楽しい!おいしい!ベテランガイドと行く大迷宮きのこ狩りツアー(13)
「……姫様」
呼びかけの声に振り返れば、イーリスがにこにこと笑っている。その後ろには疲れ果てた様子のローレンがいる。
いつもはピンと立っている耳がへにょっと折れているところを見ると相当疲れているのだろう。
「い、い、イーリス?」
エリザベスが、はじかれたように立ち上がった。
「はい、姫様」
イーリスはにっこりと笑みを浮かべる。
エリザベスの表情は対照的なまでにひきつっていた。目がウロウロと不自然に泳いでいる。
「……姫様が突然姿を消されたものですから、私は、とてもとてもお探し申し上げました」
穏やかな声音。その表情はどこまでもやわらかく、一見したところ、わかりやすい怒りの要素を見て取ることはできない。
(でも、このほうが怖いよね~)
「す、す、す、す、すまない」
舌をもつれさせるほどひきつったエリザベスの表情がおかしくて笑いそうになったが、リアはこらえた。
ここで笑ったら自分にも悲劇が降ってくることくらい、容易に想像がつく。
(とばっちりはごめんだし)
それでも、注意深く言葉を選びながらリアは口を開いた。
ここでフォローせねば、あまりにも友達甲斐がないというものだろう。それに、リアには共犯者である自覚もある。
「イーリスさん、心配させてごめんなさい。リズが噴水見ながら食べたいっていうので従業員のとっておきの場所に案内させてもらったの……でも、ホテルの中だからそこまで心配するほどじゃないんですよ?」
アル・ファダルの治安は悪くない。いや、むしろとても良いだろう。
犯罪発生率はかなり低いし、犯人が捕まる率も高い。
マクシミリアンは、現在生きている中では世界で最も探索系統の魔術に長けていると言われているのだ、そんな人間が治めている場所で犯罪をおこそうというのが間違っている。
しかもこのホテルはマクシミリアンの御在所……お膝元なのだ。マクシミリアンを知っている人間ならば、ここで事件を起こそうなどとまず考えないだろう。
「リアさん、ここのホテルだからこそ心配するんです。他の場所だったら心配なんかしませんよ」
「えーっ、そんなことないですよ?」
まあ、別な意味で生命の危機にさらされるかもしれないのだが。
「触がおきやすいときいております。姫様はそういったことに不慣れですし、何よりも尊い御身でございますから」
「わかっておる。いや、ほんとうにすまなかった。イーリスを撒くつもりはなかったのじゃ」
「ええわかっておりますとも。姫様が念願のソルベに心奪われ、取り残された護衛のことなど欠片も思い出さなかったことは」
「……すまぬ」
イーリスの言葉があまりにも図星すぎてエリザベスには他に言うべき言葉がないようだった。
身分的にはエリザベスのほうが上なのだろうけれど、どうやらエリザベスはイーリスには頭があがらないらしい。
「イーリスさん、もしかして、ソルベまだ食べてない?」
リアは、話の流れを変えるようにつとめて明るい声で問う。
「……ええ。お探しするので手一杯でしたので」
「じゃあ、イーリスさんの分代わりにもらってきますね。わたしがいけばトリプルになりますから!」
「いえ、そんなお手数をかけるわけにはは……」
「遠慮するでない。ここのソルベの種類はとても豊富なのじゃ。イーリスでは選びきれまい。プロに任せるがよい」
畳み込むようにエリザベスも口を挟む。
「三種類もなんて食べきれませんよ」
「大丈夫。食べ切れなければ、私とリズで残りは片付けますから」
「そうですか。それならばお願いします」
あっさりとイーリスがうなづく。
リアとエリザベスは、こっそり目を合わせて笑みを交わしあった。
□□□□□
「姫君と何をたくらんでるんだい?」
ホテルの中は、リアにとって自宅の中と一緒だ。
