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J/53  作者: 池金啓太
七話「有無にこだわる自尊心」

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乗船、そして探検

「初めまして、浅野と同じ班で班長をやっている、柿崎徹だ」


「改めまして、浅野青葉です、よろしくお願いします」


「五十嵐静希です、深山雪奈の後輩で一年生です」


二人と握手したあと、頭を押さえてべそをかいている雪奈の頭を撫でながら何とか立たせるとまた犬猿の仲の二人は威嚇しだす


「この二人何でこんなに仲悪いんですか?」


「すまない、以前合同実習で一緒になったのだが、どうもその時から仲が悪くてな・・・」


以前聞いたことがある合同実習の時に一緒に行動したのが柿崎達の班だったという


そして雪奈が最悪だと語った人物がこの浅野青葉その人らしい


取っ組み合いのけんかを始めそうになった瞬間に両陣営保護者が首根っこを引っ張って無理矢理距離を作るが相変わらず威嚇と罵りあいを続けている


これではまるで犬だ


「この二人引き離した方がよさそうですね」


「そうだな、では失礼する、ほら行くぞ」


「まて!あいつと決着を付けるんだ!離せ!」


「やーい、バーカバーカ!」


「行くぞ、皆待ってる」


遠くに連れられて行く浅野を見送りながら静希も雪奈の首根っこを掴んだまま引きずっていく


これではどちらが年上かわかったものではない、手間がかかり過ぎてしまうこの姉貴分に静希は若干情けなさを覚えながらも班員の元へ連れ帰る


「どうしたの?何かもめてたみたいだけど」


「あぁ・・・なんていうか、合同実習の時の知り合いがいたみたいで」


それを聞くと熊田の表情が変わる


「ひょっとして浅野青葉か?」


「そうですけど、なにか?」


その表情は明らかに恐怖や驚きを含んだものだった


熊田がこういう顔をするのは非常に珍しい


「よくこいつと接触して血を見なかったものだ、機嫌でもよかったのか?」


「いいえ、めっちゃ喧嘩しそうだったんで止めました」


「止めたのか!?どうやって!?」


「どうやってって・・・普通に首根っこ掴んでこうやって」


先ほどのように雪奈の首を掴んで引っ張る


雪奈はもう抵抗する気も失せているのかなすがままにされている


その様子に熊田は感心してため息すらついてしまっている


「一度戦闘状態に入った深山を止めることはできないと思っていたんだが・・・ストッパーが優秀だとこうも違うのか」


「一体何があったんですか?」


「いや、知らない方がいいだろう」


熊田はそう言ったきりそっぽを向いてしまう


よほどのことがあったのだろう、額からは冷や汗が滲んでいる


「雪さん一体何したん?」


「何にも?いつものように戦っただけ」


「・・・戦った相手って?」


「・・・まぁそれはいいじゃない」


よくねえよと全員から突っ込みが入ったがこれ以上の追及は後回しにしておこう


すでに乗船が開始されており次々と生徒たちが船に乗り込んでいた


静希達の乗る船は以前乗ったものと違いかなり大きい


客船などと表現されるような大型のものだった


船に乗ること自体二度目なのにこんな大きなものに乗っていいのだろうかと疑問に思うがとりあえず静希達も乗り込み、まずは甲板に整列させられていた


全員の乗船が確認されたところで前に立った教師が声を上げる


「えー、喜吉、鳴哀両学園諸君、これから会場のある島へとこの船で移動する、各自自由行動だが自分達が学校の恥にならないように気を付けて行動するように」


最低限の挨拶と船長等の紹介があった後、静希達は自由行動という名目で解放されることとなる


どうやら西日本と東日本の二校だけ船での移動、東北、九州の二校は飛行機で直接会場へと向かうようだった


二校しかいないのはどういう訳だと思ったが、これから会場に行くにあたってさらに増えることになるらしい


ここまで大きな船は映像などでも見ることは少なく静希達は多少テンションが上がっていた


「とりあえずいろんなとこ行ってみるか、どこ行く?」


「映画館なんてのもあるのか・・・あ、遊技場もあるぞ」


「プールもあるわね、水着持ってくればよかったかな」


「食堂に、購買、カフェ、お店もいくつかあるみたいだね」


配られた船のパンフレットを見ながら静希達はとりあえずこの巨大な船の中を探検することにした


これほどまで大きな船に乗れることなどそうそうない


時間も限られている、善は急げ


静希達はとりあえず遊技場へと足を急がせた


誤字報告をいただいたので複数投稿


誤字が多いくなってきた、気をつけていこうと思います


これからもお楽しみいただければ幸いです

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