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J/53  作者: 池金啓太
七話「有無にこだわる自尊心」

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表彰

静希達の写真が流されたのは投影が始まってから数分後


部屋で作戦会議しているところや山に行軍しているところが映し出されているのだが戦闘シーンはなかった


エルフの少女やら悪魔や神格などは公開できないのはわかるのだがザリガニくらいは映してくれてもいいのではないかと思う


「俺らの写真地味だったなぁ」


「仕方ないよ、公開できない内容多かったし」


「ザリガニがカットされたのはなんでだ?」


「倒す方法がまずかったかしら?」


「ま、なんにせよ変な写真なくてよかったよ」


「響の落書きの写真がなかったのが残念だがな」


二回の校外実習であった陽太の顔面自由帳企画


今回の交流会で流せば陽太も立派な有名人になれるかと思ったのだがどうやらそのようなことにはなりそうになかった


『ではここで各賞の発表に移りたいと思います』


一通りの班の写真の公開が終わったのか、司会役の教師がマイク越しに進行すると暗かった部屋が徐々に明るくなっていく


「先生、賞って何ですか?」


「お前たちの評価にもあっただろう?『能力使用適正』『対応力』『思考力』『意外性』『精神安定性』『連携・協力性』などの項目、そのトップに与えられる賞だ、Sでも獲れないことはあるがな」


「へえ、私達結構Sあったけど、どうなのかしら?」


静希達の班評価は『能力使用適正』A『対応力』A『思考力』S『意外性』S『精神安定性』A『連携・協力性』Sである


思考力、意外性、連携などの項目でトップを狙えると考えていいかもしれない


『ではまず能力使用適性の最高点を記録したのは・・・』


ドラムロールとともに辺りが暗くなってライトが明滅する


無駄でありきたりな演出だが雰囲気は出るかもしれない


『楽導学園F組6班!』


恐らくその班のものだろうか、「よっしゃあ」という声があたりに響き会場にいる全員から惜しみない拍手が送られる


『彼らは地質調査の同行において非常に優秀な成績を残し、この賞を得ました、班の代表者は壇上へどうぞ』


班長と思わしき人物が壇上に上げられ再度ドラムロールが始まる


『続いて対応力最高点は、士努学園A組2班』


次々と優秀な班の象徴である賞が与えられていく中、静希達の名前はなかなか呼ばれない


最後に連携協力性を残して発表を待つことになった


『最後に連携、協力性の最高点は、喜吉学園B組一班』


「おおぉぉぉぉ!」


「やったぁ!」


「イェイ!イェーイ!」


「ヘイヘーイ!」


鏡花と明利が抱きつき静希と陽太はハイタッチしあっている


『彼らは個々の能力を最大限に利用し完全奇形の討伐に成功、一年のこの時期での完全奇形討伐成功は極めて異例であるとされます、代表者の方壇上へどうぞ』


鏡花が壇上へ上がり、賞が授与される瞬間、画面に静希達がザリガニ討伐時に撮影した写真が映し出される


そのザリガニの大きさにその場にいた全員が驚きの声をあげていた


ザリガニの写真を載せなかったのは驚きを大きくするためなのだろう


先ほどまでは壇上の生徒に集中していた視線が今度は静希達に集まる


『では各班の皆さまに拍手をお願いします』


司会の言葉とともに会場が拍手で包まれる


戻ってきた鏡花と全員でハイタッチして受賞を喜び合っていた


「連携部門でトップか、これからが楽しみだな」


「まったくだね、これからも精進するんだよ?」


二年生二人からも賛辞が贈られる中、明利が何かに気付く


全員が笑い合っている中一人窓の外を見つめていた


「どうした明利?」


「・・・誰か来る」


「?警備の人か?」


明利は集中しだし、森に大量に撒かれた種から周囲の情報を索敵する


「どうした幹原」


「・・・たくさん人が来ます・・・海の方から・・・広がって・・・」


その言葉を聞いて城島は無線を取り出す


「こちら喜吉学園の城島、近辺の森の中の索敵を行え、侵入者の可能性大だ」


「明利、数は?」


「・・・見えるだけで・・・十七人・・・皆黒い服着て・・・何か持ってる」


「熊田先輩、索敵できないですか?」


「幹原、目標までの距離はわかるか?」


「だいたい三キロくらいです」


「距離があり過ぎるな・・・」


そしてこの情報がパーティーの主催者側にも回ったのか、司会者や教師陣が集まって会議を始めていた


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