元が宮殿であったこのホテルは、全体的に迷いやすいつくりになっているが、リアの足取りには迷いがない。
カフェへの近道をたどりながら、後ろを歩くローレンをちらりと振り返る。
「たくらんでるなんて人聞き悪いですよ、ローレンさん」
「他に言いようがないからね」
たった半日でずいぶんと仲良くなったんだね、とローレンは苦笑する。別に隠すことでもないのでリアは笑いながら口を開いた。
「……あのね。カフェのソルベって、種類が豊富なの」
「うん?」
ローレンはリアが何を言い出したのか、一瞬戸惑う。
「で、現在、20種類以上あるんですよ」
「うん」
「で、すっごくおまけしてもらったんだけど、リズが3種類、私が3種類でしょう。6種類じゃあ半分すら試せなくて……お互いすごーく悩んで検討に検討を重ねたんですけどね!!」
リアの言葉がわずかに熱を帯びる。
「今がシーズンのものを食べるのか、それともレアなものを選ぶべきか、ミラーン蜜酒味なんてそうそう食べられないし!でも、魔力増加の効果は捨てがたいし!!」
正直、確かにおいしいけれど、たかがデザートにそこまで熱弁をふるう理由はローレンにはさっぱりわからない。わからないのだが、わからないなりに、ここでどうでもいいとか、何でもいいとか、『たかが』などという発言してはいけないことくらいはわかっている。
「それが何か関係あるのかい?」
「ええ。……食べたいものをちゃんと選んだんです。これだけは絶対食べるべきな塩ミルクとか、ピンキーアップルとかミラーン蜜酒とか、どっちかっていうとレアっぽいものやポメロとかの高い効果のあるものとか……で、今の時期イチオシのモルファの柿味をなくなく諦めたんです。でもほら、イーリスさんの分を選ばせてもらえれば、モルファの柿食べられるし、あと、滅多にとれないからグルベリーもいいですよね!しかも、イーリスさん、あんまり食べられないみたいな様子でしたし」
ナイスタイミング!とでもいいそうな良い表情をしている。
「ああいうのって別腹なんじゃないの?」
「別腹ですよ。でも、味見くらいはさせてくれますよ、きっと」
リアは全部食べたことあるんじゃないかったか?と思ったけれど、口には出さなかった。こうやって危機回避能力があがっていくことこそが大人になるということなのだ。
□□□□□
西の地平におちてゆく太陽の残光がわずかな黄金の光を放ち、薄闇が空気を青く染める。
うっすらと闇にそまりはじめた庭を、赤と黄色の派手なストライプの上衣を着用した男が忙しそうに行く。
灯守だ。この灯守という役職は、こちらの世界特有のものらしい。いつだったか、シオリが関心をもって、いろいろと聞いていた。
彼らはこれくらいの時刻になると、ホテル中の街灯に魔法で火をともしてまわる。
青い闇の中にたたずむ庭が少しづつ光を帯びていく様はとても美しく、何度見ても飽きない。
いつもは、見ている余裕などないから尚更だ。
(時々、こうしていることが夢みたいに思える)
清潔な服にふかふかのベッド……ノミなんて絶対いないし、お湯だって毎日使える。着替えだってたくさんあるし、自分の趣味で自分の着たい服を買うことだってできる。
更に、住んでいるのは元は宮殿の上級使用人用住宅の一室だ。
(まるで話にきく貴族の生活みたいだ)
しかも、おなかいっぱい食べられるおいしいごはん……エリザベスのようなお姫様がうらやむようなものを毎日のように口にしている。
今のリアを見て、もう浮浪児と間違える人間はいないだろう。
(それに……)
何よりも、リアには仕事がある。
同年齢の女の子とはくらべものにならないくらい忙しくて大変だけど、それ以上に高給な仕事が。
「今日はありがとう、リア」
「ううん。どういたしまして」
「……今までの人生で、こんなにも楽しかったことは他になかったぞ」
「大げさだなぁ」
「全然大げさじゃない」
