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J/53  作者: 池金啓太
番外編「現に残る願いの欠片」

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彼女の願い

ユーリアが目を覚ます前に、静希達は行動を開始していた。


全員で変装をし、ユーリアを完全に透明にした後で部隊の人間何人かに同じように変装させほぼ同時に車に乗り込み出発する。


ほとんどは囮、その中で一つだけに静希達が乗り込んでいる。


これから静希達が向かう場所へ七割が移動し、残りの三割は見当違いな方向へ移動を開始する。


どの方角に向かったかをわかりにくくするのが目的だ。もちろん相手にはもう行先はわかっているだろうからあくまで攪乱の意味しかないが、それでも十分すぎる。


幾つかの道に複数の同じ車が走っているという事で相手もだいぶ混乱するはずだ。少なくとも移動中の行動は避け、到着するのを待ってから接触してくるはずである。


もちろん一部の人間が勝手に動くという事も十分あり得ることだが、少なくとも現状攻撃を仕掛けてくる可能性は限りなく低いだろう。


「ん・・・あれ・・・?」


「お・・・起きたか。」


「おはようございますミスコリント、よくお眠りでしたね。」


「これで顔を拭いてください。涎が垂れていますよ。」


アイナとレイシャが甲斐甲斐しくユーリアの世話を焼いている中、彼女はようやく今の自分の状況を理解し始めたのか周囲の状況を確認し始める。


「あれ・・・?また寝坊した・・・?」


「寝坊っていうか・・・まぁそうだな、良く寝てたから起こすのも忍びなくてな。」


起こしてくれればよかったのにとユーリアは不満そうにしながら二人から渡されたタオルで顔を拭く。寝顔を見られるというのはあまりいい気分ではないのだろう。幼くとも彼女は女性だという事である。


