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J/53  作者: 池金啓太
十七話「追い追われる先に」

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現在の立場

その後竹中と別れ、静希はとりあえず帰宅することにした


体は最近疲れるようなことはないが、精神的に参ることが増えてきたような気がする


『結局、無駄骨だったかもしれないわね、せっかく来たってのにさ』


『いやそうでもないかな、とりあえず警戒しておいた方がいいってことだけはわかったし』


事実上収穫はほとんどなかったが、それでも知りたいことのうちの一つだけは知ることができた


あのマンションで今のところ被害を受けたのは自分だけだということである


これがただの空き巣ではないという確率が跳ね上がったのだ、多少なりとも警戒のレベルはあげたほうがいいのはまず間違いない


『邪薙、今家の結界ってどれくらいの強度なんだ?』


『それほどのものではない、あの家に入る人間を探知して知ることができる程度だ、あとはベランダより向こうから中を覗くことができない程度の遮光・・・というより偏光をかけてある』


なるほどなと静希は内心頷いて見せる


邪薙が家にかけている結界の特徴は物質的なものを止めることはできずとも侵入物を感知する程度のことはできるようだ


そして遠くからの狙撃にも対応できるように一定距離以上からは内部の構造を見ることができないようにもしているらしい


信仰のない神であるにもかかわらずここまでできるのは偏に守り神としての性能の高さゆえだろうか


『さすがに家全体に物質とかを通さないレベルの結界を作るのは無理か』


『無理だな、今の私の力ではこれが限界だろう、無論信仰をもっと得られれば可能だが・・・ざっと見積もって百人以上は・・・』


邪薙の言葉に静希は苦笑しながらそりゃ無理だと内心でつぶやく


神格は信仰する存在の数によってその力を増す


それこそ上級悪魔をも超える力を得ることもあるほどだとメフィは語るが、力が強くなればなるほど自らの力自体にも縛られ行動も制限される


静希やその周りの数人程度からしか存在を認知されていない小神、所謂マイナーゴッドである状態ではその制限はないようなものらしいが、同時に使える力も限定されているのだという


むしろ今の状態のままでここまでの力を使えることが驚きだとメフィは言っていた


能力でもそうだが、何かに特化した力を持つと必然的にその力には偏りがある代わりに万能型にはない特異性を有することがある


邪薙の場合、彼の存在と彼の能力が守りに特化しているからこそ信仰が少ない中でもここまでの力を使えているのではということだ


『犯人は追えず、行方も分からず、被害および相手の目的も不明・・・今できることは奇襲などに対応することくらいでしょうか・・・』


『面倒くさいわね・・・ケンカ売るなら堂々と来なさいっての・・・』


『今回はシズキが予想外な時間に帰ってきたのが原因だろうな、もう少し何をしているのかを確認するべきだっただろうか・・・』


『それで被害が出るのは勘弁だな・・・あぁもう面倒くさい・・・』


トランプの中の人外はあぁでもないこうでもないと議論を交わしているが静希からすれば本当に面倒くさいの一言だ


一体あの家から何を持ち出したかったのか、そもそも盗みに入るのが目的だったのか、わからないことは山積みだ


とはいっても考えても仕方のないこと、とりあえずはオルビアの言う通り周囲を警戒するくらいしかできることはないだろう


改めて認識したことだが、静希はいつ敵意を向けられてもおかしくないような立場にいる


国内外を問わず、悪魔の契約者として狙われることもあれば面倒を押し付けられたり面倒を引き寄せたりすることも多い


今までは静希に直接面倒事の話が来ていただけあってまだ有情だったが、今回のように静希の見えない知らないところで何かが動いていると静希自身は反応のしようがない


『邪薙、今のところ敵意とかそういうのは感じるか?攻撃してきそうだとかそういうの』


『ふむ・・・今のところは何もないな』


『そもそもシズキの方を向いている人なんていないわよ?』


メフィ達はトランプの中にいるとその収納されたトランプの中心から三百六十度の周囲を見渡せる


トランプを顕現していない今は静希の周囲全体を見渡せる状態だ、周囲の人間がどのように行動しているかもほとんど見える


物体を透視できるわけではないので有効視界百%というわけにはいかないだろうが、静希以上に見えるものは多い


だがそれでも今のところ危険はないと判断していいだろう


『悪いんだけど、お前達には俺が外に出る時は特に警戒しておいてほしいんだ、俺だけじゃほとんど普通の人間と変わらないし』


『まぁそうよね・・・仕方ないわね、他ならぬシズキのお願いだし』


『お前を守るのは私の義務だ、喜んで引き受けよう』


『お気になさらず存分にお使い潰し下さい、我が身はマスターのために』


守り神としての邪薙の直観と、物理的に見えている周囲の状況の索敵、今のところできる警戒はこれが最高のものだ


無論これだって万能ではないし、万が一傷ついたところで静希の負った傷は自動で修復されるが、この状態をいつまでも続けるわけにはいかないのだ


もう少し何とかしなくてはいけないかなと思いながら静希は疲れた心と体を引きずって家へと入っていく


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