エリザベスは、しゅんとした表情で言う。
でも、楽しい時間ほど早く過ぎるし、楽しいことにはいつだって終わりがあるものだ。
(終わりがあるから楽しいんだよってお師匠様は言っていた)
「時間ができたらまた遊びに来て。私はここのレストランにいるから……私が比較的自由になるのは朝ごはんの片付けの後から夕方までだけどね」
「本当に来てもよいか?」
顔をあげたエリザベスは、途方にくれた幼児のような表情をしている。
「もちろん。……まだまかないを食べさせてあげてないし、レシピだってかいてないし、羽もあげてないでしょ」
「うん」
「それから、プリン!お師匠様の作るプリンは最高なんだから!」
リアの言葉に、しゅんとしていた顔が輝きを取り戻す。
「がんばって仕事して、それで遊びに来る!帰る前に絶対にもう一度くるからの」
エリザベスは、そう宣言して傍らのイーリスを伺うように振り向く。
「お仕事をちゃんとなさっていただけるのでしたら」
イーリスはにこやかにうなづいた。
「リアさん、本当にありがとうございました。いろいろとご迷惑をおかけしまして」
「ううん。お互い様だし。私も楽しかった」
「そう言っていただけると助かります。私も楽しかったです」
「ソルベを分け合うなんて、イーリスも初めてだものな」
あれを分け合うというのだろうか、とローレンは心の中で突っ込みをいれる。
「そうなんですか?まあ、マナー的にはあれですけどね。友達だったら別にいいでしょう?改まった席でもないし」
「友達……」
「プライベートの時はね。私は貴族とかそういうの大嫌いだけど、リズがどんなにえらいお貴族様だってリズはちゃんと友達だから。……イーリスさんもね」
「ほんとうか?」
「うん」
その言葉に、エリザベスの表情がさらにぱあっと輝く。
抜けるような白い肌がほんのりバラ色に染まり、とても愛らしい。
「リアは、妾の初めての友達じゃ」
「リズ、淋しい子なんだね」
「なんじゃ、その淋しい子というのは」
「だって、初めてだなんて……」
「わ、妾はあんまりそういう機会がないのじゃ」
じゃれ合う二人を、イーリスとローレンが暖かなまなざしで見守っていた。
□□□□□
「……聞いてます?お師匠さま」
予定より一日早く……昨夜遅くに帰ってきたシオリは、休みなのにいつも通りの時間に厨房に出てきた。
レストランの朝は早い。この時間はまだナイトフロントの担当時間なくらいで、他におきている従業員はといえば警備関係者くらいのものだろう。
昨日の収穫と受け取ったツアーのお土産の処理に出てきたリアは、すでにほとんど作業を終わらせていたから、報告がてらにシオリを手伝うことにする。
「うん。聞いてるよ。まかないはいつでもいいよ。特別なことは何もしてあげられないけど。プリンならその時に出してあげる。いつでも大丈夫だと思う。どうせ、プリンを作らない日なんてないんだから」
「ですよね」
マクシミリアンが、プリンを注文しない日がくるなんて想像もつかない。
普通に考えても、マクシミリアンの主食はプリンだ。きっとマクシミリアンを知る誰もが納得するに違いない。
「で、お師匠様、これ、何つくってるんですか?お菓子?」
リアは、弱弱しく噛み付いてこようとするピンキーアップルを四つに割って、皮をむいて赤ワインのシロップの中に入れる、対するシオリは、ムーナ小麦にラディアナ粉を配合したものに水を加えてこねている。
「パイ。あっちでいただいたパイがちょっと不満だったものだから」
「おいしくなかったんですか?」
「……まずくはなかったけど、もったいなかった。まあ、私の好みなんだけど、多少酸っぱくても果物の味がするほうがすきなの」
こっちのお菓子は甘すぎるよ、とシオリはいつもの言葉を口にする。
