表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
J/53  作者: 池金啓太
十七話「追い追われる先に」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

656/1032

夜の行動開始

カエデとの談笑もほどほどに、静希はオルビアを自分のそばに、メフィ達人外をトランプの中に入れた状態で店の各所に配置して見張りにしながら仮眠をとることにした


距離と準備を考えて行動開始は二十時、目標の建物にたどり着くのが二十二時だとしたら、恐らくまだ活動時間内だろう、さすがに二十二時に就寝ということはないはず


可能なら窓から部屋の内部を観察して、どこに行くのかを特定しておきたいところである


再び変装して服装を変え、出発の準備を整えてから店の対応をしていたカエデに話しかける


「それじゃあ行ってきます、一度こっちに戻ってくるつもりですけど、何時になるかはちょっとわからないです」


「そう、頑張ってらっしゃい・・・あそうだ、これ持っていきなさい」


カエデが部屋の奥から持ってきたのは小型のレコーダーだった、ポケットにも手のひらにも収まりそうなかなり小さいものである


「携帯使うわけにはいかないでしょ?間に合わせだけど」


「ありがとうございます、使わせてもらいます」


静希はレコーダーをポケットの中に入れて店の裏口から外へ出る


二十時ということもあってあたりはすでに完全に日が落ち、夜になってしまっている


裏通りであるためにそこそこ暗いが、それでも東京の一部だけあって空を見上げても星を望むことはできなかった


そして街の明かりがあるために、表通りは明るいが、それでもやはり昼の明るさには敵わない、静希が行動するには十分すぎるほどの暗さだ


これから向かう先は住宅街、ビルなどもほとんど建っていないために光源はせいぜい街灯位のものだ、それならば誰かに見られてもほとんど個人の確認などできないだろう


電車が使えない以上、静希は必然的に歩くしかないため多少余計な時間がかかってしまうが、目的の建物におおよそ予定通り到着することができた


時間は予想より早い二十一時、これくらいなら残業帰りのサラリーマンなどが帰ってくる時間にも合致する、多少運の要素が強いが、静希はとりあえず駅前から目的のマンションに向かう道を歩き、正面玄関を確認した


さすがに警備体制はしっかりしているのか、正面玄関はオートロックのようで、鍵が無ければ入れなさそうだ


無論誰かが入っている隙に一緒に住人を装って入るという手があるが、もし失敗したときに不審がられる可能性がある


周囲の光量を確認して上空がどのように見えるかを把握してから静希は行動を開始する


まず少し裏通りに入ってからフィアをトランプの中から出して能力を発動させる、そして邪薙には上空十メートルほどのところに地面に水平に、徐々に高さを上げていくように三枚の障壁を展開させた


フィアにまたがり、空中にできた障壁を足場に上空へと昇っていき、マンションの一室、赤城元也の部屋がしっかりと見ることができ、なおかつほかの人間にはほとんど見えない程度の高さまで上昇するとフィアをしまい、邪薙の障壁の上で静希は双眼鏡を取り出して部屋の様子を確認することにした


部屋の明かりはまだついている、そして部屋の中には何人かの人影が確認できた


一人は資料に載っていた赤城元也本人、そして他に二名リビングにいるようだ、服装と体格から二人とも男であることがわかる、赤城の妻はいないのだろうかと部屋の中を可能な限り確認しようとするが、さすがにこの距離からでは部屋全体を見渡すことはできない


『ここからじゃ確認できなさそうだな・・・かといってこれ以上近づくのは・・・』


『・・・マスター、車の時のように私をあの部屋のベランダにセットするのはどうでしょうか?』


トランプの中にいるオルビアの提案に静希は少し思案してしまう


人外たちは静希がトランプを展開している際は、自分たちが入っているトランプを中心とした全体の視界が見える


もしあのベランダにオルビアのトランプを仕込むことができれば確かに内部の構造を知るには問題ないだろう、だがばれる可能性が高いのと、静希のトランプの射程距離の問題がある


静希のトランプの射程距離は長年の鍛錬のおかげかそれなりに長い、少なくともあのマンションの四階から屋上くらいの距離であれば十分操れるだろう


だが今静希達がいる場所からでは距離が足りない、もしオルビアの入ったトランプをベランダに設置する場合、あのマンションの屋上に移動するのはまず間違いなく必要事項に入る


『ほかに方法もなさそうだな、頼むぞオルビア』


『かしこまりました』


オルビアの返事を聞いてから静希は再びフィアをトランプの中から出して邪薙の障壁をマンションの屋上へと続くように展開していく、可能な限り音をたてないように少しずつ移動しながら数分かけて静希は目的のマンションの屋上にたどり着いた


さすがに夜だからか、屋上には誰もいない、だがこれから警備員や管理人などが見回りに来ることを考えるとそこまで悠長にはしていられないだろう、メフィの入ったトランプを屋上の扉の向こうに配置し、誰かが来た時にはすぐに隠れられるようにしておくことにした


目的の部屋の位置と、窓を確認しながら部屋の中からはトランプが見えないように一気に四階まで移動させていく、遠距離へのトランプの操作は久しくやっていなかったためにかなり神経を使って動かしていく


ゆっくりと窓の有効視界外から、窓の中が見える場所まで静かに移動させ、その場で固定する、この場所ならばベランダから外を注意深く観察しない限り見つかることはなさそうだ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