「シズキ、この後どうするの?」


「この後はお前の両親がいる街に行く。気を引き締めろよ?ここが正念場だ。」


両親のいる街に。


その言葉を聞いてユーリアは意気込んでいた。


ようやく両親に会える。何とか両親を助け出してこの状況から抜け出さなければとユーリアは自分の武器を確認していた。


銃とナイフ。自分にとっては唯一有効と思われる武器であり攻撃手段だ。

これらを使ってでも両親を助け出さなければならないだろう。


「ねぇシズキ、お母さんとお父さんがどこにいるとかわかってるの?」


「それは街の中のどの辺りってことか?」


「うん・・・その街にいるのは確定なんでしょ?」


「今のところはな。」


軍から提供された情報を信じるのであれば、ユーリアの両親は静希達がこれから向かおうとしているところにいる。


だが街と言っても広い。その中のどこにいるのかという事が最も重要なのだ。


助けに行くのもその場から逃げるのも、両親の所在が最も重要になってくるだろう。街の中心部にいるようなことがなければよいのだがとユーリアは視線を落とす。


「何度か目撃情報があったけど、街のやや西側を中心に姿が確認されてる。ただそれはあくまで確認されてたってだけだ。今もその場所にいるとは限らない。」


「見つけることはできないの?」


「現場にも数人部隊の人間が潜入してるけど、そこまで確認ができるかはわからないな。必要ならお前自身が囮になって相手を誘い出すしかない。」


囮になって誘い出す。


相手にとってユーリアは絶対に手に入れたい、いわば絶対目標の一つだ。ユーリアの姿を見つければ相手は必ず何らかのアクションを起こすだろう。


つまり自分自身を囮にすることによって危険ではあるが確実に相手を発見するという事である。


「もちろんそんな危険を冒すまでもなく見つけられる可能性だって十分にある。部隊の人間が全力で索敵すればそれなりに成果もあげられるだろうしな。」


「・・・シズキは、どうするのがいいと思う?」


ユーリアの質問に静希は小さく息をつきながらそうだなと呟く。


今の状況で静希に助言を求めるというのは間違っていない。自分が考えるよりずっと確かな答えが返ってくるだろうことは間違いないのだ。


自分より頭が良く経験もある。この状況に対してどのような行動を起こすのが最適であるか恐らく静希にはわかっている。


「俺ならお前をわざと目立つようにして相手の動きを誘う。その間に軍に索敵してもらって相手を捕捉する。お前がいるとわかれば相手は必ず動くからな。」


静希の案はつまり先ほど言った二つの案の併用だ。


ユーリアを囮にして相手の動きを誘う。そして相手が動くのと同時に軍の索敵を使ってユーリアの両親の居場所を特定する。


どちらか片方ではなく両方を使った索敵を行うという事だ。


「それって、成功率はどれくらい・・・?」


「状況によりけり・・・と言いたいけど七割くらいじゃないか?相手も追い詰められてるからそれなりに必死になってお前を確保しに来るはずだ。それだけ動きも派手になる。」


そうなれば確実に軍の索敵に引っかかるだろうさと静希は眉ひとつ動かさずにそう言ってのけた。


七割


それが高いのか低いのかはわからないが、少なくともユーリアにとってはかなりの好条件のように思えた。


自分が囮になって七割の成功率を誇るなら、実行するべきだと、そう思えるほどに。


「じゃあ・・・私が囮になる。そうすればお母さんたちも早く見つけられるでしょ?」


「・・・いいのか?その分お前が危険になるぞ?」


静希の言葉にユーリアは小さくうなずく。危険は最初から承知の上だ。それに昨日の戦闘があってから、ユーリアは一種の覚悟が決まっていた。


それに自分が助けるのが遅くなればなるほど、両親が危険にさらされる可能性が多くなるのだ。


それならば自分が危険になるくらいなんでもない。


何より、今のユーリアは一人ではないのだ。


「もし危なくなっても、シズキ達が守ってくれるでしょ?」


「・・・随分と信頼されてるもんだな・・・まぁ悪い気はしないけど・・・」


静希だけではなく、アイナとレイシャも頼られているという事を理解して僅かに微笑んでいた。


確かに悪い気はしない。だがアイナとレイシャは正直に言えばその案には賛成できなかった。


「ですがミスコリント、敵の目に晒されるというのは正直あまり良いものではありませんよ?」


「そうです、貴女が危険にさらされるだけではなく、他の一般人へも被害が広がる可能性があります。」


アイナとレイシャの言葉にユーリアは言葉を詰まらせる。


そう、静希の提示した案はつまり街中でユーリアが姿を現すことで相手の動きを誘発させるという事である。


それは相手が動くきっかけにもなり、同時にユーリアの周りで戦闘が起こる可能性を示唆している。


ただ街に暮らしていただけの人間が巻き込まれる可能性だって大いにあるのだ。そう言う可能性をユーリアは考えていなかったのである。


自分のせいで周りの人間にも被害が及ぶかもしれない。


その意味をようやく理解したのか、ユーリアはうつむいてしまう。


昨夜体験した実戦。銃弾が飛び交い、周囲に血と悲鳴を響かせたあの戦い。ユーリアはまだ頭の中でそれを思い浮かべることができる。


鮮明に記憶された、記憶されてしまったあの光景が街全体に及ぶかもしれないという危険性に気付いてしまったのだ。


あのような光景を、他の場所でも起こすのか。


しかも今回は敵と自分たちだけではなく、本当に無関係な人たちまで巻き込んでしまうかもしれない。


何も関係がなかった人たちまで巻き込んでしまうかもしれないという可能性が出てきたことでユーリアは迷ってしまっていた。


確かに静希の案ならば両親を見つけられる可能性は高いだろう。だがユーリアが囮にならずとも両親を見つけられる可能性だって十分にある。


わざわざその場所を戦場にするような必要はないのではないか、別に危険を冒さなくともよいのではないか、そう思えてしまうのだ。


「・・・シズキ・・・どうすればいいと思う・・・?」


「決定権は俺にはない。お前が決めろ、お前がどうしたいか考えたうえで決めろ。他人を巻き込んででも確実に両親を見つけたいか、それとも隠れながら探すか、どっちも間違ってない。決めるのはお前だ。」


どちらも間違っていない。だがどちらの方が正しいとも静希は言わなかった。つまりどちらも正しく、どちらも間違っているのだ。


それは何を目的とするかによって変化するのだろう。ユーリアの場合どちらが正しいのか、それを自分で考えなければならない。


少なくともアイナとレイシャはユーリアが囮になって両親を探すことには反対のようだった。


恐らくユーリア自身も危険になるだけではなく、周囲の人間も危険にさらすということに抵抗を示しているのだろう。


それに対して静希はどちらでも構わないというスタンスを固めている。たとえユーリアがどちらを選んだとしても、静希にはそれを実行できるだけの覚悟も実力も備わっているのだろう。


