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J/53  作者: 池金啓太
二十三話「世界に蔓延る仮面の系譜」

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実習への対策会議

二年生になるとき、クラス替えは必ず行われるが、その際に能力専門学校では少々特殊な分け方をする、それは班ごとのクラス替えである


班の人間が別のクラスにならないように、同じ班の人間は必ず同じクラスになるように計らわれるのだ


だからと言って一年に決めた班で三年間過ごさなくてはいけないかというとそうではない、一年の終わりに行われる最後の校外実習を終えた後、アンケートというか要望をとるのだ


その際に同じ班の継続を望むのであればそのままの班で行動できるし、別の人間とチームを組みたいという人間がいれば班を解散し、同じように班を解散した人間と新しく班を構成することになる


もっとも、班を解散、再構成するようなチームはほとんどいないのが通例である


もし班を再構成するような事案が存在するのであれば、決定的な大喧嘩をするか、人間関係に亀裂が起きるような何かが起きるかしかないのだ


少なくとも鏡花は班を変えてもらうつもりは毛頭なかった


せっかく良い友人にも恵まれたのだ、今の状況を手放す選択肢など鏡花にはあり得ない


「先輩で思い出したけど、雪奈さんはこのこと知ってるわけ?また海外に行って危ない目にでもあったらそれこそ腕を切り落としかねないわよ?」


「あー・・・それについてはもう決着はついてる、ちゃんと話したうえで納得してもらったよ」


雪奈に事情を話し、また海外に行くかもしれないと言ったときは強い不信の目で見られたものだ


一緒に明利が行くという事で幾何かは信用してもらえたのか、メフィをはじめとする人外たちに静希をしっかり見張っておくようにと念を押していたのが印象的だった


そんなに自分は信用がないのかと静希は少し悲しくなったが、今までの自分の行動を省みれば致し方ないことかもしれない


自らの彼女であり姉である雪奈の片腕を守るためにも傷の一つもつけることは許されないと思うべきだろう


悪魔の契約者が来るような場所でそんな甘いことが許されるはずがないというのはとりあえずは置いておくことにした


「実習で海外かぁ・・・今にして思えばあり得ない話よね・・・」


「二年三年がどんな実習してるかは知らないけど、海外ってのはさすがにないだろうな」


静希達は雪奈をはじめとする先輩以外に年上の知り合いがいないために、年代が上がるにつれて実習の難易度が上がる以外のことはほとんど知らないと言っていい


唯一知っているとすれば、学年が上がるにつれその難易度と共に特色が変化するということくらいだろう


陽太の姉の実月に昔聞いたことがあるが、彼女がいたのは戦闘系の班ではなかったために参考にならなかったのだ


一年の頃は試験的な意味でも、様々な実習が組まれるが、二年、三年と移るにつれて少しずつではあるがその班や個人の能力を見越した実習が組まれるらしい


戦闘に特化した班であれば無論戦闘行動が多い荒事など、情報処理や探索、その他の工作が得意な班にはそれに属した依頼が寄せられる


無論校外実習そのものは卒業後のための訓練であるために常に得意分野だけを行えるわけではないが、比較的自分たちの得意なフィールドでの行動が多くなるのは事実だ


例えば静希達の場合は野外探索、あるいは潜入などが得意で、逆に護衛などは不向きである


その為これからは屋外に出て広範囲を探索する内容か、対象の近辺を探ると言った工作活動が多くなるかもしれない


今回割り当てられるのは護衛だが、今後奇形種だけではなく人間を相手にするような機会も増えるだろう、静希達はそれなりに経験を積んでいるため尻込みすることはないが、普通の依頼を受けてきた同級生たちにとっては少々荷が勝ちすぎているかもしれない


「二年生になったら一年の面倒を見る班もあるんでしょ?私達はどうなるのかしら」


「いやまず間違いなく外されるだろ・・・俺らみたいな問題児が一年生の面倒見るとか・・・」


静希の言葉に鏡花は不承不承ながら納得してしまう


静希達は優秀ではあるが、強烈な問題児でもある、より正確に言うなら問題を呼び寄せるタイプの人間である


行く先々で面倒を起こし、やることなすこと全てが面倒事へと変貌すると言っても過言ではないかもしれない


そんな人間に一年生の補助をさせるなど正気の沙汰ではない、そして何より静希は悪魔の契約者だ、一年生の指導に当てるなどと言うもったいない半年間を過ごさせるとは思えなかった


