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J/53  作者: 池金啓太
七話「有無にこだわる自尊心」

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海の上の稼ぎ頭

「にしても明利のそれ凄いな、一体何をどうしたらそうなるんだよ」


「え、えと、サイコロ転がしてたらいつの間にかこうなってて」


コインケースに大量のコインを入れ困っている明利、どうやら賭博の神は明利に祝福でも与えているのか、彼女にはそういう抜群の才覚があるようだった


「一時間で元手の約六倍・・・カジノコインの最低金額を一ドルとして百枚を約六百枚に、最初の百枚を借金して出したとしても五百枚分、今一ドル八十円くらいだから、つまり明利はこの一時間で約四万円稼いだことになるわね」


「時給四万・・・恐ろしいね、営業時間フルで稼いだら一体いくらになるのやら」


「ラスベガスのカジノは年中無休の二十四時間営業・・・仮に十二時間やったとしても四十八万・・・」


「日給四十八万・・・!?」


「毎日やったとして年収に直せば一億七千万以上」


計算を終えた全員が明利を見て驚愕の表情を浮かべる


年収一億を軽く超えるような人材がまさかこのようなところにいようとは


「お代官様、いやさ姫様、何なりとお申し付けくださいませ」


「我らどこまでも姫様に尽くしましょうぞ」


その場にいる全員が明利に向けて平伏しだす


先ほど城島によって戦争中で止められた妙な演技がまた始まりかけている


金で忠誠を誓うとは如何ともし難いがこの数値は確かに脅威だ


ビギナーズラックというのもあるだろうがこれがもし続くようなら偶然ではなく才能だ


「こうなってくると明利が賭け事できないのが残念ね、相当の稼ぎ頭になったかもしれないのに」


「賭け事なんて嫌だよ、こういうのはお金がかからないから面白いんだし」


「いやいや明ちゃん、だれしも楽してお金を稼ぎたいというのはあるでしょうに、その道はすでに閉ざされていようと、なんとか楽して、どうにか楽して、そう言う考えは誰にでもあるのだよ」


「お前が言うと説得力が違うな」


雪奈のダメ人間論はさておいて一通りカジノを楽しみ静希達は再度船内の探検を開始する


次に向かったのは高層にあるカフェだった


太陽が海の中に沈みつつある中、そのカフェはすでにいくつかのグループが菓子や茶を楽しみながら海と空しかない世界を眺めながら談笑している


「おぉ、結構いい景色だな」


「エディンバラの時に比べると臨場感に欠けるけど、いいものね」


「あれは小型だったからな、こっちは絵画を見てるみたいだ」


「ほとんど揺れないし、静かだね」


海外で見た海の景色とはまた違い、その場にではなくまるで遠くにあるかのように切り取られた海、そう言う印象を受けた


「そういや今日のご飯どうなるんだろ?何か聞いてる?」


「そう言えば聞いていないな、どうなるかもわからん、ある程度詰め込んでおくか」


「じゃあ何か頼みましょ、小腹がすいても嫌だし」


テーブル席に陣取り各自注文を済ませ手軽に食事を開始する


「それにしても今回の会場ってどこなんだ?結局教えてくれないし」


「まぁいつものことだけどな、雪姉とかは知らないのか?」


「ん?ひんひゃ、わはひはひほねんはひゅうひゅうはんひゃなはっはひ」


「雪奈さん・・・口からこぼれてます」


「口の中が空になってから話せ、みっともない」


「雪姉が知らないんじゃしょうがないか」


「今のわかったの?!」


直訳すれば『いんや、私たち去年は優秀班じゃなかったし』だ


長年の付き合いはだてではないといったところか


「熊田先輩は何か聞いてないですか?」


「んん、優秀班になった友人が言うには島一つ買い取った後どうにかして会場を建てたらしい、島に着いてからも随分移動したと言っていた」


「島かぁ、今回の目的地って島なんだ・・・」


島といわれて一年生が僅かにいやな顔をする


「いやでも今回はちゃんと人の手が入ってるだろうし、能力も使えるだろうから大丈夫だろ」


「そうだな、さすがに前みたいなのはごめんだ」


船といい孤島といい、静希は海に関してあまりいい思い出がない


眺めている分にはいいのだがその場に行ってまた同じ目に遭うかもしれないと思うと寒気がする


もちろんそんなことが起きるのは天文学的な確率であるというのは分かっているのだが、一発目でそれがあっただけに警戒の念は消えない


「ほいやは、ひふはひは」


「そろそろ飲み込めバカ姉」


静希の突き出した茶で口の中に入っていた菓子類を飲み込みようやくまともにしゃべれるようになる


なお先の言葉は『そういやさ、静達は』だ


「静達は海で泳いだことないんでしょ?」


雪奈の言葉に全員が頷く


プールでの水泳訓練や水中訓練は行ったが遊泳したことはない


「なら夏休み皆で海行かない?楽しいぞ?」


「雪奈さんは海で泳いだことあるんですか?」


「あるよ、実習で一度海に行ってね、その最中にちょいと」


おぉぉと熊田を除く全員が関心を向ける


全員泳ぐことはできるが海の中に入ったことなどほとんどない


当然興味もわくというものだ


誤字報告をいただいたので複数投稿


いかんね誤字が増えてきた


注意しなくては


これからもお楽しみいただければ幸いです

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