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J/53  作者: 池金啓太
六話「水に混ざる命の香り」

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使い魔

「おいメフィ、俺の聞き違いならそういってくれ、お前今使い魔とか言ったか?」


「えぇ言ったわ、さっきのリスはもう死んじゃってたから、貴方の使い魔に作り変えた、言いかえれば転生させたのよ、良かったわねシズキ、居候が増えたわよ」


自分の顔に嬉しそうに体をすりつけてくるリスを放置して静希は思考を停止させてしまう


明利はこのリスが助かれば何でもいいのか嬉しそうにリスの相手をして雪奈も嬉しそうにいじくりまわしている


「状況を整理しよう、メフィ、使い魔ってのはなんだ?」


「使い魔は使い魔よ?聞いたことない?魔法使いや悪魔が使役する召使みたいなものよ、本当は骨とか牙とか、鉱石とかから作るんだけどね」


「じゃあ次だ、お前はなんでこいつを俺の使い魔にした?」


「簡単よ、オルビアのせいで私の家の中での地位が揺るがされてばっかりだったから少しはシズキに貢献してあげたの、嬉しいでしょ?」


こんな状況で五十嵐家人外部門権力ピラミッドの心配をしているなんて本当にこの悪魔はなにを考えているのかわからなくなってくる


普段の生活を改めようとは思わないのだろうか


「なら次!使い魔なんてどうやって作った!?」


「あら、こんなの悪魔にとっては必須技能よ?貴方の血とこの子の身体を使って作ったわ」


ほとんどの回答が静希にとって望まない形で返されてくる


もう泣きたくなってきたと静希が顔を覆っているとリスが静希の頭に乗る


「じゃあこの子の名前も考えてあげなきゃね」


「なにがいいかなぁ」


女子二人にとってはすでにこのリスが静希のペット扱いになることが確定してしまっている


「じゃあ・・・こいつは普通のリスとして飼っていいのか?」


「大丈夫よ、ただ物を食べなくても貴方の身体から魔素を吸収するから実質なにもしなくても大丈夫よ」


「ちょっとまて、魔素を吸うってどういうことだ?」


今さりげなくとんでもないことを言っている気がする


「当然でしょ?使い魔は魔素で動くんだもの、この子の身体は今貴方の身体から僅かにだけど魔素を取りこんで動いてるのよ、さっきの血で貴方とリンクを作ったってわけ」


要するにオルビアが一人増えたと思えばいいのよと気楽に言っているが静希からすればそれは驚愕の事実だ


元より人間は魔素の吸収と使用はほぼ自動、勝手に身体が行う代謝のようなもの、常にマックスの状態が普通なのでどこかから魔素を取りだされればその分空気中から魔素を吸収する


今静希はオルビアとこのリスに魔素を僅かながら供給していることになり、その供給分常に空気中から魔素を取りこんでいることになる


「仮にこいつが能力使ったらどうなるんだ?」


「その分の魔素はこの子が自分で取り込むでしょ?貴方が供給するのはあくまでこの子が動くための量だけだから」


いわゆる契約の証みたいなものよと言ってメフィもリスの命名会議に参加しだしたが、静希はそれを許さずにトランプの中に収納してしまう


トランプの中で数分抗議の声が聞こえたが完全無視


鏡花の言う通りだった、面倒事だった


悪魔に神格に霊装に奇形種の使い魔


どんどん人外が静希の家に集まっていく


軽くめまいのようなものを覚えながら静希は会議中の女子二人からリスを取りあげて自分の頭にのせる


「静!今いいところなんだから邪魔すんなって!公太郎か大将か決めかねてるんだから!」


「それよりリクとかヒマとかのほうがリスっぽいですよ!」


「今は名前決めるのよりも探索が先!命は助かったんだから他の場所探すぞ!」


女子二人がえぇーとブーイングを飛ばしているが静希は完全無視


入ってきた扉から真直ぐ、先ほどいかなかった道へと向かう


扉を開くとそこは大きなロビーのような場所だった


そこから大きな扉があるのは見えるのだが封鎖されているようでこれ以上進むのは難しそうだが、受付のような場所があり、その先にまた小さな部屋があるのを見つける


「誰!?」


静希達の物音に反応して目の前に誰かが飛び出してくる


「なんだ静希じゃない、合流しちゃったのね」


そこにいたのは鏡花だった、そして何事かと部屋の奥から陽太と熊田も顔を出してくる


どうやら自分達よりも早くこの場所にたどり着いたらしい


「何かそっちは見つかったか?」


「今この施設の見取り図を見つけたところ、他にもいろいろありそうよ」


「つか静希、その頭のチビなんだ?」


目ざとく陽太が頭の上に乗っているリスもどきを見つけると鏡花もその存在に気付いたらしい


リスに視線を向けるとそのリスっぽくない外見に怪訝な表情をする


「あんたそれ、奇形種?」


「なんだけど・・・ちょっと面倒なことに・・・」


静希の言葉を聞いてやっぱりねとため息をつく


鏡花からすれば予感的中、結局面倒事を抱えることになった静希を正座させて説教が開始される


「だから面倒事の匂いがするって言ったじゃない、だいたいあんたは」


「おっしゃる通りです」


お気に入り登録件数600件突破したのでお祝い兼感謝をこめて複数投稿


今どれくらいの人が見てくれているのかわかりませんがこれからもがんばって投稿していこうと思います


これからもお楽しみいただければ幸いです


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