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J/53  作者: 池金啓太
四話「異国の置き去りの時間」

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異国の学生

朝食の時間の少し前、明利がロビーに合流し、朝食の時間ぎりぎりに陽太が現れる


起こしてくれなかったことを憤慨していたが自分で起きることができたことに若干の誇らしさを覚えているようでもあった


朝食を終え、ホテルを出発する十時までの間、静希達は時間を持て余しながら明利の能力の発動状況を確認していた


もしこれで上手く相手と意思疎通できなければ静希達の覚えている拙い英語でとぎれとぎれの会話を楽しまなくてはならなくなる


その場合の為のカンペも大量に用意していた


このカンペでの会話をするかもしれないと思うといっそのことプラカードで会話すればいいのではないかとさえ思えてくる


十時にホテルの駐車場に集合しバスに乗り込んで数十分、静希達はこの国の能力専門学校に到着した


外観は静希達の通う喜吉学園に似ているが、その規模が大きく異なった


喜吉学園は校舎を効率よく並べ残った土地をすべて演習場に回しているがここはそれとは違い、校舎がいたるところに、そしてあまり効率的とは言えない配置で建っている


道も広くいたるところに花壇や街路樹があり、惜しげもなく土地を使っているという印象を受けた


日本と違い随分と豪快な土地の使い方だ


イギリスの国土も総合すれば日本より狭い、むしろ人口密度の違いと人の住める平野が日本より多いことが原因か


生徒たちの関心をよそにやってきた教師らしき人物とこちらの教師陣が何やら会話する


もちろん英語だ、静希も何とか聞きとろうとするが早すぎて何を言っているのか部分的にしかわからない


「これから各クラス、別の教室に向かいそれぞれの案内をつけてくれる、礼儀正しく交流すること」


教師の発言にいよいよかと全員の顔が引き締まる


日本でもたまに外国人を見掛け、注目を集めていることがあるが、今度は自分たちが注目を浴びる立場

言わばアウェー、そして実際に人と会い、話さなければいけないのだ、緊張するなというのが無理な話である


静希達が向かったのは校舎の二階にあるクラスだった


机は全て片付けられており、そこには静希達のクラスと同じ四十人ほどの生徒たちがいた


金髪や黒髪、栗色の髪を持つ大人びた生徒達、とても同い年とは思えなかった


いや日本人が童顔なだけだろうと思いながら教室にいた先生がクラス中に何やら号令を出し、完全に対面した形で炸裂音とともにクラッカーなどで用いられる紙吹雪が大量に宙を舞う


拍手とともに迎え入れられた静希達は一瞬あっけにとられながらも歓迎されているという雰囲気に安堵の息をつく


「皆聞け、これから向こうの班とこちらの班、それぞれペアを組んでこの学校の案内をしてもらう、言葉の壁はそれぞれの裁量で潜り抜けること、駐車場に三時集合だ、遅れたら置いていくからそのつもりで」


城島の指示は今朝聞いた物と同じ、そしてどうやら向こうの先生も同じことを言っているようだった


そして各班に紙が配られ、どの班とペアを組むかの取り決めの後、指示を伝え終えると教師同士は早々と英語で何かを話しだす


一番の驚きは城島があそこまで流暢に英語を話すことができるという点だろう


「静希、私達はどの班?」


紙にはAと書いてある、A班ということだろうか


他の生徒たちもそれぞれのチームを探していると、静希達はようやくお目当てのA班と接触できた


「Nice to meet you, we are group A. I'm Howard」


ハワードと名乗る金髪の男子学生が握手を求め、それぞれの班員に手を差し伸べた


出会いがしらに握手というのは何ともなれないが静希達も応じることにする


「Nice to meet you Howard. I'm Shizuki. I need your help well today.」


あらかじめ考えておいた挨拶で軽く握手をする


そしてその対応を陽太、鏡花、明利も行いそれぞれ握手を交わした


すると明利と握手をしている黒髪の女の子が一緒に笑いだす


「どうした明利?」


「ううん、なんかこの人も同調系統だったみたいで、考えることは同じなんだね」


「マーキングしたのか?」


「うん、お互いに」


明利から、いや同調系統からすれば同調するためのマーキングは必須、そしてそれは最初の接触時に行う


定石通りの対応に向こうも笑っているようだった


「で?通訳できるのか?」


「うん、やってみるね」


静希が英語で何か話してみてくれないかとハワードに伝えると


「わかったよシズキ、何を話せばいいかな?」


明利はハワードの言った言葉を翻訳する


どうやらしっかりと通訳ができているようだ


鏡花の用意したプラカードを使う必要はなくなりそうだと全員胸を撫でおろした


「こっちはいいとして、向こうはどうするんだ?通訳できてるのか?」


「できてるみたいだよ、これで普通に会話できるね」


互いに能力のマーキングを全員に施し、ようやくスタートラインに立つことができた


英語の成績良くなかったので、英文に関してはエキサイト翻訳さんに頑張ってもらいました


実際に行ったことないので完全に想像ですのであしからず


お楽しみいただければ幸いです

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