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J/53  作者: 池金啓太
八話「私の声が届く理由」

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プレゼント

「あいつ、俺らの後輩になるかな?」


「後輩って・・・あの子見たとこ三、四歳よ?後十年はかかるわよ」


「どちらにしろ、新しい能力者の誕生ってわけか」


数十分後、その場にやってきた委員会の人間に二人の身柄を預け、三人が緊急的に能力を使用した事を告げ、自分達の所属を告げた後解放されることとなる


事後報告になったとはいえ建物の中で危険な能力を使用したのだ、反省文は無いにしろ城島の多少の小言は免れないだろう


その日は結局城島に今回の事を報告したり能力使用の報告書を作成したりと面倒な作業をしている間に終わってしまった


本来の目的である明利の誕生日プレゼントを購入できただけよしとしよう


そして明利の誕生日当日、静希は雪奈とともに明利の家にやってきていた


幹原と書かれた一軒家、二階建のシンプルな構造だが庭もあり、なかなか広い


静希がここに来るのはいつぶりだろうか


「静希君、雪奈さんいらっしゃい」


インターフォンを押して少し待つと中から本日の主賓の明利が出迎えてくれる


「明ちゃん、誕生日おめでとう、これで結婚のできる年だねえ!」


「あ、ありがとうございます」


いつものように明利に抱きつく雪奈だが、明利も今日ばかりはまんざらでもないようだった


自分の誕生日を祝ってくれているのだ、当然と言えば当然かもしれない


「陽太と鏡花は?」


「二人とももう来てるよ、さああがって」


家の中に入りリビングに向かうと菓子をつまみながら談笑している陽太と鏡花の姿を見つけることができる


「お、ようやく来たな」


「私達の方が早いなんて珍しいじゃない、なんかあったの?」


二人も静希達に気付いたのか話を中断して静希達の方を見る


「あぁ、雪姉起こしてたら遅くなってな」


「いやぁ・・・面目ない」


誰よりも早く明利のプレゼントを確保していたというのに誰よりも起きるのが遅かったというのはさすがにどうなのだろうかと思うところもあるが、この場はあまり追及はしないでおこう


「今日はみんなありがとうね、明利の為に集まってくれて」


キッチンから現れたのは物腰柔らかそうな女性、名は幹原雫、明利の母親だ


「あ、そうだおばさん、うちの親からこれが送られてきたんで、良かったらどうぞ」


「あら、ありがとうね、あとでお礼の電話しておかなきゃ」


朗らかに笑うところは明利そっくりだ、そして身長が低いところもそっくりだ


「よしよし、それじゃ全員そろったし、プレゼントタイムといこうか」


懐から包装された箱を取り出しながらにやつく雪奈に苦笑しながら静希達もプレゼントを取り出す


「ハッピーバースデー!ディア明ちゃん!大事にしてね」


「同じく誕生日おめでとう」


「はいこれ、ちゃんと使ってね」


「ほい、大事に育ててくれよ」


「皆ありがとう、開けていい?」


包装を丁寧に開け、最初にその姿を現したのは雪奈のプレゼント


出てきたのは鋭く光る刃物、包丁だった


「私のプレゼントはマイ包丁!切れ味抜群保証付き!これで沢山料理作っておくれ」


「わぁ・・・!ありがとうございます!」


料理が好きな明利にはとてもうれしいプレゼントだろう、しかもそこらで売っているような安い包丁ではないことがうかがえる


続いて開けられたのは陽太のプレゼント


陽太曰く骨のあるサボテン


「サボテンだ、私サボテンって育てたことないな」


「大事にでっかく育ててくれよ、期待してるぞ」


ああいうインテリアのサボテンは大きく育つのだろうかと一瞬疑問を抱いたのだがここはスルーしておこう、明利も嬉しそうなことだし


次に開けたのは鏡花のプレゼント、中から出てきたいくつかの物品を前に明利は目を白黒させていた


「これは?」


「制汗剤とか、軽い香水みたいなものよ、夏場だと汗の匂いが付くからね・・・それに静希の近くで汗の香りさせるのも恥ずかしいでしょ?」


最後の方を耳元で小さく呟くと、明利は恥ずかしそうに小さくうなずく


最後に開けるのは静希のプレゼント、包装を開けると中から出てきたチョーカーに明利は再度目を白黒させる


「静希君、これなに?」


「チョーカーだよ、貴金属じゃなくてこういうのならお前も付けやすいと思ってな」


明利の手からチョーカーを受け取り、背後に回ってその首にチョーカーをとり付ける


長さを調節しぴったり明利の首に吸いつくようにすると周囲から僅かなため息が漏れる


「いいじゃん、似合ってるよ明ちゃん!」


「そ、そうですか?」


明利は嬉しそうにチョーカーにしきりに触れている


どうやら喜んでもらえたようだと静希は安堵のため息をつく


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