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J/53  作者: 池金啓太
四話「異国の置き去りの時間」

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Japanese is crazy

改めて言いますがあくまで自分のイメージです


実際のとは異なりますのでご注意ください

「さて、君達は食事はどうする?俺達はここらで食べようと思うんだが」


ハワード達は木陰にシートを敷いてくつろぎ始めている


「食事って言ったって、俺ら何も持ってきてないぞ」


「あぁ、安心しろ、君達の後ろに美味しいランチを提供している販売員がいる」


静希達が振り返ると道のそばに車が止まっており、そこでサンドイッチなどを販売している人がいるのが見える


宅配販売のようで、静希たち以外の日本人学生の姿も見える


近くに行くとサンドイッチをメインにパンを主食とした昼食を用意しているようだった


BLTサンド、卵、チキンサンドやハンバーグなども用意されている


「おぉ、品ぞろえ良いな、俺はこれとこれとこれとこれ!」


「そんなに食って大丈夫かよ・・・俺はこれとこれを」


静希達全員が身ぶり手ぶりで店員に注文し、事前に為替をしておいたポンドを支払いハワード達の待つ場所へと戻ってくる


「驚いたな、日本人は少食だと聞いていたんだが、ヨータはそんなに食べるのかい?」


「おうよ、しっかり食べとかなきゃいざって時力が出せないからな」


「同感だ、強化系能力者はそうでなくちゃいけない」


どうやら陽太とマーカスは同じような能力のせいか、それとも別に通じるところがあったのか妙に意気投合しているように見える


「それにしても君達を見ていると日本人のイメージを変えなくてはいけないかもしれないな」


「ん?イメージって?」


「いえね、ハワード達は『日本人はきっとみんなクレイジーな連中なのさ』って言ってたから」


「また不名誉なイメージなのね・・・そもそもなんでクレイジー?」


鏡花の言葉に口の中にサンドイッチを放り込んだハワードとマーカスが顔を合わせる


「だって日本じゃ近親相姦が日常茶飯事なんだろう?」


通訳をする明利は真っ赤になりながら、そしてその言葉を聞いた純正日本人の静希達は噴き出す


笑いとかではなく驚きでだ


「ちょ・・・ちょっと待ってよ!なんでそうなるわけ!?日本でも違法よ!」


「えぇ!?違うのかい!?だって日本のアニメーションなんかではそういうのが日常的に描かれてるじゃないか、しかもたくさん」


「そ、それは・・・」


「現実と二次元を一緒くたにしてはいけません、というかそれだけでクレイジー扱いは酷くないか?」


どちらかというなら文化的な意味でクレイジーというならそれはあくまで一部の人たちだけだ、日本の人口全てがクレイジーというわけではない


「もちろんそれだけじゃないさ、日本人は俺達が考えもしないような技術や道具を作り出す、この前の巨大ロボットなんてびっくりしたよ、ニュース見た時『さすが日本人、超クレイジーだぜ』って叫んじゃったくらいさ」


どこかの会社が実際に作った巨大ロボットのことを言っているのだろう


確かに想像を絶する発想力、そしてそれを実際にやってしまうのが日本人の恐ろしいところだろう


実際にやってみないと気がすまないというのが日本人の特徴でもあるのだが、それでクレイジー扱いは多少不名誉が過ぎるのではないかと思う


「他にも、明らかに精神を壊すことを目的としたジェットコースターや毎日のように満員電車に乗るだとか相当クレイジーだぜ」


「そもそも電車が時刻どおりに動くって言うのが信じられないわ、すごいことよそれ」


「ときたま日本の製品をネットで見るんだが、狂ってるとしか言いようがない物を売りだしてるじゃないか、ああいう発想はどこから生まれてくるんだい?」


「銃を持たなくていい、しかも落としものをしたらそれがそのまま返ってくるなんてあり得ないわ、一体何を考えているのか想像だにできないわ」


電車が時刻通りに動くのはさておいてなんだかそう言われてみるとクレイジーと言われても仕方がないような気がしてきた


「なんだかまったく違う視点からこうして自分の国を省みると日本ってすごいのか酷いのかわからないわね」


「たぶんすごいけど酷いって言うのが正しい評価じゃないか、すごいところはすごいんだけどその方向性が酷いみたいな」


静希の解釈はあながち間違っていないかもしれないが、それが正しいと公然的に言えないのも事実だ


というより日本が海外からそんなに酷評?を受けているとはつゆ知らずのうのうと生きてきたわけで


「なんか日本に対してあんま良い印象がないっぽいな」


「何てことを言うんだ、むしろ好印象しかないよ!またいつ『はは、こいつらは本当にクレイジーの塊だ』って思わせてくれるか楽しみでしょうがないんだから」


「それって好印象なの?褒めてるつもりなの?」


「少なくとも貶してはいないわよ、治安もいい、食事もおいしい、エンターテインメントに富んでいる、人は親切、こんな国そうそうないわよ?」


「そういわれると幸運なんだろうけど、すっごく納得いかないな・・・」


自国のことを褒められているはずなのにどうしてだろうか全然褒められている気がしない


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