リアは別に気にしたことがない……というか、そもそも菓子を口にできるような身ではなかったのでよく知らない。甘いというだけでたぶんすべての評価が三割り増しだ。
でも、リアが知っているお菓子はシオリの作るものばかりで、それは文句なくおいしいものばかりだ。とても幸せなことなのだとホテルの皆が言う。
「私はお師匠様がつくるものなら何でも好きです」
「ありがとう」
シオリが照れくさそうに笑う。
「……そういえば、ラルダ茸は無事に捕獲できたの?」
「ばっちりです。……だめになっちゃうともったいないので、八割くらいは乾燥させてあります」
「ありがとう。しばらく茸に困らないね」
「足りなくなったらまた迷宮に潜りますから、大丈夫ですよ。今回のコースならディナンと二人で余裕で行けるし。マッピングもちゃんとしてきたので」
「うん。その時はよろしく」
シオリが嬉しそうに笑みを重ねるから、リアはあのツアーを選んで本当に良かったと思った。
「お師匠様も今度一緒に大迷宮に行きませんか?」
「無理だってば。魔生物がいっぱいでるような危険な場所には行かれません。何たって、軟弱な異世界人なんだから」
「そんなことないですよ!あの包丁もっていけば何だって切れるじゃないですか」
「無理だってば。それにあんな重いものどうやってもっていくの」
シオリは謙遜が過ぎるところがあるとリアは思っているが、それは異世界人の民族性みたいなものらしい。
リアがもう一人知っている異世界人は森村という男だが、彼もまたひどく謙遜する男だった。
異世界人たちは皆、自分達が弱いと揃って口にするが、森村などは、蝕でわいた魔生物を踏み潰すという荒業で撃退した勇者だ。王妹殿下の婿になったことを誰もが納得するほどの強さだというのに、本人はいたって謙虚で腰が低い。
「えー、お師匠様が軟弱だなんてありえないですよ」
「魔生物と戦うなんて無理だから!」
「えー、よく戦ってるじゃないですか!虫とか、虫とか、虫とか」
「あれはただの退治です。掃除の一環です。クリンリネスは大事なんだから!」
「くりんれす?」
「クリンリネス。でも、あっちでも、クリンネスとかってよく言ってた」
耳慣れない音に、リアは首をかしげる。
翻訳の魔術でも表現しようのない単語だったらしい。
「清潔に保っておくこと。食べ物商売の基本だよ」
食べ物扱ってるところに虫がわくとか入り込むとかあってはならないことなんだから!とシオリはきっぱり言い切る。
「はい」
リアはまっすぐ見上げてうなづいた。
「生地を寝かせてる間に、フィリングつくっちゃおうね」
凶暴なりんごに赤ワインに砂糖とはちみつ贅沢に、と歌うように言いながら、シオリは異世界からもってきたという赤いミルクパンに材料を投入していく。
「火はどのくらいですか?」
「弱火でじっくりことこと焦げないように。半透明になったらこのカーシャを少々ね。いれすぎちゃだめよ。本当はシナモンがいいんだけど、まあ、似てるからいいや」
シオリの作業には無駄がない。迷いとためらいがないとも言える。
もちろん味見もするけれど、何度も加えたりすることはない。
「いい匂いですね」
「料理は匂いで誘惑するのよ!」
「わかります!屋台とかそうですよね!」
「そうそう。……ああ、リア、今日、用事ある?」
「いいえ」
「じゃあ、街に出ようと思うんだけど、案内してくれないかな?」
「もちろんです!」
お師匠様とおでかけなんてはじめて!嬉しい!とリアは喜びもあらわにぴょんぴょんとびはねる。
まるで自分が小さな子供のようだと思うけれど、でもこの嬉しさは我慢しようとしてもどうしてもあふれてしまうものだ。
「……厨房引き篭もってるのは幸せだし、それが望みなんだけど、まあひきこもってばかりもいられないからね」
「えー、別にひきこもっててもいいと思いますけど。時々は市場とかも行くんですし……どこ行きます?屋台街もいいですけど、染物横丁とかおもしろいですよ!」