たとえ第三者を巻き込んだとしても、自分の大切なものを守る。


その姿勢が間違っているか否か、ユーリアには判断できなかった。


だが今ここで結論しなければいけないのだ。自分がどうするのか、どうしたいのか。今こうして話ができる間に。


悩んでいるユーリアを見てアイナとレイシャは不憫になりながらも静希に非難の目を向けている。


こんな幼い少女にそんな選択を強いるなど、あまりにも非情だと思えてならなかったのである。


彼女は今まで普通の少女として過ごしてきた。そんな彼女にこんな選択をさせても答えが出せるはずもない。


なのに静希はそれを彼女に強要している。明らかに嫌がらせとしか思えないような行動だった。


だがアイナとレイシャの非難の目を受けてなお、静希はユーリアが答えを出すのを待ち続けていた。


鏡越しに苦悩する少女を見ながら、苦悩の先にある答えにたどり着くのを、その答えを口に出すのを待ち続けている。


それがどんな答えなのかを聞き届けるまで、静希は口を開くつもりはなかった。


「わた・・・しは・・・お母さんたちを助けたい・・・!」


ユーリアが絞り出した答えは、両親を助けたいという一つの願いだった。それはこの状況において彼女が唯一持つ願いだったと言えるだろう。


だがそれは彼女の願いであって、彼女の答えではない。


「周りの人に迷惑かけるかもしれないけど・・・それでも・・・少しでも早くお母さんたちを助けたい・・・!」


その言葉に静希は目を細め、アイナとレイシャは不安そうにそばにいる少女に目を向けていた。


それは、小さな少女が自分なりに考えて決めた答えだった。


「私が囮になる、それで少しでも早くお母さんたちを助け出す!」


「それで周りの無関係な人間が死んだとしてもか?」


静希の言葉にユーリアは言葉を詰まらせてしまう。


自分がやろうとしていることはつまりそう言う事だ。自分の都合で無関係な人間まで危険に晒そうとしている。


それはつまり周囲の人間に対してどれだけ被害が出ようと構わないという、そう言う考えなのだ。


無関係な人間が死ぬかもしれない。自分の身勝手のせいで。


確かにその可能性もあるだろう。テロに巻き込まれるというのはそう言う事だ。幼いユーリアだってそのくらいわかる。


銃で撃たれれば痛いし、当たり所が悪ければ死ぬ。当然のことだ、いくら頑丈な人間だって銃で数発も撃たれれば生きていられない。


自分だけではない、静希達でもない、本当にこの件に無関係だった人間までも、銃に撃たれて命を落とすかもしれないのだ。


自分の頭ではそれが一体どういう意味を持つのかはわかっても、その結果どのようなことになるのかがイメージできなかった。


人が死ぬ


言葉にしてみてもイメージしてみてもうまく想像できない。


小説や映画の中ではよくあるシーンなのに、ニュースなどでは時折報道されるというのにそれを身近な現実に置き換えることができない。


だがそれでも、ユーリアはもう決心していた。


「それでも・・・他の人が死んじゃったとしても・・・私は・・・お父さんとお母さんが大事だから・・・だから・・・!」


たとえ赤の他人がどうなろうと、身内には替えられない。どんなに他人が苦しんでも、家族が苦しんでいることの方がずっと辛い。


ユーリアは震える手を必死に抑えながら運転し続けている静希の方を見る。


「シズキ・・・私が囮になる。だから守って・・・」


今にも消え入りそうな声を、泣きそうになりながら出すと、ユーリアは懇願するように静希にそう告げた。


その答えが間違っているか否か、静希にもアイナにもレイシャにも、勿論ユーリアにも判断はできなかった。


だがそれでも静希はその答えを受け止めていた。


彼女が考えたうえで答えを出したのであれば、静希はそれを受け入れる。そして自分がなすべきことを成すだけである。


「了解した、お前のことはしっかり守ってやる。」


「・・・うん・・・お願い・・・」


自分が言ったことがどれほどの意味を持っているのかユーリアは未だ理解できていないだろう。


赤の他人よりも身内を優先する。それは静希が考えるそれと似通っている。


もっとも、静希のそれはユーリアよりも強く極端なものではあるが、ユーリアが今考え出した答えは静希の答えに似通っているのは否めなかった。


「ミスコリント・・・よろしいのですか?」


「何もあなたが危険な目に遭わなくとも・・・」


アイナとレイシャがユーリアの身を案じて不安そうに話しかけてくるが、ユーリアは首を横に振る。


二人が心配してくれるのは素直に嬉しい。自分の身を案じるだけではなくその精神状態まで気にかけてくれているというのは十分に理解できる。


だがだからこそ、このままではいけないという事をユーリアは理解していた。


「私はお母さんたちを助けたい。その為に私ができることはなんだってする・・・そう決めたの・・・ちゃんと考えて決めたの・・・!」


自分で考えて決めた。自分自身で決めたこと。


他ならぬユーリア自身にそう言われてしまってはアイナとレイシャもこれ以上口をはさむことはできなかった。


アイナとレイシャの任務はあくまで静希の補助、そしてユーリアの護衛だ。状況が変わると言ってもそのことには何ら変わりはない。


ユーリアがそれを望み、静希がそれを了解したのであれば自分たちが口を出せる問題ではないのだ。


「わかりました・・・ミスコリントがそうおっしゃるのであれば、我々も微力ながら協力します。」


「ですが無理はしないでください。貴女はまだ幼く弱いのですから。荒事でしたら我々が担当します。」


「・・・うん・・・ありがと・・・」


二人の言葉はユーリアにとって非常にありがたいものだった。一緒に手伝ってくれるという人がいるだけで、気持ちがここまで楽になるというのをユーリアは初めて体感していた。