「ていうか俺らの場合班を分けたら実力半減以下なんだし、しょうがねえんじゃねえの?」


「うん、完全に役割分担しちゃってるし、二つに分けるとしても微妙にバランスが・・・」


普段班を分ける時は行動や目的によってチームを変更しているが、四人の時と二人になった時での戦闘能力や行動能力には圧倒的な差がある


チーム分けにもよるが、四人で固まっている時に比べその実力はかなり変わる、元より静希達は四人そろって初めて全力を出すことのできる班だ、一年生の指導に当たるという事はつまり班を分割するという事になってしまう

ただでさえ弱い人間が二名ほどいるというのに、さらに戦力を分ける余裕はないのだ


「まぁ今さら一年の内容をやる必要もないだろ、今ならあのザリガニくらいなら倒せる自信あるぞ」


「あー・・・確かに今のお前ならできるかもな」


かつて自慢の拳が通用しなかったザリガニ、その甲殻さえも貫けるだろう槍を手に入れた陽太にとって、もはやあのザリガニは敵ではないのかもしれない


六月からすでに半年以上、陽太だけではなく班の人間も大きく成長しているのだ


静希達が最後の実習に向けて各々準備を進め、週が明けたころ、一班の人間は城島に呼び出されていた


以前言っていた事前資料が届いたのだ、そこで早めではあるが資料を受け取るために職員室へとやってきていた


普段ならすべての班が一緒に受取るはずの資料を早めにもらえるというだけで優遇されていると思えるのだが、これから受ける実習内容を考えるとそうでもないような気がしてくるから不思議なものである


「ではこれが資料だ、各員しっかりと内容を頭に入れておくように」


「ありがとうございます、それじゃ行きましょ」


資料を貰ったからには早々にブリーフィングをしておく必要がある、特に今回やることは多い


実際どのような内容での実習で組み込まれるのかも不明だが、静希の目的を果たすことが一番の難関だ


静希の目的、つまりは今回の召喚実験に際し接近してきている悪魔の契約者との接触と捕縛、可能ならその背後関係についても確認しておきたいところである


悪魔の契約者相手にそんなことが可能なのかは甚だ疑問だが、やるべきことはやっておくべきである


という事で静希達はいつものように静希の家でブリーフィングを行うことにした


今回は事前に鏡花が資料を読んでいないために、まずは全員で与えられた資料を読むところから始めたのだが、読めば読むほど気が滅入る内容である


「・・・ねぇ静希・・・ほんとにこんな奴が来るわけ・・・?」


「ちょっと・・・怖いね・・・」


鏡花と明利が指差す資料には今回召喚事件に接触してきていると思われる悪魔の契約者の資料が記載されていた


事前にテオドールからその資料を受け取っていた静希はそれほど衝撃はなかったが、初見となる二人には少々刺激が強かったのかもしれない


カロライン・エレギン


エルフの研究者で、今年の六月に召喚実験と同時に家族を殺し逃走、指名手配されている


その殺し方はズバリ、首を斬り落すことだった


現場は彼女の自宅の庭、召喚に際しトラウマの再現として利用されたのだろうか、召喚陣のすぐ後ろに三つの首が切断された死体が転がっているのを夕方頃に配達に来た男性が発見したのだという


その時の彼女の姿は血まみれで、何かに取り憑かれるように走り去ったのだという


その場にあった死体は三つのみ、彼女は父、母、祖父、そして幼い弟の五人暮らしだったらしいが、その場に残された数から弟だけは殺せなかったのか、それとも弟と共同でこの犯行に及んだのか


どちらにせよ、姿をくらませたままになっていた


弟の名はフリッツ・エレギン、カロラインとは歳の離れた弟で、彼もまた姿をくらませている


ドイツの僻地にある彼女の家で召喚実験が行われるなどという事はドイツの政府も関知しておらず、完全に彼女の独断で行われた可能性がある


現場に残されていた召喚陣と死体から事件が発覚し、後に彼女の姿を確認した際、人ではない何かと共に行動を共にしていたという事から彼女を悪魔の契約者と断定したとのこと


首切り死体と言えばまだ聞こえはいいかもしれないが、資料には当時の写真まで載せられている始末、学生に見せる内容ではないのだろうが、静希はそれさえも判断材料にしようとしていた


