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J/53  作者: 池金啓太
一話 「引き出し」
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クラスの風景

二話目、というより一話をかなり分割したものを定期更新なので何とかそこら辺を編集しなきゃなとおもいます

黒く長い髪、鋭い眼光、すらりと伸びた手足、明利と違いまさに女の体形といった凹凸



「誰だあれ」

陽太がさっそくチェックを入れようとするが、静希にもわからない、明利に視線を回すが知らないようで首を横に振っていた


その少女は新学期初日にしてクラス中の注目を浴びていた


クラスの人間の反応を見るにどうやら全員知らないようだ


妙なざわつきがおさまる前に放送で入学式が行われる放送が流れる


全員がクラスから出ていく中、その少女も人ごみにまぎれてゆっくりと俺達の視界から消えて行った


この学園は言ってしまえば能力者が社会に出ていけるための教育を施すための施設のようなものだ

幼い子供が能力の制御法を学び、制御した能力の使用法や活用法を学び社会に活かす、それを学ぶ場所だ


無論能力者ばかりを集めているわけだから問題だって生じる、生徒との大規模な衝突だってある、そのために教師陣はほとんどが能力者であり、能力による制圧、戦闘を行える人物ばかりだ


いざという時の生徒に対しての抑止力となるように

長ったらしいお偉いさんの口上も終了しめでたく入学式を終え、静希たちは一年B組に帰ってきていた


「はい、これからお前達の指導をすることになったクラス担任城島美紀(じょうしまみき)だ、軍所属経験あり、能力は発現系統、よろしく」


きっちりとスーツを着こなした大人の女性、身長も高くスタイルもいい


なのに前髪で顔が隠れていてまったく見えない


「さ、見知った顔も多いかと思うけどちゃっちゃと自己紹介始めてしまえ、名前、能力系統、あとは趣味とか特技とか言っておきなさい」


妙に適当なこの先生、さっそく窓際のほうに椅子を用意して座り込んだ、教職免許の所持を疑いたくなる


能力系統とは大まかに区分された能力の種類のことである


何もない空間にある現象を発生させるのは『発現系統』


そこにある物質、現象を別の何かに変質するのは『変換系統』


物質をどこか別の場所に瞬間移動させるのは『転移系統』


物質を別の空間に保存、貯蓄できるのは『収納系統』


物質や道具に特殊な能力を与えることができるのは『付与系統』


物や性能を強くすることができるのは『強化系統』


今現在から見て未来の情報を知ることのできるのは『予知系統』


物や現象に自らを同調させ情報を得ることができるのは『同調系統』


大まかに分けてこの八つ


まだ他にも未解の能力は存在するが多くの能力者はこの系統のどこかに属しており、その能力を使役できる


五十音順に並べられた四十人の区切りで五十嵐の姓を持つ静希は比較的早く回ってくる


何名かの後にすぐ静希の番が回ってきた


「五十嵐静希、能力系統は収納、趣味は物を集めること、よろしく」


自己紹介が終わると同時に「よっ!引き出しー」と軽口が飛び交い、クラス中が一瞬笑いに包まれる


昔からこうだ、収納能力にしては少なすぎる容量から、皮肉を込めてつけられたあだ名が『引き出し』、ポケットよりは幾分ましなのですでに静希は諦めの境地である


そして順々に続いていく中、あの見たことのない少女の番となる


清水鏡花(しみずきょうか)、能力系統は変換、趣味は読書、よろしく」


ずいぶんと静かで澄んだ声をする、それほど声量を出していないはずなのにクラス中に届く声だ


「あー、補足しておくことが一つ、清水は親の都合で鳴哀学園からの転入生ってことになってる、仲よくしてやりなさい」


先生の補足説明にクラス中が「あぁなるほど」と納得する


鳴哀学園は喜吉学園と同じく能力者の専門学校、喜吉学園とは姉妹校に当たる学校だ


ほとんどが中学からのエスカレータ組の中で知らない人間がいたらなるほど転校生というわけだ


全員の自己紹介が終わったところでだるそうにしていた先生が重い腰を上げる


「さて、とりあえず連絡事項な、今日は能力値測定の後昼食、んで軽く演習があるから飯はあんま食うなよ吐くから、んじゃこのクラスは測定二番目だからそれまで自由」


この人はなんで教師になったのだろうかと問いただしたくなる姿勢だがもはや何も言うまい


さて一人約五分間隔で行われる能力値測定四人の医師が行うとして一人頭十人で約五十分はかかる計算、Aクラスが終わる直前あたりにはもう並んでいるとしても四十分、存外暇な時間ができてしまった


今回も短いですがこんなもので、だいたいワードの縦書き二枚分前後を乗せていくことになるのでかなり長期になるかも・・・


なにはともあれ楽しんでいただければ幸いです

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