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J/53  作者: 池金啓太
六話「水に混ざる命の香り」
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三度目の実習へ

彼らが準備を終え、週末の校外実習当日


もしかしたら晴れるかもという淡い期待を打ち砕き、天候は雨


校門前ではなく屋内運動場に全員集合していた


朝の七時、まだ学生が登校するには早すぎる時間帯だ


あたりは初回と同じように騒がしい


班で話し合ったり作戦を練ったり互いに鼓舞しあっている姿も少なくない


もちろんその中に静希達も含まれた


前回よりも少し多い荷物を持って集合している静希達は周囲に比べ浮かない顔をしている


その中で陽太の顔は特にひどい


「雨か・・・雨かぁ」


「もう過ぎたこと言ってもしょうがないでしょ、雨なら雨で何とかするしかないでしょうが」


陽太のコンディションは最悪、天候的にも地形的にもモチベーション的にも全くいい傾向が見られない


「だめだこりゃ、本格的に雪姉に頑張ってもらう事になるかも」


「ふふん、仕方がないなぁ、任せなさい」


仕方がないとか言っておきながら非常に機嫌がいい


雪奈は頼られるのが好きらしく先ほどから鼻歌など奏でながら長い革製のカバンに入れた刀にしきりに触れている


今回雪奈が用意した刃物は刀を含めて十本、内八本は静希が貸したナイフである


全員で何とか陽太のやる気を上げさせようとしているとスピーカーからハウリングが聞こえ全員の耳を強く刺激する


『えー、これより一学年第二回校外実習を開始する、担当指導官の指示に従って行動するように、なお雨が降っているため体調管理には常に気を配ること』


初回に比べ随分と適当になった気がするが状況開始の言葉とともに全員が気を引き締める


「よっしゃ、まずは移動するか」


「先生見つけなきゃな、どこほっつき歩いてんだか」


「ここほっつき歩いているが何か?」


陽太の背後にいつの間にか立っていた城島に全員が驚く


「先生、もう少し分かりやすい登場してくださいよ、心臓に悪いです」


「そんなこと言ってる暇あったら動け動け、時間は止まっちゃくれないぞ」


城島が手を叩いて静希達を急がせる


静希達はすぐに傘を差してまずは駅に向かい目的地を目指す


「今回はどれくらいかかるの?」


「今回は・・・電車移動とバスの移動、バスの方は一時間もしないけど電車が多いな・・・三時間ちょいかかる」


「うっへ、嫌になるな、暇つぶしたくさん持ってきてよかった」


「というか、何か遠いところばかり行ってる気がするんですけど、もっと近場なかったんですか?」


初回も前回も基本的に移動に非常に時間を取られたのを覚えている


最初はまだやることがあるからいいのだが途中からどうしてもダレてきてしまう


「問題が自分達の近くだけで起きるわけがないだろう、それに三学期になれば他校との合同実習だって割り当てられることがあるんだぞ、行動範囲はどんどん広くなる、この程度で根を上げてどうする」


「マジッすか!?他校と合同なんてあるんスか?」


城島の何気ない言葉に一番反応したのは陽太だ


そして静希と明利も耳を傾けている


この三人は喜吉学園以外の日本の専門学校の存在を知りながらも一度として交流などで触れ合う機会がなかった


鏡花は元より他校からの転校生の為それほど感慨深くないだろうが、三人にとっては未知の存在だった


「といっても合同任務が割り当てられるのはごく僅か、優秀な班かその任務に特化しているかのどちらかだ、深山達は過去合同実習経験済みだぞ」


「へえ、雪姉が優秀か・・・」


「な、なんだよ、そんなに見つめるな、照れるじゃないか」


疑いの目を向けていたのだが雪奈はどうやら羨望の眼差しと勘違いしたようだ


昔から雪奈を知る静希からすればこの人が優秀とは考えにくい


「その任務って奇形種討伐ですか?」


「その通りだが、良くわかったな」


「いえなんとなく」


雪奈が選ばれるとすれば城島の今までの口ぶりからして奇形種討伐あるいは害獣駆除と思ったが見事に的中したようだ


雪奈は一生徒として優秀とは言えない


状況判断や思考力、そして指揮能力、総合能力値


どれを見ても一流とはほど遠い


だが前衛能力者としての実力は並ぶ者さえいないだろうと確信できる


こと対生物の攻撃面に関しては随一といってもいいかもしれない


改めて自分はすごい人物を姉貴分としているのだなと眺めていると雪奈は恥ずかしそうに照れ始めてしまう


何かいろいろと勘違いしていそうだがここでは置いておこう


最近タグがこれであっているのかを悩み始めました


R15付けた方がいいのかとか・・・


加減がよくわかりませんね


これからもお楽しみいただければ幸いです

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