「こんなことする奴が相手なんて・・・考えたくないわ・・・」


「血は少し慣れたと思ってたけど・・・こういうのになると・・・うぅ・・・」


流石にここまでグロテスクな写真を見るのは初めてだったのか、鏡花の顔色は良くない


以前もっとえげつない写真を見ている静希や明利は多少平気だが、それでもこの写真はなかなかきついものがある


「なぁ静希、この首の断面って、刃物だよな?しかもあんまり鋭くない感じの」


「あぁ、雪姉の持ってる刀とは別の類の刃物使ったんだろうな、力で無理やり斬り落としたって感じだ」


静希と陽太はその首の断面から凶器になにが使われたのかを考察している、何度か雪奈が眼前で生き物を切り裂いているのを見たり、たまに自分達でも解体したりしていたために生き物の切り傷や断面図に関しては少しだけ心得がある


静希と陽太が注視したのは首の切断部分だ


包丁や刀のように鋭い刃物で肉を切る場合、綺麗にまっすぐで整った断面をするのだが、その分骨などが邪魔しやすく、よほどの達人でなければほとんどの場合が力任せに切断するしかない


しかも首などの場合、骨と骨の間、細かい関節部分に綺麗に刃の軌道を合わせなければ人間の力で首をおとすことは難しいのだ


以前静希がそうした様に、全体重を叩き込まない限り骨はなかなか切断することは難しい、切断というより砕くというイメージの方がわかりやすいかもしれない


そしてその断面図の始まりともいうべき場所と、その終わりというべき場所に目を向けると、その切断部の違いがよくわかる


刃物を入れたであろう部分は僅かに潰れ、その反対側は千切りとったかのようないびつな断面をしている、このことからそこまで鋭くない、どちらかというと質量と運動エネルギーによって潰し切るような類の刃物で切断されたという事がわかる


自ら剣の実力はそこまでないと言っているようなものだが、これがただの剣や刃物で行われたものであるかまではわからない


もしかしたら能力で行われたかもしれないのだ


資料によると、現場には凶器はなかったとのことらしい


となるとエルフの持つ強力な能力によって犯行に及んだ可能性もあるが、両親も祖父も能力者でありエルフであるなか、一撃で首をおとしたという事は完全に油断していたという事だろうか


身内なら油断を誘うこともできる、そういう事なのだろうか


静希はわずかに眉間にしわを寄せながらため息をつく


「あんたら何でそんな傷口直視できるのよ・・・信じらんない・・・」


「ひでえな、こっちはまじめにやってんだぞ、雪さんと一緒にいればこれくらい必須技能だ、なぁ静希」


「必須かどうかはさておき、山籠もりになった時には否が応にも見ることになったしな」


以前無人島で平然とイノシシを解体した二人からすればこの程度はあまり衝撃にはならないようだった、無論それが人間という事もあって多少気分を害しているようではあったが、鏡花のように顔色が悪くなったりはしていない


この二人はやはりどこかネジが外れていると思いながら鏡花はため息をつく


「確認するけど・・・私たちはこれをやった奴の相手はしなくていいのよね?これは静希が担当してくれるのよね?」


「これをやったのが悪魔の契約者であるならな、それは俺とメフィの役割だお前らは身を守るのに専念してくれればいい」


「えー・・・せっかく悪魔の攻撃を少しは受け止められたってのに傍観かよ」


以前メフィの攻撃を盾で受け止めたことで妙な自信が生まれてしまっているのか、陽太は少し不満そうに唇を尖らせた


あれはメフィが手加減していたからこそ受け止められたものだと静希は解釈しているが、陽太からすれば受け止め方によっては本気であろうと防御はできると考えている様だった


あの時陽太は真正面から攻撃を受け止めるばかりだった、だが本来装甲や盾などは正面から受け止めるのではなく、少し斜に構えることで本領を発揮する


所謂受け流しをするという動作だ


正面から受け止めるだけでは装甲厚に変わりはないが、僅かに斜度を付けることで通常よりも多くの装甲で受け止められるうえに、力の方向を逸らすことで通常よりも楽に攻撃をやり過ごせるのだ


前衛に長く身を置いている陽太は理屈ではなく感覚でそのことを理解している様だった


鏡花からの指導もあるだろうが、恐らく実戦ではさらに高いレベルでの防御と対応ができるようになるだろう、攻城兵器の称号を持ちながら、陽太そのものが城壁に近い防御力を有するのも遠い日ではないのかもしれない


