表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
J/53  作者: 池金啓太
七話「有無にこだわる自尊心」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

271/1032

会場の孤島へ

静希達が甲板に出てみると進行方向の先に島のようなものが見えてくる


かなり大きいようで港のような施設もしっかり作られているようだった


着港して全員が下船する頃には辺りはすでに暗くなり始めており舗装された道路と周囲を覆う森がひしめいていた


「先生、ここ本当に会場なんですか?」


「もちろんだ、ここから先に行くと大きな洋館があってな、そこが会場だ」


「洋館・・・孤島・・・船・・・」


孤島の洋館、そして集まる政府関係者やどこかのお偉いさん


参加者の中に名探偵でもいれば確実に誰か死ぬなと全員が思った


「これで嵐が来るか船が勝手に出港したら連続殺人の始まりだな」


「テレビの見過ぎだよ・・・たぶん」


絶対にあり得ないと言えないところが悲しいところである


静希達の周りはもはや何が起こってもおかしくない


そんなことを話していると陽太がなにやら石ころを森の方に思い切り投げているのが見える


「何やってんだ?」


「いや森の中に何かあるかなと思って明利に探知してもらってんの」


孤島というワードに異様に警戒している鏡花と陽太は明利に協力を願い出て敵がいないかを感知してもらっているようだ


以前孤島でも行ったように種入りの小石を辺りにばらまいている


確かに警戒は大事だ、万が一にもここに奇形種がいないとも限らない


「それじゃあこの辺りの木もマーキングしておこうぜ、雪姉、投擲手伝ってくれ」


「あいあい、任せなさい」


なんだかんだで静希も警戒することに関しては賛成のようで着々と周囲の索敵を進めていく


後ろ向き方面に鍛えられすぎるのも考えものだと城島はため息をつく


「お前達もう少し素直に生きようとは思わないのか?」


「甘いっすよ先生、最初に警戒するのはマナーっすよ」


それは一体どこのマナーだろうかと不思議に思うのだが静希達が今まで行動してきた中で警戒が必要なかった場面はない


そう考えるとおかしい話ではないのではないかと思える


「やっぱ石を投げるだけだとまばらになっちゃって正確にはできないね・・・穴が結構あるよ」


さすがに入り口付近からの投擲だけでは限界がある


陽太も腕以外を能力による炎で覆い、強化状態にしてから投げているのだがどうしてもばらつきが出る


「じゃあ奥の方はフィアに頼むか、明利、種いくつかくれ」


トランプの中からペット兼使い魔の奇形種リスのフィアを登場させる


「フィア、この種を一定距離で置いといてくれ、終わったらあの洋館に集合だ」


静希の言葉を理解して口の中の頬袋に大量の種を詰め込んで森の中に走っていく


ちょうどその作業を終えたころに整列と人数確認が終了し移動を開始する


「そう言えば先生、士努と楽導の生徒は飛行機で来るんですよね?」


「あぁ、この島の反対側に離着陸用の滑走路がある、向こうから二校、こちらから二校、洋館へ向かうことになるな」


東西南北の専門校、その中の一年生クラス代表が集まる交流会


今更ながらとんでもないところにやってきてしまった物だとため息をつく


「俺ちょっと前まで落ちこぼれってバカにされてばっかだったのに何でこんなところに」


「いいじゃない、ちゃんとした評価をもらえてるんだから」


「ちゃんとした評価なのか?この場合俺じゃなくてこの中の奴らが評価されてる気がするよ」


静希からすればすごいのは静希ではなく悪魔と神格と霊装と使い魔であるという印象が強い


そもそも静希は能力的には昔から何一つ変わっていないのだ、評価がこんなに急に変わるはずがない


「お前はどちらかといえばデスクワーク派ではなく実戦派だったということだろう、テストの点数だけでは人の能力は測れないということだ」


「それはそうですけど・・・」


「熊田の言う通りだよ静、自信を持ちなさい、静はやればできる子!」


やればできる子というよりやる時は殺る子という印象が強まったんだけどと思う鏡花はさておいて静希達は数十分歩いて目的地の洋館にたどり着く


大きな門と外壁の中はかなり広い庭園が広がっており、噴水や手入れの行き届いた草木が目に入る


絵にかいたような洋館なのだが予想に反して綺麗だ


静希はてっきりツタや雑草などで荒れ放題の状態を想像していたのだが、いい意味で予想を裏切られたというところだろう


「明利、今フィアはどのあたりにいる?」


「洋館から一キロくらいの場所にいるよ、ちゃんと一定距離で種を置いてくれてる」


「よしよし、帰ってきたらご褒美やらにゃならんな」


しっかりと主の言うことを聞いてくれる使い魔


これほどうれしいものはない


オルビアもしっかりと静希に従ってくれるが動物に慕われるというのはまた別の嬉しさがある


洋館の扉を開き生徒が中に入ると全員が小さく驚きの声を上げた


以前イギリスで見たものとはまた違った内装で壁や天井に施された装飾は飾り気があまり強くなく質素なものが多い


壁には絵画や鹿などの剥製、廊下には鎧などが立ち並んでいる


これだけの物を集めるのにいったいどれくらいの金がかかったのかなどと邪推してしまう生徒が何人いるだろうか


諸事情にて予約投稿


反応が遅くなるかもしれませんがお許しください


これからもお楽しみいただければ幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