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J/53  作者: 池金啓太
十六話「示した道と差し出された手」

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深夜の不法侵入

時刻は深夜


食後にシャワーを浴びて軽く仮眠をとった後静希達はまた動き出していた


警察署というだけあって深夜でもまだ行動している人間が多数いる


デスクで仕事をしていたり、最近多くなった犯罪を警戒して町内の巡回を行っていたりと休む暇も惜しんで働いている


「とりあえず見つからないほうがいいわね、窓から出る?」


「そうだな、出る時はフィアに頼もう・・・全員準備はいいか?」


全員鏡花の作った仮面を装着して黒い外套を羽織い、完全に闇にまぎれるような格好をしている


外に出たら一発で職質されること間違いなしだ


警察から支給された無線もしっかりと取り付け、すでにいつでも不法侵入できるだけの準備は整えてある


後は実行するだけだ


城島も布団の中に入り小さく息をついている、眠っているのか、寝ているふりをしているのかまではわからないがとりあえず音を可能な限り小さくして窓をゆっくり開けそこから飛び降りる


トランプの中からフィアを取り出して瞬時に能力を発動、大きな獣の姿となり全員を乗せた状態で衝撃もなく着地を終えると静希達はすぐさま押野町へと移動を始めた


一応巡回の警察がいることを考慮して公道から少し外れて森や山の一部を移動し続けていると、読み通り何度か警察のパトカーとすれ違う


「危ないわね、やっぱ犯罪多くなってるだけあって見回りも多そうだわ」


「そうだな・・・町に着いたら無線の効果範囲ギリギリのところに潜伏用の場所を作ったほうがいいかもしれないな・・・この無線ってどれくらいまで届くんだろうな」


「確か・・・一キロとかそれくらいだと思うよ、結構離れてるから警戒もなくていいと思うけど・・・」


「一応敵が来たら気づかれないように気絶させとけばいいだろ?能力なしで」


急ぎながら適度にフィアに乗ったりして静希達は四十分ほどかけて押野町へとたどり着く


静希を先頭に遮蔽物に隠れながら教会から八百メートルほどのところに来た時、鏡花は道路から少し離れた雑木林に近い場所に地面を掘り下げて明利と陽太が隠れられる場所を作る


「どう?ここなら無線届きそう?」


「大丈夫だと思う、二人とも気を付けてね」

明利から種を受け取り二人は頷きながら口ではなく手信号で移動を開始する

時折鏡花の能力で遮蔽物を作りながら手早く教会へ近づいていき、距離が百メートルほどになったところで鏡花の能力で地中へと潜る


「明利、地中に入った、ナビ頼む」


『了解、ナビゲーションスタートします』


自前のライトで鏡花の作った地中を照らしながら明利のナビゲーションに従って移動を続けると数分で目的の教会の前までやってくる


後はそのまま侵入するだけである


「明利、教会にいる人間は何人だ?」


『今のところ感知できるのは二人です、周囲に人影もなし、いつでも行けます』


「よっしゃ、それじゃ不法侵入しましょうか」


ここからはしゃべることもできなくなるだろうから、あらかじめ用意しておいたイヤホンと無線を接続し、極力音が出ないようにする


「明利、これから侵入する、地図の番号順にナビゲートしてくれ」


『了解・・・二人とも頑張ってね』


明利からの激励を受けながら静希が自分の時計を確認すると時刻は深夜一時五十分


大体スケジュール通りに動けているのを確認し、鏡花と視線を合わせて同時に頷く


指紋も残さないようにゴムの手袋をつけ、髪の毛が落ちないように帽子で覆い隠す


靴についていた土や泥なども鏡花の能力で完璧に除去してもらい、侵入の準備は整った


ゆっくりと地上に上がっていき、教会の壁に穴をあけて難なく中へと侵入することができた


完全に明かりも落ちているためか、中はかなり暗い


もともと暗闇で目が慣れていたおかげか、窓から入るわずかな月明かりでも十分行動できる、そう判断し静希は一時的にライトを消した


『では一番の部屋へ、まずは右の通路へ向かってください、そこには今一人います』


事前に地図に番号を振り、その部屋へとナビゲートできるようにある程度のイメージトレーニングはしていたが、やはり実際の構造を前にすると多少手間取る


明利のナビが無ければ目的の場所にたどり着けていたか怪しいものだ


目的の部屋は鍵がかかっているらしく開かない、だがこちらには変換を得意とする鏡花がいるのだ、物理的な鍵などに意味はない


すぐに扉の鍵を解錠し、ゆっくり音をたてないように中に入るとそこには今日静希が見た巫女がいた


フードもかぶっておらず、その顔が明らかになるが、その様子が明らかにおかしいのだ


部屋はベッドもないような物置のような部屋だった、彼女の近くには今日彼女が着ていたフード付きの長いローブがあり、段ボールに背を預けるようにして眠っていた


神の意志を伝える巫女にしては随分と酷い扱いだ


鏡花は彼女を起こさないようにゆっくりと移動して、そこかしこに置いてある段ボールなどの中身を確認していくが、どれもたいしたものではない

その多くは近隣の住民からのお布施とお供えのようだった


主に野菜やら家具など、こんなところに置いておかれている巫女とは一体何なのだろうか


鏡花が物品を調べている間に、静希は眠っている巫女を起こさないようにゆっくりその顔を見ると、明らかに顔色が悪い、目元には黒ずんだ隈のようなものがあり、肌も髪も荒れている、お世辞にも健康状態が良いとは思えなかった


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