「方針は決まったな。あとは現地につくまで楽しいドライブだ。」


「・・・ミスター、ミスコリントのご両親に所に行くにあたってどのような行動をするおつもりですか?」


静希が表情を崩してハンドルを握る中、アイナの視線が静希に突き刺さる。その視線の意味を静希は理解していた。


アイナが考えている危険性とその可能性、それは当然ながら静希の頭の中にも入っているのである。


「どのようなって言われてもな。とりあえずリアを囮にしながら逃げ回って、部隊からの連絡が入ってきたらそこに行く。それ以外はあまり考えてないぞ。」


鏡越しに視線を込めてそう言うと、アイナもそれで納得したのかそれ以上追及するようなことはなかった。


ユーリアがいる状況で不穏な発言をするべきではないことを理解しているのだ。ただでさえ今ユーリアは危うい状況にある。


これ以上精神的な負荷をかけるべきではないと思っているのだ。


静希だって何も毎回ユーリアに無茶を強いているわけではない。


彼女ができると思ったことだけを考えさせ、実行させるつもりでいた。


これ以上負荷をかけるのはさすがに今のところは無謀だと感じたのだ。何よりユーリア自身の精神がもたないと察したのだ。


頭の回転も速く、それなりに行動力も意思もある。だが彼女はまだ幼い、ただ能力を使えるだけの少女なのだ。


「でもシズキ・・・囮になるっていったけど実際はどうするの?街中でボーっと立ってるだけ?」


「んなわけあるか。窓から顔を出して周囲を見渡すだけでも十分確認できるだろ。それで反応がなければ車の外に出ることも視野に入れておくけどな。」


まずは車の中から反応を窺う。そしてその後反応がなければ車の外に出て囮としての行動を開始する。


わざわざ最初から面倒な方法をとる必要などない。囮としての段階を徐々に上げていけばいいだけの話である。


「実際に囮を始める前に街にいる部隊に連絡しておかなきゃな・・・無線で連絡入れておくか・・・レイシャ、頼む。」


「了解しました、伝えておきます。」


静希から連絡用の無線を受け取ったレイシャは英語で無線の向こう側へと話し始めた。


ユーリアが英語を理解できなくてもこの場にいるとその内容を理解できるのだから不思議なものである。


「あ・・・そうだ・・・この翻訳されてるのって静希の能力なのよね?」


「・・・ん・・・まぁそうとも言えるし違うともいえるな。」


静希のぼかした言い方にユーリアは不思議そうな顔をした後さらに続けて口を開く。


「静希の能力っていったい何なの?今まで見て来たけど全然わからないんだけど。」


「そりゃお前みたいな素人にわかるようにつかうわけないだろ。」


「えー・・・じゃあどんな能力なのよ」


「教えるわけないだろ、能力は基本秘密にしておくものだ。」


静希の言葉にユーリアは不満そうにしていた。


アイナとレイシャの能力はそれぞれわかりやすい。アイナは透明化、レイシャは身体能力の強化。だが静希の能力はさっぱりわからないのだ。


サイコキネシスのような念動力を使ったかと思えば誰かとの会話を翻訳していたり、片手で人間の骨を砕いていたり、さらには唐突に大きな剣を取り出していたりと、まるで複数能力があるかのようだった。


普通能力者は一つの能力しか持っていないものだったはず。自分がそうであるようにアイナやレイシャがそうであるように静希もそうではないのかという風に思えてしまうのである。


だが実際静希は複数の能力を扱っているように見える。もしかしたら静希は能力を複数所有しているのではないかという疑いさえある。


それはそれで心強いのだが、自分の能力だけ知られていて静希の能力をわかっていないというのは不公平なように感じたのだ。


「二人はシズキの能力って知ってるの?」


「え?あー・・・はい・・・一応。」


「大まかになら知っています。ですが・・・」


静希に聞いても話してくれないと理解したユーリアは矛先をアイナとレイシャへと変更して問い詰める。


二人は話していいものかと静希の方に視線を向けるが、鏡越しの彼の視線はとても鋭く、絶対に話すなよと言っているかのようだった。


さすがにこの状況では話すわけにはいかないとアイナとレイシャは苦笑いしながらユーリアの頭を撫でる。


「ミスコリント、これから能力者として過ごすのであれば相手の能力を自分で解明するというのも必要なことです。」


「まずはミスターイガラシの能力を当てるところから頑張ってみましょう。」


「えー・・・本当にわからないんだけど・・・」


上手く回避したなと静希は苦笑しながら運転を続ける。


実際静希の能力を知っているものは多いようで少ない。特に本当の能力を知っているものはかなり限られるだろう。


さらに言えば彼の全てを知る人間はもっと限られる。具体的には二桁いるかいないかくらいしか静希の能力に関する全容を知っている者はいないのである。


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