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J/53  作者: 池金啓太
十二話「夢か現かその光景を」

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女子の暴走

静希たちが部屋に引っこんでから数分後、明利は憤慨しながら女子四人でトランプに興じていた


「ひどいよね!いくら幼馴染でもさ、もう少し大人に見てくれてもいいよね!?」


珍しく静希に対して憤慨しながら明利は場にハートの四を置く


「まぁまぁ、あれで五十嵐なりにお前に気を使ったのかもしれないぞ?」


フォローしながらクローバーの六を場に置く石動は少しだけ動揺しているようだった


おとなしく小さな明利がこういった表情を見せるのは珍しかったのだろう


「明利の気持ちも分からなくもないけど・・・そんなに怒ることかしら」


同じくこんなに憤慨している明利を見るのは初めてといった表情をしている鏡花、場にある捨て札をスペードの八で一掃して新しくクローバーの三を置く


「静からすれば明ちゃんは完全に保護対象だからね、ちょい過保護すぎるかもしれないけど、まぁそれも愛っしょ」


適当なことを言いながらクローバーの五を捨てる雪奈をじろりと見ながら明利はそこにダイヤの七を置く


「それでもさ、もうちょっと大人に見てほしいよ・・・もう高校生なのに扱いが小学生の時から変わらないんだもん」


その言葉に大富豪をしていた全員が納得する


要するに明利は対等に見てもらいたいというよりかは、女としてみてもらいたいのだ


今明利は静希から完全に幼馴染で小さい子くらいにしか思われていないと感じているのだろう


まぁその認識は八割五分くらい当たっている


誰かを守ることが苦手な静希にとって明利はひどく珍しい庇護対象だ


そういう意味ではとても貴重で特別な存在なのだが、明利は全く別の意味でとらえているようだった


「じゃあさ明ちゃん、いっそのこと夜這いでもかけてみれば?」


雪奈の思わぬ発言にその場にいた全員が噴き出す


いったい何を言い出すのかと思いながら全員で口元をぬぐいながら雪奈をにらむ


「雪奈さん、正気ですか?ていうか明利にそんなことさせる気ですか?」


「そもそも、今私たちは校外での活動中ですよ?しかも先生の目もある、そんな不純異性交遊を助長するようなことを・・・」


「だってさ、いくら静だって明ちゃんの裸を見て迫ってこられたらそれなりに男の子の反応するって!据え膳くわぬような男の子に育てた覚えはない!ちゃんともらってくれるって、明ちゃんの純潔!」


親指立てていっちゃいなよと朗らかに笑ってみせるのだがさすがの明利もこれはドン引きの様子だった


顔を赤くしながらひきつらせてしまっている、その様子から察するに多少想像してしまったのだろう、もじもじしながらもトランプを握りしめていた


「あ、でもさ、静希ってちゃんと反応するの?」


「ん?どゆこと?」


鏡花の言葉に首をかしげながら雪奈は疑問符を飛ばす


なんというかと一瞬言葉を濁らせるが鏡花は周囲の視線を確認しながら自分たちの胸部に目を向けた後、明利のそれに視線を合わせる


「私や雪奈さんのもそうだけど、あいつの同居人に一人すんごいのがいるでしょ?それでも平然としてられるあたり・・・静希ってちゃんと機能生きてるわけ?」


その言葉に静希の同居人こと悪魔のメフィストフェレスの存在を知っている明利と雪奈がはっとなる


そう、姉貴分である雪奈もそれなりに胸が大きいがそれ以上の猛者が静希の家には住んでいるのだ


悪魔メフィストフェレス


あの我儘ボディを目の前にしながらも平然と日々を過ごしている静希、そして近くには自らを主と慕う美人のメイドのような騎士もいる


間違いを起こさないのが不思議なレベルなのにメフィやオルビアからそういった話は聞かない


「むむむ・・・そういわれるとちょっと自信なくなってきた・・・よもやEDじゃあるまいな・・・」


「え?じゃ・・・じゃあ・・・静希君は子供作れないの・・・?」


「あ、いや、本人の名誉のために言っておくけど、確認したわけでもないし、そうと決まったわけでもないからね、そこまで深刻になられても困るわよ」


明らかに声を震わせている明利に鏡花は一応フォローを入れるのだが、あれだけの美女と一緒にいて性欲が爆発しないのは高校生として正しい姿だろうかと気になってしまう


男子の事情はよく知らないが、男子はそれなりに発散しなければ「溜まる」らしいということは知っていた


故に静希もどこかしらで発散しなくてはならないだろうが、あいにく彼の家には人外たちがはびこっている、そんな中で悠々と発散できるかは微妙なところである


「これは早急に確認するべきかもしれんよ?しっかり確認しないともしかしたら将来にかかわるかも・・・」


「そ、そうですよね・・・いざというときに困りますもんね」


明らかに暴走し始めている雪奈と明利に鏡花と石動は大きくため息をつきながらどうやってこの二人を止めたものかなと考えを始めていた


自分から振った話とはいえ、まさかこんなことになるとは思っていなかっただけに大誤算だ


静希に悪いことをしたなと思いながら鏡花は場に切り札であるジョーカーを置いた


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