量にとどめた


思えばまともな食事は久しぶりだなと思いながら出された料理を口に放り込む三人、今までずっと軍の携帯食料だったために、こういう食事はひどく懐かしさを覚えたのは言うまでもない











翌日、静希達は宛てがわれた部屋で目を覚ました


目を覚ましたのは自然にではなく、部屋の外からの来客を知らせるインターフォンがなったからである


一体誰だと考えるよりも早く、寝ぼけながら大野が対応すると扉を開いて中に入り込む小さな影があった


その小さな影は寝ぼけている静希を確認すると思い切り馬乗りになる


「イガラシ!もう朝よ!起きなさい!朝食に行くわよ!」


その影はイギリスのお姫様であるセラだった、今の時刻を見ると七時、確かに子供にとっては朝だ、静希も普段はこの時間に起きているのだが先日行動し続けたという事もあり疲れが若干残っていた


「・・・お前な・・・こういう起こし方はレディとしてどうなんだ・・・?」


若干不機嫌になりながらセラの頭を掴んで引き剥がし、欠伸交じりに体を起こすと静希は瞼をこすりながら現在の時刻を確認しようとする


「朝から元気だね・・・なんて言うか・・・天真爛漫って感じだ」


「とりあえず身支度だけさせろ・・・お前の相手はその後だ」


「えー・・・早くしてよ?」


自分も子供の時はこうだっただろうかと過去の自分を思い出しながらセラを一度追い出し、静希達はそれぞれ身支度を済ませていく


布団をかぶっていたため両腕を見られなかったのは幸いだった、この両腕は彼女のような少女には少々刺激が強い


軽く身支度を終えると静希達は外で待っていたセラの下へと向かう、ようやく出て来たわねとセラはどこか満足げな表情をしながら静希の手を取って移動を始める


「もう朝飯か?こっちは起きたばっかりなんだけど・・・」


「いいじゃない、朝はさっぱりしたものを食べて体を起こせばいいのよ、そうすればいやでも目が覚めるわ」


こちらの都合など全く無視して話を進めるあたり彼女には暴君の素質があるなと思いつつ静希はセラにエスコートされながらホテルのレストランにやってくる


朝食というだけあってさっぱりとしたものが多いのが特徴的なのだろうが、日本人からしたらそれでもなかなか重い


やはり外国にやってきたときに一番重要になってくるのは食事だなと確信しながら静希はなれない食事を口の中に放り込んでいく


「うぇ・・・イガラシ、これ食べない?私嫌いなの」


「好き嫌いするな、なんでも食べられるようにならないと大きくならないぞ」


「一つや二つあっても問題ないわよ、別にいいじゃない」


「好き嫌いを言ううちはまだまだ子供だな・・・ほれ貸してみろ」


本当に子供だなと思い返しながら静希は彼女の皿に残っているものをフォークで刺し、空いている腕で顔を掴んで強引にセラの口の中に入れていく


食べさせるというよりはもはや拷問に近いのではないかと思えるほどに有無を言わさぬ行動に、大野も小岩も、近くにいた護衛も一瞬戸惑っていた


これは護衛としては止めたほうがいいのではないかと思えるほどに強引だった


腕で彼女の頭を固定し無理やり口を開かせてその中にフォークを突っ込む様子は見る人が見たらすぐに拳銃を抜くようなものだったからである


「うむむぐぐ・・・な・・・なにふるのよ」


「好き嫌いを言う子供にはこうやって強制するのが一番だ、俺の幼馴染もよくこうされててな」


強制ではなく矯正ではないのだろうかと、字体と発音に何やら語弊があるような気がしたのだが、過去実月が陽太に施した好き嫌いを直すための最終手段がこれである


好き嫌いをすればこのように無理やり食べさせられるという恐怖から自然に食べられるようになるという、強引ではあるが中々に理にかなった行動だ


「ほら、まだ嫌いなものが残っているじゃないか、もっと食べさせてやろうじゃないか、口を開けろ」


「い、いや!食べたくない!嫌いなもの食べなくたって死にはしないわよ!」


「安心しろ、これを食べないなら俺が食べさせる、これを食べなければ死ぬと思え」


逃げようとするセラの首根っこを摑まえて先程と同じように強引に食べさせていく


子供のお守りというにはいささか攻撃的過ぎる躾だ、先程無理やり起こされた恨みもいくばくかこもっているだろうが、子供相手にやりすぎではないかと思えてならない


「もう!イガラシは相変わらず変な奴ね・・・こんなことされたことないわよ」


「当たり前だ、お前の周りにいる人間は基本お前のご機嫌をうかがってるだろうからな、こちとらご機嫌伺いなんて最初からする気はない、その差だろ」


ほらまだ嫌いなものが残っているじゃないかと静希はセラを捕まえようとするが、さすがにこれ以上食べさせられるのは嫌なのか、席を立って同席していた小岩の後ろに隠れてしまう


逃げているつもりなのだろうが、その程度の逃走で静希から逃げようなどと甘いにもほどがある


『メフィ、あの我儘なお姫様をこちらにお連れしろ』


『ふふ、子供相手にムキになるなんてね・・・いいわ、面白そうだし』


静希が手をかざすとメフィは念動力の力をほんのわずかに発動させセラを宙に浮かせる


突如護衛対象が宙に浮いたことで周囲の人間は警戒するがゆっくりと静希の下へと移動するセラに、静希が能力を発動しているのだという風に錯覚したのだろう、守るべきなのか見守っていても大丈夫だろうかという感情がせめぎ合っているようだった


「な?!イガラシ卑怯よ!こんなことするなんて」


「なんとでもいえ、ほぉら美味しいぞ、口を開けろ、とっとと食え」


遠慮や容赦も一切なく静希はセラの嫌いなものを次々と口の中に放り込んでいく


普段自分の周りにいる人間はこんなことはしないために、セラは半分涙目になりながら静希にされるがままになっていた


誤字報告を25件分受けたので3.5回分(旧ルールで七回分)投稿


寒さが一気にやってきました、こたつむりになるのも時間の問題ですね


これからもお楽しみいただければ幸いです

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