表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
J/53  作者: 池金啓太
十一話「舞い込む誰かと連れ込む誰か」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

405/1032

思春期

「ねえ明利、こういう栄養チェックってあいつらにもやってあげてるの?」


「え?ううん、雪奈さんにはやってあげたことはあるけど静希君達にはやったことないよ」


「え?なんで!?」


むしろ明利は静希のチェックを積極的にやっている物だとばかり思ったのだが当てが外れた


いや、明利の性格からして積極的にというのは無理かと今更ながら自分の考え方を否定する


だがそれにしても長い付き合いである静希や陽太にこういった同調を行っていないというのは意外だった


「なんでやってあげないの?足りない栄養あれば教えてあげられるじゃない」


「えと・・・その・・・ど、同調するとね、その人の身体の事とかいろいろわかるんだけど・・・」


明利は顔を赤くしてちらちらと襖の向こう側にいるであろう静希達の方を気にしている


明利の同調は精度が高い、先ほどの内容からもわかるようにそれなり以上の内容のことが分かることは判明している


だからこそやってやるべきではないのではないかと思うのだがどうもそういう訳にもいかないようだった


「なによ、なんかやっちゃいけないわけでもあるの?」


「えと・・・その人の身体のことがほとんどわかっちゃうから・・・その・・・」


何度か言葉を濁していたのだが、明利は意を決したのか顔を真っ赤にして口にしだす


「その・・・男の子の・・・が、わかっちゃう・・・から、あまり詳しくは同調したくなくて・・・」


「・・・あー・・・」


明利は女の子だ


昔から一緒にいたとはいえ静希や陽太は男、その男の身体を詳しく知るからには当然男性の生殖器なども完全に理解できてしまう


明利は初心だ


静希に好意を寄せているくせにそれを素直に伝えられない、臆病な性格というのもあるのだろうが、基本相手の裸などを直視できるような性格はしていない


そのように考えが至った時、今自分がやっていたのはセクハラの類ではないだろうかと自覚してしまう


「ごめん、ちょっと無神経だったわ・・・」


「う、ううん、大丈夫だよ」


大丈夫という割に明利の顔は赤い


猥談などするつもりは毛頭なかったのだが妙な方向に話が進んでしまった


この場に雪奈がいれば思わず明利に抱きついてまさぐっていただろう、鏡花だって目の前で僅かに震えながら顔を赤くしている明利をいじりたくなるほどだ


「あれ?でも明利って今まで静希達に同調ってしたことあるわよね?」


「うん、何度か傷を治す時に同調はしてるよ、でも負傷個所に集中してるからそっちの方には意識が向かない・・・んだけど・・・」


だけどと言葉を濁して明利はまた顔を赤くする


「その・・・一度だけ・・・そういうふうに同調したことがあって・・・」


「・・・ほほう?」


明利の言葉に鏡花はにやりと笑う


これは面白い内容の話が聞けそうだと


思えば今まで明利といろんな話をしてきたが下品な方向というかこういった性に対する話はしてこなかったように思える


ある意味いい機会かもしれないなと鏡花は笑いながら話を先に進ませようとする


「それって何時の話?最近じゃないわよね?」


「うん、私達が小学校の高学年くらいの時かな・・・保健体育の授業で・・・その、子供の作り方をやった時にね、実際にどんなものかイメージしにくくて静希君に頼んで同調させてもらったんだけど・・・」


女性の身体については自らの肉体に同調をかけて知ることができるが男性の場合はそうはいかない


一番身近な父親は仕事もあるために夜遅い


生物の分野に対して探究心の塊だった明利は何の疑問も変わったこともなく、学校の宿題を教えてもらうような気軽さで静希に頼んだ


そして静希も特に気にせずにそれを快諾、今になって思えばそれが間違いだったのだ


「それで・・・見ちゃったのね?」


「うん・・・本当にびっくりしたよ・・・」


性教育は基本的に衝撃的な印象を与えることが多い、だが明利のそれは通常の物よりも何倍も大きい


何せ同調の能力によって写真などよりも鮮明に実物を感じ取ることができるのだから


一歩間違えればトラウマになりかねないレベルである


「ねえ、それってどんな感じだった?」


「え!?ど、どんなって・・・?」


「いろいろあるでしょ?大きかったとか小さかったとか」


「わ、分かんないよ!静希君以外で詳しく同調したことなんてないし!」


明利は顔を真っ赤にしてあわてだすが鏡花は止まらない


こういった話をできるのは数が限られる、特に保護監督役である静希と捕食者である雪奈がいない今こそこういった下卑た話ができる唯一のチャンスといってもいいだろう


「なんかないの?同調したときこういうふうに感じたとか」


「えっと・・・んと・・・お腹の下のあたりがキューってなった・・・」


「・・・あんたそれって・・・」


「・・・お願いだから言わないで・・・」


自分で口にしておいて明利の顔は火が出そうなほどに赤くなってしまっている


流石にいじりすぎたかと反省しながら鏡花はとりあえず明利の頭を撫でることにした


一周年めがけて何かやろうと思ってとりあえず絵をかこうとした


書いてみた→ほかの絵師さんを見てみる→自分の下手さにびっくりする


今こんな状況です


絵はあきらめたほうがいいかもしれん、そうなるとおまけ小説でも書くかという形になりそうです


これからもお楽しみいただければ幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