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J/53  作者: 池金啓太
三話「善意と悪意の里へ」

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驚愕と横暴

「あの先生、石動も、俺達もどういうことかわかってないんだけど、説明してくれない?」


「あぁ、そうだな・・・んん、石動詳しい説明を頼む」


「はい、神格は精霊の上位にいる存在で本来は土地や家系を守るための守り神となる者から厄災を起こす禍津神まで数多くの種類と強さを誇る、それこそ私が契約している精霊とは天と地の差だ」


「・・・つまり?どういうこと?」


石動の説明ではまったく理解できない、守り神だか禍津神だが知らないが、なぜそんなものにそんなにあわてるのか、神様も何も信じていない全員が首をかしげてしまう


「お前達からすれば何の話だというのはわかる、だが大地震や火山噴火などを起こす神もいる、一歩間違えれば村が滅びる」


「まああれだ、悪魔と同じ強さの堅苦しい奴が怒ってるからそいつをなだめて来いっていうそういう依頼だ」


「「「「「「はぁ!?」」」」」」


全員の声がシンクロする、特に実際に悪魔メフィストフェレスと戦闘した三人の声は大きい


メフィはまだお遊び好きな性格と確実に相手を見下しているためまだ相手をしてくれた


だが神格、城島の言葉を借りるのなら堅苦しい奴が怒り狂って最悪村一つどころか火山を噴火させかねないような存在を一班だけで何とかしなくてはならない?何かの冗談ではないのかと疑いたくなる


「ちょっと待って下さい、確か悪魔に対峙するだけでも大隊単位の戦力が必要とかじゃ?」


「あぁそうだ、よく知っているな、しかも生徒ではなく軍隊のな」


あの戦闘前に言われた言葉だ忘れるはずがない


「そんな話を一年生の一つの班だけに押し付けるって、どうなってるんですか!?何考えてるんですか!?」


さすがの鏡花も抑えていられなくなったのか慌てふためく


「わ、私達に、拒否権ってありますか?」


「基本的にはないな、これは次回の六月の実習に組み込むはずだったんだが、これはむしろ好都合だ」


「好都合?どうするんですか?」


「今週末、一班のみ校外実習を行う」


「「「「「「はぁ!?」」」」」」


またしても全員の絶叫がシンクロする


「待って下さいよ!?俺この前色々使いすぎてまだ収納とかの準備追いついてないんですよ!?」


「なんで俺達ばっかそんな役回り!?厄介事のオンパレードじゃないっすか!」


「ふざけないでください!そんな横暴が通るなんてどうかしてます!」


「あ・・・あぁぁぁぁああぁ」


「もう手加減も何もないだろ、全部装備用意しなくちゃな」


「俺も少々気を引き締めていかないと、本当に死ぬかもしれない・・・」


六種六様の反応を示しながらそのほとんどが絶望に浸っている、中でも明利の絶望感が酷い


「あっちが通してきた話だ、上から命令されて無視はできない、しかも礼が言いたいっていう東雲の願いも叶えられる、それに連中の鼻もあかせるかもしれない、一石二鳥だ」


それを行うのが自分達だということをわかっているのだろうかと全員が思ったがすでに何を言っても無意味だろう


「ということで、週末にエルフの村に実習に向かう、このまま実習の打ち合わせに入るから石動は席をはずしてくれないか?」


「なぜです!?私だって話くらい」


「お前は関係ない、これは一班の問題だ、後で概要は話してやるから今は外せ」


実習の話となれば班員以外に聞かせるわけにはいかないというもっともらしいことを言うと石動は何も言えなくなる


「石動、ちゃんと報告するから、頼む」


静希にそう言われ、渋々と了承しその場から去っていく


少々強引だが、こうでもしないと先に話が進まないと先生は判断したのだろう


何せ彼女には見せられないものがこの中には居るのだから


「さて、部外者はいなくなった、清水一応この部屋を完全隔離、熊田は盗聴器や監視カメラの有無を確認しろ」


「「了解です」」


二人が同時に作業に取り組む中静希達は机の上にばらまかれた資料を並べていく


「先生、この部屋の隔離終了しました」


「盗聴器も監視カメラもなしです、周囲の教室や廊下に人影も特になし」


「よし話を進めるぞ、五十嵐、悪魔を呼び出せ」


やっぱりかと静希は頭を痛めながらスペードのQを取り出す


『メフィ聞いてたな?』


『えぇ、ちゃあんと聞いてたわよ?』


意識を集中してメフィを外に出すと多目的室の中に一つの悪魔が現れる


頭に角を生やし褐色の肌に豊満で肉感的な身体、すらりと伸びた手足、どこからどう見ても絶世の美女


「いいよな静希、こんな美人と一緒にいるんだから」


「ほう?なら代わるか?」


「遠慮しとく、俺はまだ殺されたくない」


「いい判断ねヨータ、私はシズキ以外と一緒にいるつもりはないのよ」


ふわふわと宙を浮きながらメフィは優雅に構える、風格や気品を兼ね備えたその姿はさすがとしか言いようがない


これでもう少し普段落ち着いてくれたらと思うのは贅沢だろうか


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