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J/53  作者: 池金啓太
四話「異国の置き去りの時間」

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僅かな別れ

静希達の案内された大学は非常に大きく、校舎だけで相当な広さがあった


校舎よりも演習場に土地を使う能力専門学校と違い、こちらは校舎や実験施設などに重きを置いているようで校舎を見て回るだけでも相当な時間を必要とした


とはいえハワード達もただの高校生、この校舎は何をするところか、どんな実験施設があるか


その程度の知識しかなく最も時間を割いたのは移動時間だった


校舎の端から別の校舎へ移動するだけで説明するより時間がかかるのだ


そして校舎自体が離れていることが多いため本当に時間がかかった


大学とは末恐ろしいところだと感心しながら静希達は大学を見て回っていた


中には静希達が見たことのないような巨大な施設と実験機材がある場所もあり非常に興味をそそられた


全ての案内を終え集合時間前にハワード達と一緒に駐車場に戻ってきていた


そこにはバスの前で待機する城島の姿がある


だるそうに書類に目を通しながら大きく欠伸している姿は教師とは思えない


「なんだお前ら、もう帰ってきたのか」


こちらに気付き交流相手の生徒がいるのにもかかわらずこのだるそうな姿勢を崩さないあたりさすがというべきだろうか


「なんだとはご挨拶ですね、言葉の壁を越えて交流してきたって言うのに」


「そうだ先生、明日の予定ってどうなってるんスか?交流としか聞かされてないっすよ」


「あぁ、そういえばそうだったな、何たいしたことじゃないやることは今日と同じだ、今度はこの街をこちらの学生に案内してもらう」


「あぁ、なるほど」


鏡花と同じく静希も納得する


今回の交流、どちらかというなら三日目の方が主な交流のようだ


交流一日目で学校を案内させてある程度互いを知ってから地元民である生徒にその土地を案内させる


観光の為にわざわざ教員が立ち回る必要もガイドを雇う必要もない、生徒間の交流も持てる上に経費も浮く


なんとも効率的である


そこに生徒の都合などを考慮していないあたり能力専門学校らしい


どんなことが起ころうと、その場で判断して対応する


そこに教師が関与しないのはどちらかというなら城島の思惑があるのではないかとさえ思える


「そういうことらしい、四人とも、明日も頼むよ」


「任せておいてくれ、今のうちに行きたいところとかあれば手筈は整えておくよ」


「本当に?じゃあ行きたいところたくさんあるのよ!」


鏡花はノリノリでメモ帳を取り出して昨日決めてあった行きたいところを次々とハワード達に伝えていく


この中で一番楽しんでいるのは鏡花なのではないかと思えるほどにテンションをあげている


「あ、そうだクルージングとかできるって聞いたんだけど、今の時期でもできるのか?」


出国前、静希達が目をつけていたツアーのことを思い出し陽太が告げる


ハワードは腕組をして考えだす


「クルージングか・・・できないこともないが・・・どうだいシェリー」


「んん、普通のクルージングに使う船は大体出払っちゃってると思う」


どうにも状況は芳しくないようだった


「ん?シェリーそんなこと知ってるのか?」


「シェリーの家は観光客相手の仕事が多いんだ、船もいくつか持ってるんだよ」


なるほどと全員が納得するとシェリーは手を腰に当てて胸を張る


「一応パパに頼んでみるね、普通にお金かかるけど大丈夫?」


「どれくらい?」


「ちょっとそこら辺を動くだけならそうね・・・貴方達は四人で・・・一人四十ポンドもいらないと思うわ」


静希達が持ってきている小遣いは四万円、ポンドに直して三百強といったところか


そう考えるとそう大した額ではない


「それじゃあ頼むよ、観光してからクルージングっていうのが理想かな」


「OK、こっちで準備しておくよ、最高のツアーを用意しよう」


「期待してるわ」


そうこう話している間に集合時間になっていたのかあたりにもたくさんの生徒たちがたむろしている


静希達と同じように何とか会話しながら互いの親睦を深めあっているようだった


「あー、時間だ、これからホテルに移動する、各自別れでも何でもしてバスに乗れ」


やる気のない城島の声に苦笑しながら静希達はハワード達と向かいあう


「ありがとう四人とも、今日は楽しかったよ」


「なに気にすることないさ、明日はもっと楽しませることを約束するよ、今日がただのお茶会に思えるくらい楽しませるさ」


「そりゃいい、楽しみにしてるよ」


互いに握手して静希達はバスに乗り込む


国が違い言葉が違くてもあいてもただの学生であることを強く感じた一日だった


静希達はホテルに戻るバスの中で明日のことを話し合い楽しみにしていた


お気に入り登録三百件突破を記念して、および感想への返信遅れたことと誤字修正のお詫びとして複数投稿です


そろそろキャラ紹介ページ出そうかと悩み中です


あとタグがこれで正しいのかでも悩んでいる始末


お粗末な点が多々あるとは思いますがこれからも楽しんでいただければ幸いです

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