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J/53  作者: 池金啓太
七話「有無にこだわる自尊心」

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悪魔の脅迫

「確かに、こんな奴らの言うことを聞くのはしゃくね・・・そうだ!この場にいる全員の名前、分かってるんでしょ?」


「なにを突然、来賓の情報は全て記録してあるが」


城島の言葉にメフィは嬉しそうに周囲を見渡す


「ここにいる全員、聞きなさい、これから私のシズキに誰かの策略という形で実習などを持ち込んだ場合、そしてその形跡やその証拠が見つかった場合、私が責任もってそいつをこの世から消しに行くわ」


「ちょっ!メフィ!?」


突然の悪魔の発言にその場にいる全員がどよめく


「だってそうでしょ?私のシズキをいいように使おうとするなんて、私が許さないわ、そういう証拠貴女ならつかめるでしょ?」


「・・・時間はかかるかも知れないが、ある程度なら」


「欠片でも見つかれば十分よ、疑わしきは殺せ、関わったと思われる人物もみんな殺せば済む話だもの」


「そ、そんなことをしてただで済むと思っているのか?!」


教師の一人が声を上げるがメフィはふわふわ浮きながら笑い始める


「ただで済まないなら、どうなるの?シズキを退学にでもするつもり?それとも家族を人質にでも取るのかしら?さっきのを見ていなかったの?私はシズキ以外どうでもいいの、シズキに近づく敵は全て殺す、シズキに害を与えようとする者も殺す、シズキを利用しようとする者も殺す、だからせいぜいおとなしくしていなさい?」


殺されたくないでしょう?と歪んだ笑みを見せ静希の首めがけ抱きつく


その場はすっかり恐怖に支配されてしまっている


恐怖の根源はメフィだ


すでに目を合わせないように全員がそっぽを向いている


「さぁ、お話も終わったわね、たまにはこういう解決法もいいでしょ?」


「強引過ぎだ・・・全員青ざめちゃってるじゃんか・・・」


城島は少しだけほっとしたようだったがそれでも大きな面倒事を抱え込んだことに変わりはない


きっとこれから面倒事が起こる


そう確信しながら静希は正座状態のままうなだれ、メフィをトランプの中に収容した


「とにかく空港方面に退避した生徒達を呼び戻しましょう、形式上しっかりと交流会は終わらせなくては」


「そうですね、連絡しておきましょう」


教師の誰か知らないが向こうに逃げた人に連絡をつけると一時間ほどして避難した生徒と来賓はこの会場に戻ってくる


そして犯人達が縛られている状況を見て安堵の表情を浮かべていた


同時に静希達が部屋の隅で正座させられているのを不思議そうに眺めていた


『えぇ、それでは、トラブルもありましたがこれにて今年の前期交流会を終了したいと思います、皆様お気をつけてお帰り下さい』


二、三お偉いさんの長い話があった後の司会の言葉に全員がホッとしてその場を後にしようとする中静希達も痺れる足に鞭打って立ち上がろうとしていたがなかなか思うように動かなかった


「せ、先生、足が、足が動かないっす!」


「あぁ?それはいいことだ、お前達は厄介の種だからこのままここにいてもいいかもな」


「そ、そんな殺生な・・・!」


痺れる足を引きずりながらも何とか移動する生徒達についていこうとするのだが静希、陽太、明利、雪奈の正座慣れしていない四人は思うように動けなくなってしまっている


「しょうがない、静、フィアちゃんに乗って移動しようよ、それなら確実だ」


「こんなたくさん人がいる中でフィアを出したらなに言われるか分からないだろ?頑張るしかないんだよ」


「ううぁああ・・・静希君、待って・・・」


「明利!急げ!置いてかれるぞ!」


生徒の中でやたらせっぱつまっている四人を見て事情を知らない生徒は笑って見ているが半数の事情を知っている生徒は複雑な顔をしていた


「五十嵐・・・お前達何をしているんだ?」


そんな事情を知らない生徒の中に石動達もいた


まともに動ける生徒の中で移動中の護衛として同伴した中に石動の班も含まれたのだ


「おぉ、石動、手を貸してくれ!足がしびれて上手く動けないんだ・・・!」


「それは構わないが・・・一体何をやったんだ?ずっと正座させられていたが」


「得も言われぬ事情があったんだ・・・深くは聞いてくれるな」


石動とそのチームメイトに肩を借り何とか静希達は他の生徒達に遅れることなく港の方まで移動することができる


来る時にも乗った船に全員が乗り込み、会場となった孤島を後にする


「なんだお前達、間にあったのか」


「先生、頑張ったんだからもうちょっとなんかこうあってもいいんじゃないですか?」


城島の冷徹な一言に何とか反論する鏡花だが、担任教師の目は冷たいままである


それはもはや生徒を見る目じゃない


「はは、面白い事を言うじゃないか、頑張りが+七点、やらかしたのが-五十点だ評価は最悪だぞ?」


笑っているのだがその眼は笑っていない、静希達はしびれた足をマッサージしながら何とか動くようにしようとしているのだがちょいちょいと城島が痺れた足を攻撃してくるせいでまともに行動できるようになるまで数十分を要した


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