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J/53  作者: 池金啓太
三話「善意と悪意の里へ」

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神格の力

だがその瞬間神格の身体から光が放たれ白い光の壁が発生し静希のトランプと身体を押し戻していく


抵抗の意志


意識を喪失してなお恐らくは能力であろう障壁を発生させるこの気概、さすがは神格であるといったところだろうか


獣のような咆哮とともに神格は鎖の拘束を解いていく、理性的にではなく、鎖をちぎりながら


牙を剥き出しにし明らかな敵意をこちらに向けている


「やべ・・・やっぱおとなしくはしてくれないか・・・!」


静希が後方に下がり、全員が戦闘の準備をする


とはいえ神格はゆらゆらと身体を左右に揺らしながらあたりの様子を観察しているようでまだこちらが先攻をとれそうだった


「どうすんの静、私たちで倒さなきゃいけない感じ?」


「いや、倒さなくていい、俺がトランプの中に入れる隙を作ってくれればいい」


「隙を作れなど・・・無茶を言う・・・」


要するに東雲風香にやったのと同じことだ


攻撃を加えて注意が散漫になっているところを静希が神格を拘束する


「先輩、手抜かないでくださいよ?」


「抜く暇があればそうしたいがな・・・」


熊田は以前もはめていた手袋を装着し、雪奈はゆっくりと刀を抜く


「よっしゃ、とりあえず行くぜ!」


「ちょっと!ここが地下だって忘れてないでしょうね!?」


陽太の能力が発動すると同時に辺りが強烈な熱気に包まれる


地下である以上風はなく、空気は滞っている、つまり空気の循環なども期待できない


「しょうがない、鏡花は空気を綺麗にし続けてくれ」


「簡単に言うわね、構造変換って意外と疲れるのよ?」


「やらなきゃ俺達が窒息するだけだ」


渋々と鏡花が能力を発動し周囲の空気を調節していく


炎の化学反応で変化していく空気を構造変換で正しい比率に直していく


「明利は巻き込まれないように後ろに行ってろ、先生は明利を守ってて下さい」


「好きにしろ」


「うん、気をつけてね」


トランプ片手にゆっくりと陽太達から離れ、単独行動を始める


「んじゃ頼んだぞ」


「了解!」


まず最初に突っ込んだのはいつも通りの陽太の正面からの突撃


先ほどから展開されっぱなしの障壁に向かって自らの拳を全力で叩きつける


だが障壁はびくともしない陽太の拳を正面から受け止めてもひび一つ入っていない


「まじかよ・・・無傷ってのは傷つくな・・・」


「正面からやる必要はないだろ!学習しなさい!」


陽太の攻撃に続くように雪奈が神格に向けて斬りかかる


刃が神格に届く瞬間、障壁がもう一枚現れ雪奈の斬撃を軽々しく防いで見せた


前衛二人の直接攻撃を簡単に防ぐほどの障壁、後衛の誰が攻撃しても壊せそうにはなかった


「物理攻撃はほとんど防がれるか、では搦め手で行ってみようか」


熊田の能力が発動すると同時に部屋の中に高音が響き渡り、壁を反射しながら振動を大きくしながら衝撃へと変化していき神格のいる場所にピンポイントで衝撃を加える


神格の立っている地面が砕け一瞬だけ神格がその動きを止める


背後から静希が飛びかかりトランプを押し付けようとするが、またしても発生する障壁に阻まれる


「ったく、一体いくつ障壁出せるんだよ」


障壁の展開できる数が無限だった場合本当に不意を突かなくてはいけなくなる、最悪意識を奪った状態でなくてはいけない


だが神格がそもそも意識を失うかも不明だ


トランプを拡散させ神格の周囲を飛翔させる


「三人とも攻撃続行してくれ、隙間がないか探すから」


三人が攻撃を続行する中、静希は継続して隙を窺い、ナイフを射出、何とか攻撃の隙間を捜し出す


そうしているうち理解したことがある


神格は三枚の障壁を適切な場所に顕現させて攻撃を防いでいる


三枚以上は出せないのか、それとも出さないのか、神格は同時に三枚までしか障壁を出していなかった


だがその障壁は二メートル四方の板状のもので音などの空間上に放射状に広がる攻撃は防ぐことはできないようだった


「熊田先輩、物理攻撃できないですか!?」


「できるが・・・どうすればいい?」


「障壁を三枚、神格の周りに出させてください!真上が開くような形で、二人もよろしく!」


「任された!」


熊田が懐からワイヤーを取り出し手袋に設置していき、指でワイヤーを操り神格の背後からその身体に向けて攻撃を仕掛けるが、当然のように防がれる


だが防がれながらも障壁に対して何かを削るような音がし続ける


熊田の能力は音をベースとした振動を発生させるものである


ワイヤーに高周波の振動を与えることで切断ではなく、削り切る形の鉄糸となる


そしてワイヤーの攻撃に障壁の一枚を費やしている間に陽太と雪奈が同時に攻撃を仕掛ける


「鏡花!足場!」


「あぁもう!これ以上仕事増やさないでよ!」


陽太と雪奈の攻撃が障壁に防がれる刹那、鏡花が力を振り絞り静希が天井付近まで駆けあがるだけの足場を作り出す


三枚の障壁が前方に二枚、後方に一枚消費されている状況で開いている空間は神格の真上


障壁を飛び越え静希は神格の真上に躍り出て犬のような頭にとりつくことに成功する


大声をあげながら振り払おうと必死に身体を振るうが静希はその体から離れようとはしない


神格の身体にまだ残っている鎖が金属音を響かせる中静希はその額にトランプを当てて能力を発動する


「おとなしくしてろ!犬!」


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