「陽太、餅は餅屋って言葉があるのよ、そう言うのは静希に任せておきなさい」


「何言ってんだよ、今時餅なんてスーパーでも売ってるじゃねえか」


「そういう事言ってんじゃないのよこのバカ」


諺が通じない陽太に呆れながら鏡花は項垂れる、この陽太に指導をすることがどれだけ疲れる事か今までの指導で身に染みているだろう、よくぞここまで続けてくれたものだと涙ぐむばかりである


「結局、今回は名目上は護衛の実習なわけね」


「そうなるな、向こうの軍と協力して召喚を無事終わらせるのが目的だ・・・けどなぁ・・・」


召喚と聞いていい予感はしない、そもそも何が召喚されるのかもわかっていないのだ


これが悪魔で、メフィの知っている悪魔だったら話が早く済むかもしれないが、もしかしたら新種の人外との会合になりえるかもしれないだけに気が重かった


「ていうかさ、根本的な疑問なんだけどよ、何で召喚するんだ?わざわざ危ない目に遭うってのに」


何を召喚ではなく何故召喚するのか


確かに根本的な疑問だが、静希と鏡花は視線を合わせた後、明利の近くを跳んでいるメフィに視線を向ける


「簡単に言えば国力の強化じゃない?悪魔の契約者ってそれだけで軍隊一つと匹敵する力を持ってるわけだし、しかも数えるくらいしかいないんでしょ?」


「らしいな、他国へのプレッシャーにもなるだろうし、何より自国の中でのパワーバランスの調整とかもあるかもな」


鏡花と静希の考察に陽太はさらに頭をひねる、どうやら二人の考えは陽太にとって解答とはならなかったようだ


「なら何で今回はいくつかの国が合同でやってるんだよ、一つの国でやったほうが国力の強化?になるんじゃねえの?」


確かに陽太のいう事はもっともだ、国力を高めたい場合はその国だけで研究しそれを独占したほうが早く済む場合もある


だが今回の場合それは微妙に当てはまらない


「さっきあんたが言ったけど、やっぱり危ないからっていうのもあるんじゃない?一つの国だけだと失敗していても気づけないかもだけど、いくつかの国で合同でやることで成功率をあげてるのかも」


「後はその国が単体で実験を行うことで周辺国の警戒レベルを上げることになる可能性を潰すためじゃないか?いくつかの国で合同でやるって時点でその国だけが突出することはまずなくなる、一歩前進することはまず間違いないだろうけど、それだけならまだどうにでもできるだろうしな」


鏡花や静希の言っていることは、今まで技術協力や同盟関係などの国際情勢などに関わってくる話だ、もちろんそんな話を陽太が理解できるはずもない


そこで鏡花は陽太にもわかりやすく話すことにした


「えっと・・・一人で勉強するより誰かに教わったり、教えながらやったほうが進みは早いでしょ?それに一人だけ優秀だと妬む人が出るけど何人も優秀な人がいれば妬みが一人に集中することはなくなるでしょ?そういう事よ」


「あぁなるほど、確かにな」


対陽太用の翻訳が確実に上達している鏡花に、静希は感動すら覚えた


若干意味合いや内容が異なっている気はするが、何で一国だけでやらないのかという理由に関してはとりあえず納得できたようだった


ここまで来ると鏡花なしにはもう陽太に解説はできないなと静希は何度かうなずいていた


「ところで今回はフランスのどこに行くんだ?パリか?」


陽太でも知っているフランスの都市の名前なのだろう、幸か不幸か、それとも偶然か、今回行く場所は陽太の言うとおりフランスのパリだった


より正確に言うのならパリ郊外にある研究所なのだが、細かい点を抜けば陽太の言葉はおおむね正しい


「そうみたいね、パリ郊外の研究所で召喚を行うみたい、召喚を行う前後数日辺りから近辺を軍が完全に包囲して侵入者とかが入らないようにするみたいね」


「まぁ悪魔の契約者に軍の包囲がどれくらい意味があるかはさておいて、不安要素は少しでも消しておきたいんだろうな」


悪魔の契約者というのはいうなればエルフよりも上の存在だ、その能力の特性にも左右されるだろうが、その出力は通常の能力のそれとは文字通り桁が違う


その為、例え軍の能力者が包囲し、壁を作ったとしても易々突破される可能性が高いのだ


突破力に秀でているというのは実に厄介なもので、たとえ周りを取り囲んでも一点突破で逃げられる、一点集中で叩こうとしてもすぐに弱いところを見いだされ、その場所から突破する