「んー、商店街とか普通の食材が売ってるところに行きたい。あと、トトヤさんにも行ってみたいかな」
「?????」
なんでいまさら、という表情をしているリアにシオリは笑う。
「いまさらなんだけどね。今までは与えられた材料でやってたんだけど、それだと限られてくるから……それに……もうちょっとこの世界のことを知りたいと思うの」
その静かな笑みに、リアは見惚れた。
「ああ、それから先に言っておくね、今日の夕食、鍋やるから一緒に食べよう」
「鍋?」
「実は殿下達も一緒に帰ってきてるの。すっごい機嫌悪くてね。みんながかわいそうだったから食事一緒にしましょうって言っておいたの」
それは即座にマクシミリアンの機嫌がなおる魔法の呪文だ。
何度使っても威力がおちることがない究極魔法だとリアは思っている。
(ただし、お師匠様しか使えないけど)
「でも、お休みだから凝ったものはできないし……鍋なら材料切るだけだから簡単にできるでしょう。おいしいお肉があればしゃぶしゃぶとかするのもいいかなぁと」
「しゃぶしゃぶってこの間食べたあれですよね?貝をうすーく切ったやつ」
「そうそう。お肉でもおいしいんだよ」
「楽しみです!殿下いらないけど!」
「そんなこと言わないの」
「またプリンとか言い出さなかったですよね?」
「大丈夫。あっちでつくったプリン回収して帰ってきたから」
「なら、よかったです」
何しろ、プリンを作るのは重労働なのだ。
「お友達、今日もこっちにいるなら、今日でもいいのに」
「……殿下が苦手みたいなので」
「まあ、殿下って子供らしくないものね」
「お師匠様、殿下はもう成人してるよ」
「え、そうなの?」
「うん」
ああ、そうか、とリアは気付く。
(そっか、リズの言っていた呪いってこのことか)
リアたちにはあまりにも当たり前すぎてわからなかったが。
(なーんだ)
謎がとけたリアはそれだけで満足して、そのことをきれいさっぱりと忘れてしまったので、シオリが真実を知る機会ははるかかなたに遠のいた。
「お師匠様、トトヤさんに行くなら、他のお店にも寄りましょうよ。探索屋さんの半分くらいは食材も扱ってますから。高くて売れなくて死蔵しているものもいっぱいあるはずです!」
「高くて売れない食材なんてあるの?」
「ガウア鮫の卵とか!伝説に残る珍味らしいですよ」
「伝説の珍味って何か危険だなぁ」
言外に、それはいらないかも、という響きがにじみ出る。
「……それに、ディルギットの菓子屋には、ディルギット=オニキスの残したレシピ本があるんですって」
「え、魔術師が何でレシピ本?」
「さあ……魔力がたりなくて誰も作れないらしいですけど、お師匠様なら大丈夫かも!ぜひ、何かつくってください」
「見せてもらえたらね。……それより、焼きあがるまで、またツアーの話をきかせて。ラルダ茸ってどんなところに生えてるの?どんな風に捕獲するの?まさかしゃべったりしないよね?」
「えーとですね。ラルダ茸はね……」
シオリに乞われて、リアは再びツアーの話をはじめる。
話しているうちに楽しかった思い出がきらきらと輝きを帯びて大切な記憶へと変わってゆく。
(お師匠様が楽しそうに話を聞いてくれるから……)
こんな毎日がずっと続けばいいとリアは思う。
そして、それが当たり前でないということをリアはちゃんと知っていた。
大切なものほど狙われるし、奪われるのだ。
(……強くなろう)
すぐに、ローレンやライドたちのようになることは難しくても、努力することはできる。
そして、その為の努力を惜しむつもりはない。
小さな火傷の痕と、重い片手鍋をふるうせいでできてしまったマメのある手を、リアはぎゅっと握り締めた。
楽しい!おいしい!ベテランガイドと行く大迷宮きのこ狩りツアー end
 




