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J/53  作者: 池金啓太
九話「悪魔と踊る異国のワルツ」

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chase run

相手も少しは抵抗するのだろうか能力を発動しようとした瞬間遠くから列車の音が聞こえる、先ほどとは逆、反対車線のようだった


この状態を続けても害がない列車であるためまったく列車に対して警戒していなかったのに静希は次の瞬間驚愕する


すぐ目の前に列車が迫ってきていた


反対車線からの列車のはずが眼前に迫る列車に静希は大野を掴んで即座にエドモンド達のいる空白のスペースへと跳躍する


だがエドモンドとヴァラファールは逆に列車に向けて跳躍した


気でも狂ったかと目を見開くがその列車はエドモンド達に触れることなくすり抜け、数秒後に消えてしまう


そして静希が地面に着地するとほぼ同時に反対車線のレールの上を列車が通過しエドモンドとヴァラファールはその側壁に掴まり高速で移動していった


「なんだ今の・・・能力か!?」


「幻覚・・・?発現系統か!やられた!」


理解が追い付くよりも早くメフィは狙いを定めるが高速で移動していく二人には届くはずもなかった


エドモンドに対しての警戒は高かった、だがまったく警戒していなかった列車を利用された


「シズキ!逃がしちゃうわよ!?」


「わかってる!逃がすかよ!」


即座にメフィをトランプにしまい、入れ違いにフィアをトランプの中から取り出し能力を使用させ巨大な獣を顕現させる


大野と共にまたがって静希達も高速で移動を開始する


電車に掴まるエドモンド達の速度は速い、だが静希の使い魔フィアの全速力なら追いつくことは難しくとも引き離されることは無い


「五十嵐君!この先には駅があるよ!一般人を巻き込む訳には」


「巻き込む前に追いまわします!それに駅付近には能力者の探知がある!」


静希の狙いはエドモンドを地上へと追い立てることと何とか部隊への連絡をつける事


静希の携帯は海外では使い物にならない、大野の携帯なら使えるのだがここは地下、ならば駅方面まで追いまわして能力者に感知させ露見させる以外に方法は無い


多少危険になるかもしれないが電車が停止しようと減速する間に追いつける


静希の狙い通り、エドモンドは減速した電車から離れ静希のフィアと同じように高速で移動を開始する


そして駅のホームで電車を待つ一般人の間を縫うように高速で地上へと駆け上がっていく


逃げ場のない地下より地上の方が幾分かましだと判断したのだろう、その判断は正しい


地下鉄を延々と走りまわっていては部隊を配置するだけの予測をされやすくなるが地上ならいくらでも移動できる上に行動の予測はされにくい


突然大きな獣が通り過ぎたことに驚く一般人をよそに静希も同じように高速で駆け抜けていく


二度も大型の獣が移動していく様を見て驚き目を見開く間に静希達はすでに階段を駆け上がり地上へと躍り出ていた


視界の隅に移動していく悪魔の影を目ざとくとらえフィアは駆けだす


「大野さん!小岩さんに連絡できますか!?」


「あ、あぁ!今すぐ連絡する!」


携帯で即座に小岩に連絡をしたのだが向こうは向こうで騒ぎになっているようだ


何せ悪魔が発見されているのだ、それも当然だがそのことはすでに静希達は知っている上にそれを追っている立場だ


車や一般人をよけながら高速で移動するのもなかなか神経を使う、このような状態で移動するのも長くは続かないだろう


「大野さん携帯貸して!」


「え!?ちょっ!?」


大野から携帯を奪い取り静希は耳に当て電話の向こうにいる小岩に向けて叫ぶ


「小岩さん!五十嵐です!今悪魔を追跡中です!」


『え!?今!?ちょっと待ってどこにいるの!?』


どこにいるのと言われても静希はこの町いやこの国に対しての土地勘はゼロだ、周囲を見渡しても一体どこなのかさっぱり理解できない


「っと・・・今A1211ってのが見えた!たぶん道の名前か何かです!」


一瞬だけとらえられた標識に書かれた文字を読むと即座に小岩が近くにいるであろうニコラスにその事を伝える


これで他の誰もいない状況であれば即座にメフィを出して攻撃するところなのだがいかんせん人が多すぎる


高速で移動しているためにほとんど人には見られていないものの一般人を巻き込む訳にはいかない、静希に今できるのは部隊とエドモンドを遭遇させることだけだ


「これから大野さんに出来る限り場所を知らせてもらいますから!俺達の移動ルートから行き先を予測して部隊を待機させておいてください!」


『え!?ちょっと待って!』


「大野さんよろしくお願いします!」


「えええ!?」


大野に携帯を返し静希はフィアと共に悪魔に意識を集中する


ただでさえ追うのは慣れていないのに周りに障害物が多すぎる


建物を壊さないように人を傷つけないように壁や地面を蹴りながら悪魔を追いたてていく


フィアだけでは移動するだけしかできない、静希はこの高速の中どこを足場にするべきかなど的確に指示を出し続けていた


そして大野は静希の後ろで現在地点を大まかながらに小岩に伝え続けている


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