格上の存在が、高い突破力を有していた場合、同等の存在をぶつける以外に対処法がないというのはそう言う理由でもあるのだ


問題は相手の能力が全く分からないという点にある


能力が判明するかと思って、事件が起こった当時の資料や写真まで取り寄せてもらったのだが、首の切断面を見ただけでは何とも言えないのだ


はっきり言って首をおとすだけなら静希だってできる、能力を使っていない陽太だってできるだろう、判断材料としては圧倒的に足りないのだ


しかも相手は一人ではない、契約者であろうエルフ、カロラインと、その弟もいるかもしれないのだ


片方は幼いとはいえエルフが二人、しかも悪魔が一緒にいる


対してこちらは軍隊と鏡花たち、そして悪魔の契約者が二名来る予定


正直に言えば少し面倒だ


エルフの能力の出力だって通常の能力者のそれとは比べ物にならない上に、研究者として生計を立てていたという事はこのカロラインという人物の能力の練度は相当高いものであると予測できる


その血縁である弟もそれなりの実力を持っていると思っていい


連携が取れるかもわからない軍隊は当てにならない、となると静希とエドモンドをメインとした行動プランを考える必要があるのだ


流石に悪魔が出てくるような戦場に鏡花たちは立たせられない、矢面に立つのは静希達、鏡花たちには裏でフォローをしてもらうか、悪魔の契約者ではない方、恐らくは弟の方をカロラインから引きはがす仕事をしてもらうことになるかもしれない


もしかしたら召喚される『何か』の対応をしてもらうことになるかもしれないのだ、軍が当てにならないというのは何とも心もとないものである


考えれば考える程面倒だなと思いながら静希は僅かに項垂れる


幾つかの国が参加しているという事だが、軍を動かしているのはフランスだろう、もしかしたら他の国も部隊を駐留させているかもしれないが、大本であるフランスには劣るはず


指揮系統がどのように形成されているかも不明な状況だが、各国がにらみを利かせるような状態で協力体制が敷けるはずがない


自分たちは独立して動けるように仕向けたいところだがそれが許されるかどうか


もしかしたら体よく責任者や官僚などの護衛に回される可能性もある、それだけは避けなければならない


お偉いさんとコネを作りに行くのではなく、あくまでカロラインに接触するために行くのだ、ごますりをしているような時間的猶予はない


「そう言えばあっちってフランス語だろ?俺英語でさえきついのに平気かな・・・」


「そのあたりは静希に任せましょ、オルビアの通訳って私達にも効くわよね?」


「俺の近くにいればな・・・一応常にオルビアを帯刀しておくか」


剣であるのにもかかわらず帯刀というのも少々おかしい気もしたが、静希のトランプの中に入れておくより多少は効果が増すことを期待して以前鏡花に作ってもらった鞘も持って行くことにした


箔がつくかどうかはさておいて、すぐに対応できるという意味では正しい状態であると言えるだろう


そんな中、明利は資料を眺めながらあることを思い出していた


「・・・フランスの有名なものって何だろう・・・」


「・・・それはお土産の話?」


「うん、雪奈さんに買ってあげたいなって思って」


殺伐とした状況の中で雪奈のことを考えていられるあたりさすが明利というべきか、そう考える中静希達は首をかしげる


フランスの特産品ともいうべきものを良く知らないのだ


「えっと・・・紅茶とか・・・あとはワインとか?」


「未成年に酒渡してどうする・・・でもそういえばフランスの土産とか観光地とか全然知らねえな・・・」


今まで行くこともないだろうと思っていた場所であるが故に、ほとんど何も知らないに等しいフランスという国


イメージとして華やかな印象があるが、実際どういうものかは調べたこともなかった


「ちょっと調べてみる、お土産とか特産とかそういうのだろ?」


「うん、せっかくだし、ちゃんとフランスらしいものがいいよね」


理由はどうあれせっかくフランスまで向かうのだ、フランスでしか手に入らないような物品の方がいいだろう


静希はとりあえずパソコンでフランスのことについて調べていくことにした、現場の地図を頭に入れるという意味合いでもそうだが、こうして調べられることは何でも調べておくに越したことはない


誤字十五件分溜まったので四回分投稿


二日連続で来るとは思ってなかったけどこの程度では自分のメンタルは揺るぎません!・・・たぶん


これからもお楽しみいただければ幸いです

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