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J/53  作者: 池金啓太
一話 「引き出し」
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相性

九月だというのに暑さが続きます


クーラー付けないのはきびしいのぜ


お楽しみいただければ幸いです

「なら」


と思っていたが、どうやら甘かったようだ


「なら見せてみなさいよ、あんたの能力みたうえで判断してあげるわ」


「あぁ?」


せっかく状況を変えられたと思っていたのにこれではさらにヒートアップされかねない、何よりこんな人の多い場所で陽太の能力を使わせてはいけない


「し、清水さん、ここじゃダメ・・・だよ」


明らかに喧嘩腰になっている二人におびえてしまっている明利では止められない、自分で動くしかない、静希はああもうと悪態をついて二人の間に入る


「いい加減にしろ清水、いいすぎだ。これ以上挑発するな」


「・・・」


「陽太も、いちいち反応するな、んなこと言われ慣れてるだろ」


「・・・ちっ」


どうにも二人とも納得がいっていない様子だ、だけどこのままじゃこの場がどうなるやらわかったもんじゃない、一度本気でぶつかりあった方が後腐れなくなるんだろうが時と場所が悪すぎる


「じゃあこうしよう、今日の演習、たぶん初日だから軽い能力発動だけだろうからその後アリーナか演習場でお互いに喧嘩でも何でも好きにしろ、でもこの場は収めろ」


二人ともまだ言い足りないのかそれとも納得していないのか不満そうな顔は変わらない


だがさすがに周囲の目が気になったのか陽太は購買へ、鏡花はその場にとどまり陽太を睨み続けていた


「明利、清水のこと頼んだぞ、俺はあっちフォローしてくる」


「う、うん、頑張る」


小声で会話して静希は陽太を追いかける


「何でいつもみたいに受け流さなかったんだ?」


「・・・」


努力しないから、それは制御がおろそかになっている陽太はいつも言われてきた言葉だ、教師にも親にも言われてきた言葉だ、今更クラスメート一人に言われたからといってあそこまで感情的になるのは珍しい


「あいつの結果見ただろ?」


「ん、SとAしかなかったな」


あれほどの好成績は一年にしては珍しい値だ、能力の制御を小学生で、中学生からは基礎能力と精神力を鍛え高校生以上で応用を覚えていくものだ


静希は能力が弱すぎるため幼いころから基礎能力を鍛えながら応用も高めようと必死だったが、結果は制御と精神力と操作性が上昇しただけ、基礎能力も応用能力もさっぱりだった


基礎能力も高く応用性もあり操作性にも優れ制御率も高く精神力も高い


「きっとああいうのを天才っていうんだろうな」


落ちこぼれ、自分で言っておきながらそのことを気にしているのか陽太はため息をつく


「なんかむかついたんだ、叱られるのは別にいいよ、注意されるのだって慣れてる、見下されるのだって珍しくないけど、知りもしないのにああまで言われちゃ引き下がれないだろ」


ふむ、と鼻を鳴らすが静希もそこまで状況を理解できたわけでも同意できたわけでもない


何とはなしに腹が立った、あれだけのことを言われているのだ腹が立つのは道理が通っている、だがなぜそこまで腹が立つのかがわからない


「でもあんな睨むことなかったろ、相手はこっちに来たばっかの転入生だぞ、もう少し心広く」


「わかってんよ、わかってんだけど・・・なんか相性が悪い」


「相性?」


陽太に対して相性が悪い人は何人かいる、明るすぎるのがダメだったり、とにかくバカが嫌いだったり、だが陽太が相性が悪いという相手は珍しい、たいていの人間とはすぐ打ち解けるのに


「なんかこう、なんていえばいいのかな、むかついた」


なんとも要領を得ない、漠然とし過ぎていて感想の持ちようがなかった


「初対面から?」


「いや、さっきの会話中、外見は別に嫌いじゃないから、性格だろうな、あの性格は好きになれない・・・あー思い出したらいらいらしてきた」


断続的に熱を周囲に吐きだすその姿は蒸気機関車のようだ、排熱機関が備わっているだけましというものだろうか


どちらにせよ陽太の方は後には引けないようだった


話を先に作っちゃってあるだけに切るのが難しいです



楽しんでいただければ以下略

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