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J/53  作者: 池金啓太
二十三話「世界に蔓延る仮面の系譜」

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前日の行動

「召喚陣の完成が直前なら、それまでは私達がそこまで警戒する必要はないかもね」


「相手の目的が召喚される悪魔だった場合はな・・・それ以外の場合を想定しておいた方がいいとは思うけど」


状況確認と報告を終えた静希達は警戒網の一角で今後のことについて軽く話し合っていた


召喚陣が直前に完成するとわかった以上、それまで研究所に残る鏡花たちはそこまで警戒をする必要はないのではないかと思われるのだ


だが静希のいうようにそれ以外の場合を想定したとき、油断しておいていい状況ではないのも確かである


敵が外側からくるとは限らない、内側にいる人間が敵になる可能性だって十分にあり得るのだ


「明利、索敵の方はどうだ?上手く働いてるか?」


「うん、細かいところは別だけど、交通規制の内側はほぼ索敵できてるよ、人が通ればすぐにわかるくらいに」


明利の言う細かいところというのは人が通ることができないレベルの小さな道のことである、人間ではなく動物が通るために使うような道であり、そのあたりは索敵をしなくてもよいと判断したのだ


あと問題があるとすれば地下だ、こちらの方は軍の能力者たちが常に警戒するという事で静希達は最低限の種を配置するだけにとどまっているものの、侵入する可能性が最も高いのはここである


以前エドが潜伏していたり、静希が移動手段に使ったりした経験があるだけにそちらの方面への警戒もかなり強く行っていた


下水道の分岐や出入り口ともなるマンホールの場所にはすべて明利の種を蒔いてある、本来なら下水の内部に等間隔に配置しておきたいところではあるが、そこまで明利の種の余裕はなかったのだ


「とりあえず明日に向けての準備はほぼ万全ってところかしら?あとは今日何も起こらないことを祈るだけね」


「ん・・・まぁそうなんだけどな・・・」


鏡花の言葉と裏腹に、静希の表情はそこまでよいものではない、なんというか考え事をしているのだ


「どうした?まだなんかあるのか?」


これだけ準備を進めながらまだ何かあるのかと陽太が呆れていると、静希は首を左右に傾けながらどうするべきかと思案している、正確にはそれをやるべきかどうかを悩んでいると言った方が正しいかもしれない


「あー・・・いや、現状できることは全部やったと思う・・・ただこっちでちょっとやっておきたいことがあってな」


「・・・それって私たちは手伝えないこと?」


明利の言葉に静希は頷いて答える


今現在自分たちにできることはすべてやった、特に明利ができる索敵網はほぼ最高のものを作り出している


そして静希が考えていることは少なくとも現状では静希にしかできないことだろう


いや、静希にしかできないというのは少々語弊がある、静希がするのはその前段階というべきだろう


あくまで可能性の一つである以上、準備を整えておいて損はない


「正直蛇足になるんじゃないかって気もするんだけど・・・まぁ一応やっておいて損はないかなと思ってな・・・」


「ふぅん・・・まぁ俺らが力になれないんじゃそっちに任せるしかないわな」


静希達の班は基本分業で成り立っている、そして司令塔の静希が他の人間は助けにならないと判断したのであれば、それは恐らく事実なのだろう


陽太はそれをわかっているからこそ深くは聞かなかった、何より自分の仕事が減るのなら願ったりかなったりである


「じゃあ俺らはもうやることなしか?遊んでていいか?」


「アホ、遊ぶんじゃなくて街を見回りとか警戒とかしてこい、地形把握くらいはお前でもできるだろ」


さすがにやることがなくなったからといって遊んでいていいほど猶予ができているというわけでもない、慣れない街を動くにはそれなりに時間がかかる、今のうちに慣れておいて損はない、そしていつ来るかもわからないのだから緊張感をもって行動させた方が安全なのである


「それじゃ私と陽太はとりあえず警戒しながら街の中をぶらぶらしてるわ、明利はどうする?」


「私は静希君と一緒にいるよ、そっちにいたらお邪魔でしょ?」


微笑みながらそう言う明利に、鏡花は少しだけ恥ずかしそうに頬を掻く、陽太はそんなことは気にせずに鏡花の手を握っていた


まさか明利からこんな返しが来るとは思っていなかったのか、鏡花は顔をわずかに赤くし複雑そうな表情をしている


「おうおう、鏡花姐さんもずいぶんしおらしくなっちゃって」


「うっさいわね・・・余計なお世話よ!行くわよ陽太!」


「はいはい、仰せのままに」


照れ隠しで少し声を荒げながら鏡花は陽太を引き連れて街のどこかへと消えていく


あの二人は案外うまくやれているようだ、これからどうなるかが楽しみである


「それで静希君、やっておきたいことって?」


「ん、まぁそうたいしたものじゃない、電話で済むことだからな」


静希はそう言いながら携帯を取り出して連絡先の中から一つを選んで通話を始める


引き続き予約投稿中


万が一のことも考えて少し長めに投稿しておきます


これからもお楽しみいただければ幸いです

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